インシュアテックで話題の保険ロボアドバイザー「ドーナツ」の松井 清隆インタビュー

Sasuke Financial Lab株式会社松井清隆

松井 清隆
Sasuke Financial Lab株式会社 代表取締役

 

 

広島県出身。高校卒業後、吉本総合芸能学院に所属し、構成作家としてキャリアを積む。

21歳の時に一念発起し、アメリカ・ロサンゼルスに留学。University of California, Los Angeles(UCLA)経済学部を卒業し、リーマン・ブラザーズ証券に入社。事業投資やM&A業務に従事する。

 

リーマンショック後、野村證券で金融法人担当として、保険会社のIPOや金融機関のM&A・資金調達に携わる。

 

その後、資産運用会社のウエリントン・マネージメントに転職、投資信託の企画・営業に従事。

2016年に同社を退職し、Sasuke Financial Lab株式会社を設立。 家計見直しアプリ「ウェルスケア」、保険加入・見直しサービス「ドーナツ」を開発する。

 

趣味は釣りとスポーツ観戦(特に、野球・サッカー・ラグビー)。

 

今後さらに保険業界でもテクノロジーの力が活用されていくと思います。

特に生命保険業界は、先ほどもお伝えした通り、今でも99%が対面で保険を販売しています。

中々これまで、テクノロジーというかオンラインでの活動というのは、十分に進んでいなかった面があるんですね。

インシュアテック松井 清隆

私自身も、3・4年で一気に対面販売をする99%のうち半分の人がオンラインに移るとは思っていなくて、今後はこれまで人がコンサルティングしていた場面や、保険に関心がある人の集客などをサポートするツールとして、インターネットやインシュアテックなどのテクノロジーが活用されていくのでは、と思っています。

インシュアテックは海外では広まっているようですが、日本ではまだあまり広まっていませんよね。

そうですね。
例えばアメリカは、国土が広いのでお客さんに会いに行くだけでも車で何時間もかかる。

なのでその分インターネットなどを活用した方が、物理的な距離を短くできるので、色んな業界がテクノロジーを導入してるんだと思います。

日本は比較的狭いので、誰かに会いに行こうと思えば会いに行けますよね。

しかも「会って顔を見て話す」というのを重要視する特性や文化があるので、アメリカと日本を比較するなら、国土の違いや対面で話すのを重要視するかの国民性の違いが、テクノロジーの導入が進んでいるか・いないかの差に出ているのかなと思います。

アジアでは、中国などがインシュアテックが進んでいる会社が多いそうですね。

中国でよく言われているのは、日本などの先進国はデスクトップパソコンの次にガラケー→次にスマホが出てきて、とデバイスが順を追って進化してきたのですが、中国の場合だと突然スマホが出てきたような感じだったそうです。

当然中国でもデスクトップやガラケーの販売はあったんですけど、国民みんなが持てるわけではなかった。
で、一般庶民にも普及し始めた最初の機器がスマホだったので、一気に間を飛ばして便利なものを活用しているという背景が関係しているかもしれません。

 

中国でスマホ決済などが進んでいる理由も、偽札の問題や現金持ってたら襲われる率が日本よりも高いなど、日本とはまた違う事情があるからだと思います。

スマホで全部カバーした方が住みやすい、という文化的背景があるかもしれませんね。

保険のドーナツ

もちろん話し合った上で決めていきますが、最終的に「何かをやろう」というのを決めるのが社長であったりとか、それが成功なのか失敗なのか、当然失敗だった場合は僕の責任になる。

そういった所を意識した上で、正しい判断ができるように、というのを常に考えています。

その他に経営者として意識していることはありますか?

一番大切なのは、サービスを作ったり企画を考えるのは”人”なので、自分たちでやりたいサービスだったり、作りたいものに対してどのくらいの能力を持つ人たちが何人くらい必要なのか、この全体的なバランスを常に意識しています。

今は保険の分野でサービスを提供しているということもあるんですけど、常々考えているのは「日本人にとって保険の課題が何なのか」です。

 

中々簡単に答えは出ないんですけど、そこの課題をちゃんと突き詰めて考えた上で、次に新しいサービスや機能だったりを開発していこうと思っているので、ベースとなる「本当にユーザーが求めている保険のサービスとは」ということを常に考えることは、経営者として大事だと思います。

起業する方にアドバイスするとしたら?

若い人であれば、必ずしもすぐに起業しなくてもいいんじゃないかなと。
企業に入って一通り学んだ上で起業するっていうのも、一つの選択肢としてあるかなと思います。

僕自身も金融のバックグラウンドを証券会社などで学んでから起業したので、サラリーマン自体も勉強になることが沢山ありますよ。なので起業するのが正義とかではないです。

インシュアテック松井 清隆

ですけど、30代や40代の人にとっては、起業することはそこまで大きなリスクではないと思っています。

日本自体もここからどんどん人材の流動性みたいなものが上がっていくと思っているので、現在のようにずっと同じ会社に勤め続ける人の方が、マイノリティになっていくのではないですかね。

例え起業して失敗したとしてもまた企業で働けばいい、といった具合の社会になっていくと思うので、起業する際に死ぬか生きるかの覚悟じゃなくて、もう少しライトな気持ちで起業してもいいんじゃないかなと思います。