生命保険での資産運用をシュミレーション比較!終身保険と個人年金どちらが有利?

記事監修者紹介
松葉 直隆 大学卒業後、損保ジャパン日本興亜代理店の保険会社にて5年以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。  その後、2016年6月より保険のドリルをはじめとする保険媒体の記事監修を務める。

老後資金確保の方法は、堅実に定期預金で確保する人】【iDeCoのような金融商品で大きな利益を上げようとする人】など、人によって様々です。

その中でも、生命保険で老後の資金の確保をするなら【終身保険】【個人年金保険】を活用する事が一般的となっています。

しかし、終身保険・個人年金保険にも、それぞれ特徴の異なる商品があり、中にはハイリスク・ハイリターンの商品も存在します。

契約者の利益を左右する返戻率・受取率がいかに高くても、生じる可能性のあるリスクは事前に把握するべきです。

この記事では、資産運用ための生命保険として【終身保険】と【個人年金保険】を取り上げて、特徴や返戻率・受取率をシュミレーションをします。

この記事の要点
  • 生命保険を活用して資産運用が出来るか
  • 終身保険と個人年金保険の商品紹介
  • 終身保険と個人年金保険の活用法と注意点
  • 保険の新規加入や見直しを検討するなら、相談員の約97%が国家資格であるFPの資格を所持している「ほけんのぜんぶ」無料で相談することをおすすめします。

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生命保険を活用して資産運用!

保険のドリル読者

私は老後の資金が心配なので、生命保険を利用した資産運用を考えています。

そこで、資産運用に有利な生命保険があれば教えて欲しいです。

こちらでは、資産運用へ活用できる終身保険・個人年金保険の特徴を解説します。

松葉 直隆

老後資金の相談も「ほけんのぜんぶ」(無料)

老後の資金はとても重要!?

皆さんは現在、老後の資金を積み立てておられるでしょうか?

『現在の生活が手一杯で、将来へ備える余裕なんて無い』という方々も多いことでしょう。

しかし、高齢世帯の方々の心配なデータが総務省より公表されています(出典:総務省「家計調査報告 家計収支編 2019年(令和元年)平均結果の概要」)。

無職高齢者(60歳以上)の、高齢夫婦世帯および高齢単身世帯の家計収支に関する統計は次の通りです。

毎月の家計収支/世帯 高齢夫婦世帯 高齢単身世帯
非消費支出(税金・健康保険料等) 30,982円 12,061円
消費支出(食費・水道光熱費等) 239,947円 139,739円
実収入(年金・その他) 237,659円 124,710円
毎月の家計収入 -33,269円 -27,090円
年間の家計収入 -399,228円 -325,080円

高齢夫婦世帯では年間約40万円の赤字高齢単身世帯では年間32万円の赤字となっています。

この赤字を埋めるためには、何らかの備えが必要になることでしょう。

終身保険の特徴

老後の資金確保のため、まず考えられるのが【終身保険】です。

終身保険は死亡保険の一種であり、一生涯の保障が約束された保険商品です。

解約返戻金で資金確保!

終身保険は確実に保険金が受け取れる死亡保険です。

しかし、中途解約すれば【解約返戻金】としてお金が戻ります。

タイミングを見計らって解約すれば、返戻率が元本(払い込んできた保険料)を上回り、契約者側に有利となります。

この解約して戻ったお金を、老後の資金に充てるのです。

タイプが色々ある!?

この解約返戻金の機能をUPした終身保険は多数販売され【低解約返戻金型終身保険】【外貨建て終身保険】等が販売されています。

しかし、いずれの終身保険も契約前に、その特徴を十分に把握しておかないと、思わぬ損害が発生するリスクがあります。

この点に関しては後述します。

個人年金保険の特徴

老後に受け取る公的年金だけで、とても足りないことについては前述した通りです。

この公的年金の不足を補う生命保険が【個人年金保険】です。

個人年金保険には有期年金・終身年金がある

個人年金保険は積み立ててきたお金を分割して受け取る仕組みですが、10年・15年と期間を限定し年金が受け取れる【有期年金】と、被保険者が亡くなるまで受け取れる【終身年金】に分かれます。

終身タイプの個人年金ならば、一生涯にわたり安定してお金が受け取れます

ただし、それなりに長生きをしないと元が取れない場合もあるのが個人年金と言えます。

新しい個人年金保険が登場?

個人年金保険にも【円建て定額タイプ】と【外貨建てタイプ】等が販売されています。

それに加え日本人の長寿化を反映して【生活保障重視型年金保険】も新たに登場しました。

この年金は長生きすればするほど、大きく得をする仕組みとなっています。

生活保障重視型年金については後述します。

オリックス生命「終身保険RISE(ライズ)」

保険のドリル読者

私としては、まず終身保険を検討したいですね。

私が保険料を払い込んでいる最中に亡くなっても、保険金が遺族へ下りるわけだし。

終身保険で資産運用に向いている商品は無いでしょうか。

こちらでは、オリックス生命「終身保険RISE(ライズ)」の保険内容の解説と解約返戻率をシュミレーションしてみます。

松葉 直隆

オリックス生命の保険も「ほけんのぜんぶ」で相談(無料)

堅実に積み立てたいなら!

オリックス生命の販売する「終身保険RISE(ライズ)」は、低解約返戻金型終身保険と呼ばれる死亡保険です。

保険料を払い込んでいる期間(低解約返戻金期間)に解約すれば、戻るお金はわずかですが、その分保険料が安く抑えられています。

一方、保険料を払い終えると返戻率が急激にUPし、そのタイミング見計らって解約すれば、契約者(被保険者)側に大きな利益となります。

また「終身保険RISE(ライズ)」は、日本円でかつ定額による運用なので、契約時に解約返戻率がわかります

気になる解約返戻率は、契約時に取得した資料の【解約返戻率推移表】で確認できます。

「終身保険RISE(ライズ)」の保険内容

「終身保険RISE(ライズ)」の保障内容

  • 死亡・高度障害保険金:契約者(被保険者)が亡くなった、または病気またはケガで保険会社所定の高度障害状態に該当した場合、保険金受取人へ下りる。保険金額は200万円から10万円単位で設定可能。
  • 保険料払込免除:所定の身体障害状態に該当した場合、以後の保険料が免除される措置。

「終身保険RISE(ライズ)」の特約

  • リビング・ニーズ特約:契約者(被保険者)が余命6か月以内と判断されたとき、指定保険金額に対応する利息・保険料相当額を差引いた金額が保険金として下りる。なお、この特約は自動付帯。
  • 介護前払特約:約款所定の要介護状態に該当した場合、介護のための保険金が受け取れる。終身払には付加できない。

「終身保険RISE(ライズ)」の契約内容

  • 契約可能年齢:15歳~75歳
  • 保険料払込期間:終身払、短期払(10年・15年・20年払済、50歳・55歳・60歳・65歳・70歳・75歳・80歳払済)
  • 保険料払込回数:月払、半年払、年払
  • 保険料払込経路:口座振替、クレジットカード払
  • 保険金額:200万円~(10万円単位)

解約返戻率をシュミレーション

こちらでは事例をあげて、払込保険料累計・解約払戻金(解約返戻金)額・解約払戻率(解約返戻率)をシュミレーションしてみます。

(例)保険金額1,000万円の場合

  • 契約年齢:30歳男性
  • 保険料払込期間(低解約払戻期間):60歳
  • 月払保険料:21,640円
経過年数(年齢) 払込保険料累計 解約払戻金額 解約払戻率
5年(35歳) 1,298,400円 874,800円 67.3%
10年(40歳) 2,596,800円 1,875,900円 72.2%
20年(50歳) 5,193,600円 3,874,300円 74.5%
30年(60歳) 7,790,400円 6,019,900円 77.2%
低解約払戻期間終了(60歳) 7,790,400円 8,603,700円 110.4%
40年(70歳) 7,790,400円 9,054,600円 116.2%
50年(80歳) 7,790,400円 9,462,400円 121.4%

表を見てもわかるように、低解約払戻期間終了後からすぐに33%以上も解約払戻率(解約返戻率)が急上昇します。

ただし、低解約払戻期間中の解約はどんなに高くても、解約払戻率(解約返戻率)は77%程度にとどまります。

低解約払戻期間中、急に資金を必要とし保険契約を解約しなければいけないのは、やはりもったいないです。

まとまったお金が必要となった場合を想定し、普通預金へもしっかり貯蓄しておきましょう。

もしもの事態にすぐ対応できる備えも大切です。

マニュライフ生命「こだわり外貨終身」

保険のドリル読者

外貨建てタイプは、運用成績が良ければ非常に高い返戻率となるようですね。

そこで、外貨建て終身保険で資産運用に向いている商品を教えて欲しいです。

こちらでは、マニュライフ生命「こだわり外貨終身」の保険内容の解説と解約返戻率をシュミレーションしてみます。

松葉 直隆

マニュライフ生命の保険も「ほけんのぜんぶ」で相談(無料)

ハイリターンを得たいなら!

マニュライフ生命が販売する「こだわり外貨終身」は、外貨建て終身保険と呼ばれる死亡保険です。

運用成績次第で大きな返戻率が期待できる商品です。

外貨で運用する以上、契約通貨を選ぶ必要があります。

外貨建て終身保険では【米ドル】または【豪ドル】いずれかを選び運用していくことになります。

保険金や解約返戻金を受け取る場合は、契約通貨または日本円で受け取ることもできます。

保険料の払込は日本円で行われます。

いちいち契約者側が両替することは無いので便利です。

ただし、日本円で払込、保険金や解約返戻金も日本円で受け取る場合は、為替変動に大きな影響を受けます

保険金や解約返戻金を受け取る際に、円安ならば契約者側に有利となります。

なお、円→外貨・外貨→円へ両替する場合、手数料も発生するので注意が必要です。

「こだわり外貨終身」の保険内容

「こだわり外貨終身」の保障内容

  • 死亡・高度障害保険金:契約者(被保険者)が亡くなった、または病気またはケガで保険会社所定の高度障害状態に該当した場合、保険金受取人に下りる。保険金額は20,000米ドル/20,000豪ドル~7億円相当まで(1,000米ドル/1,000豪ドル単位)設定可能。

「こだわり外貨終身」の特約

  • リビング・ニーズ特約:契約者(被保険者)が余命6か月以内と判断されたとき、指定保険金額に対応する利息・保険料相当額を差引いた金額が保険金として下りる。なお、この特約は自動付帯。
  • 特定疾病保険料払込免除特約:特定疾病で所定の状態になったとき、以後の保険料の払込が免除。

「こだわり外貨終身」の契約内容

  • 契約可能年齢:0歳~80歳
  • 保険料払込期間:年満了(10年・20年・30年)、歳満了(55歳・60歳・65歳・70歳・80歳・90歳払済)
  • 保険料払込回数:月払、前納、一括払
  • 保険料払込経路:口座振替、クレジットカード払
  • 保険金額:20,000米ドル/20,000豪ドル~7億円相当まで(1,000米ドル/1,000豪ドル単位)
  • 為替レート:払込TTM+0.50円、保険金等受取(米ドル)TTM-0.01円・(豪ドル)TTM-0.03円

解約返戻率をシュミレーション

こちらでは事例をあげて、解約返戻金額・解約返戻率・死亡保険金額を見てみましょう。

(例)保険金額100,000米ドルの場合

  • 契約者:30歳男性
  • 契約通貨:米ドル
  • 保険料払込期間:60歳満了
  • 月払保険料:191米ドル(非喫煙者保険料率)

経過年数に達するまでの、色々なケースをあげてみます。

①年1.5%で一定に推移(単位:米ドル)

経過年数(年齢) 解約返戻金額 解約返戻率 死亡保険金額
30年(60歳) 70,394 102.3% 100,000
35年(65歳) 74,831 108.8% 100,000
40年(70歳) 79,259 115.2% 100,000

②年2.5%で一定に推移(単位:米ドル)

経過年数(年齢) 解約返戻金額 解約返戻率 死亡保険金額
30年(60歳) 82,471 119.9% 100,000
35年(65歳) 92,554 134.6% 100,000
40年(70歳) 104,080 151.3% 105,121

③年3.0%で一定に推移(単位:米ドル)

経過年数(年齢) 解約返戻金額 解約返戻率 死亡保険金額
30年(60歳) 89,439 130.0% 100,000
35年(65歳) 103,069 149.8% 104,099
40年(70歳) 118,841 172.8% 120,029

事例のように順調に運用がうまくいけば、解約返戻率が170%を超えることも可能です。

ただし、契約通貨発行国の不況、急激な円高、両替手数料の負担で、予想していたほど解約返戻率がUPしない場合もあります。

第一生命「ながいき物語」

保険のドリル読者

個人年金保険で自分の老後を豊かにしたいです。

そこで、個人年金保険で資産運用に向いている商品を教えて下さい。

こちらでは、第一生命「ながいき物語」の保険内容の解説と解約返戻率をシュミレーションしてみます。

松葉 直隆

第一生命の保険も「ほけんのぜんぶ」で相談(無料)

長生きするほど得する個人年金!

第一生命の販売する「ながいき物語」は、生活保障重視型個人年金です。

この生活保障重視型は別名【とんちん年金】とも呼ばれています(イタリア人ロレンツォ・トンティが考案したことに由来)。

生活保障重視型個人年金は、被保険者が長生きすればするほど得をするように設定された商品です。

契約者(被保険者)本人の【生活保障】に重点が置かれています。

長生きすれば、円建て定額タイプの商品としては考えられないような高い返還率が期待できます。

ただし、中途解約した場合の【解約返還金】は、払い込んだ保険料を常に下回ることとなります。

また、保険料を払い込んでいるとき契約者(被保険者)が亡くなってしまうと、遺族が【死亡返還金】を受け取れるものの、こちらも払い込んだ保険料を常に下回ることになります。

この生活保障重視型個人年金で得をしたいなら、やはり長生きすることが条件となります。

「ながいき物語」の保険内容

「ながいき物語」の保障内容

「ながいき物語」は【保証期間付終身年金】または【確定年金】から選べます。

  • 保証期間付終身年金:被保険者が生存されている限り、終身にわたり毎年年金が受け取れる。仮に年金受取開始時、被保険者が亡くなっても遺族は保証期間10年の間なら年金が受け取れる。
  • 確定年金:年金の受取期間を「5年」「10年」「15年」のいずれかで選択可能。
  • 死亡返還金:年金を受け取り開始日前に被保険者が死亡した場合、遺族へ下りるお金。ただし、死亡返還金の額は保険料の累計額の7割となる。

「ながいき物語」の契約内容

  • 契約可能年齢:50歳~80歳まで
  • 年金タイプ:5年・10年・15年の確定年金、10年保証期間付終身年金
  • 年金受取開始年齢:60歳~90歳まで
  • 保険料払込回数:月払・年払
  • 保険料払込方法:口座振替

受取率(返還率)をシュミレーション

こちらでは事例をあげて、保険料総額・年金受取総額・返還率(受取率)を見てみましょう。

(例)保証期間付終身年金の場合

色々なケースをあげてみます。

①契約者55歳・年金開始年齢70歳の場合

項目/性別 男性 女性
月額保険料 54,000円 54,000円
払込保険料総額 972万円 972万円
年金額 51.11万円 41.08万円
受け取る年金額で得をする年齢 89歳 94歳
受取総額(100歳時) 1,584.41万円 1,273.48万円
返還率(100歳時) 163.0% 131.0%

②契約者65歳・年金開始年齢75歳の場合

項目/性別 男性 女性
月額保険料 81,000円 82,000円
払込保険料総額 972万円 984万円
年金額 60.47万円 48.82万円
受け取る年金額で得をする年齢 91歳 95歳
受取総額(100歳時) 1,572.22万円 1,269.32万円
返還率(100歳時) 161.7% 128.9%

③契約者75歳・年金開始年齢85歳の場合

項目/性別 男性 女性
月額保険料 77,000円 80,000円
払込保険料総額 924万円 960万円
年金額 81.83万円 70.33万円
受け取る年金額で得をする年齢 96歳 98歳
受取総額(100歳時) 1,309.28万円 1,125.28万円
返還率(100歳時) 141.6% 117.2%

契約可能年齢は50歳からと30代・40代の時、個人年金保険へ加入できなかった方々でも無理なく入れる年齢設定になっています。

ただし、50代のなるべく早い時期に入った方が、男性の場合は163%、女性の場合は131.0%の高返還率となります。

三井プライマリー生命「しあわせ、ずっと」

保険のドリル読者

外貨建ての個人年金保険も、高受取率が期待出来ると言う事で興味があります。

そこで、外貨建て個人年金保険で資産運用に向いている商品も教えて欲しいです。

こちらでは、三井プライマリー生命「しあわせ、ずっと」の保険内容の解説と解約返戻率をシュミレーションしてみます。

松葉 直隆

プライマリー生命の保険も「ほけんのぜんぶ」で相談(無料)

外貨建で年金額を増やしたいなら

三井プライマリー生命が販売する「しあわせ、ずっと」は、外貨運用する個人年金保険です。

運用成績次第で大きな返戻率が期待できる商品です。

こちらも外貨で運用する以上、契約通貨を選ぶ必要があります。

【米ドル】【豪ドル】【ユーロ】いずれかを選び運用していくことになります。

契約の際は目標値を設定し、105%~200%の間で1%刻みで自由に設定可能です。

逆に目標値を設定しなくても運用は開始できます。

保険料の払込は一時払いのみとなり、米ドル・豪ドル・ユーロまたは日本円で行われます。

ただし、日本円で払込、円建て終身年金へ移行する場合は、為替変動に大きな影響を受けます

終身年金への移行や解約返戻金を受け取る際に、円安ならば契約者側に有利となります。

なお、円→外貨・外貨→円へ両替する場合、手数料も発生するので注意が必要です。

「しあわせ、ずっと」の保険内容

「しあわせ、ずっと」の保障内容

「しあわせ、ずっと」は【保証期間付終身年金】または【確定年金】から選べます。

  • 年金総額保証付終身年金:被保険者が生存されている限り、終身にわたり毎年年金が受け取れる。仮に年金受取開始時、被保険者が亡くなっても、受取累計額が年金原資の金額に達するまで遺族は年金を受け取れる。
  • 確定年金:年金の受取期間を「5年・10年・15年・20年・25年・30年」のいずれかで選択可能。
  • 死亡保険金:年金を受け取り開始日前に被保険者が死亡した場合、遺族へ下りるお金。

「しあわせ、ずっと」の契約内容

  • 契約可能年齢:0歳~87歳
  • 保険料払込回数:一時払いのみ
  • 保険料払込経路:口座振替
  • 保険金額:1万米ドル/1万豪ドル/1万ユーロ/100万円~10億円相当まで(1米ドル/1豪ドル/1ユーロ/100円単位)
  • 目標値:105%~200%(1%刻み)または目標値設定なし
  • 為替レート:払込TTM+0.50円、年金等受取TTM-0.50円

受取率(返還率)をシュミレーション

こちらでは事例をあげて、保険料総額・解約払戻金(解約返戻金)額・解約払戻率(解約返戻率)をシュミレーションしてみます。

(例)目標値設定なし・積立利率運用期間10年の場合

  • 一時払保険料:20,000米ドル
  • 契約日に適用された積立利率:3.5%

色々なケースをあげてみます。

①市場金利が-2%で推移した場合(単位:米ドル)

経過年数 解約払戻金額 解約払戻率
1年 22,595 113.0%
2年 23,196 116.0%
3年 23,802 119.0%
4年 24,416 122.0%
5年 25,036 125.1%
6年 25,660 128.3%
7年 26,291 131.5%
8年 26,926 134.6%
9年 27,567 137.8%
10年 28,212 141.1%

②市場金利が±0%で推移した場合(単位:米ドル)

経過年数 解約払戻金額 解約払戻率
1年 18,868 94.3%
2年 19,768 98.8%
3年 20,698 103.5%
4年 21,661 108.3%
5年 22,660 113.3%
6年 23,693 118.5%
7年 24,764 123.8%
8年 25,873 129.4%
9年 27,022 135.1%
10年 28,212 141.1%

③市場金利が+2%で推移した場合(単位:米ドル)

経過年数 解約払戻金額 解約払戻率
1年 15,142 75.7%
2年 16,340 81.7%
3年 17,594 88.0%
4年 18,907 94.5%
5年 20,285 101.4%
6年 21,726 108.6%
7年 23,238 116.2%
8年 24,819 124.1%
9年 26,477 132.4%
10年 28,212 141.0%

表をみてもわかる通り、市場金利が上がると解約払戻金は減り逆に市場金利が下がると解約払戻金は増えます

なお、いずれのケースにしても10年が経過すれば更改日となるので、市場調整額はゼロとなり保障基準価格と同額になります。

終身保険と終身個人年金保険の活用法と注意点

保険のドリル読者

ここまで見てきた終身保険・個人年金保険は魅力的な商品ばかりなので、保険選びの参考にしたいです。

それでは、終身保険・個人年金保険へ申し込む前に注意すべき点があれば教えて欲しいです。

こちらでは、相続対策も兼ねるなら終身保険単身世帯こそ個人年金保険外貨建てタイプの注意点について解説します。

松葉 直隆

保険の見直しも「ほけんのぜんぶ」で相談(無料)

相続対策なら終身保険?

終身保険は中途解約しない限り、確実に保険金が受け取れる死亡保険です。

そのため、保険金として遺産を家族へ残し、相続税対策を考えている方々に向いた商品と言えます。

相続が開始されればまず基礎控除

ご自分が亡くなり相続が開始された場合、分割する遺産は不動産資産(土地・家屋)、金融資産(現金・預金・株券等)となります。

遺産があれば、まず基礎控除が適用されます。

基礎控除の金額は【3,000万円+(法定相続人の数×600万円)】で算定されます。

この計算式で算出された金額以内に収まるなら、税務署の申告・納税ともに不要です。

生命保険金等の非課税枠

しかし、ご自分の遺産が基礎控除の金額を超えてしまうケースもあります。

ご自分が生前の内にこの事実を確認したなら、終身保険の活用を検討しましょう。

保険料を積み立てていくので、払い込めば金融資産は徐々に減っていきます。

その後、相続が開始時に死亡保険金が遺族へ下ります。

この時に【生命保険金等の非課税枠】が適用されます。

非課税枠の計算式は【500万円×法定相続人の数】となります。

相続税の基礎控除で計算する前に、この非課税枠で受け取った保険金額を差し引けます。

つまり、単なる現金・預金を遺産分割する場合より節税効果が高まるのです。

注意点

ただし、ご自分の老後の資金のためとして解約して返戻金を受け取った場合、この返戻金額分は非課税枠の対象となりません。

つまり、ご自分の金融資産(現金・預金・株券等)と同様に扱われることとなるので、この点には注意が必要です。

老後の資金として受け取ったなら、なるべくご自分で使い切っておいた方が良いでしょう。

個人年金保険は単身世帯に有利?

個人年金保険、とくに生活保障重視型個人年金は高齢単身者向けの商品と言えます。

長寿化傾向とともにライフスタイルも変化

日本人の平均寿命は女性87.32歳、男性が81.25歳で、いずれも過去最長となっています(出典:厚生労働省「平成30年簡易生命表の概況」参照)。

では、高齢となった人は家族に養ってもらうのかといえば一概にそうとはいえません。

配偶者と死別し一人暮らしの方々もいれば、親族と疎遠になった方々もいます。

また、ご自分のライフスタイルで家族を持たず、高齢になった方々もおられます。

このような方々が長生きする場合、遺族へ死亡保障を残す必要性は薄いものの、老後資金が枯渇するリスクを回避することが重要となります。

そのため、長生きすればするほど得をする、生活保障重視型個人年金への加入が有効な備えとなるはずです。

注意点

生活保障重視型個人年金で得をするには、やはり長生きが絶対条件です。

そのため、日ごろから健康管理に気を付け、規則正しい生活を送ることが大切です。

くれぐれも保険に加入したからと言って油断せず、ご自分の生活習慣の維持が求められます。

外貨建てタイプはここに注意!

外貨建てタイプは終身保険の場合も、個人年金保険の場合も、次のような点に気を付けましょう。

景気の停滞

契約通貨発行国の景気の停滞で、運用成績が伸び悩むことに注意しましょう。

これは、契約通貨発行国の経済成長の良し悪しだけが影響するのではありません。

契約通貨発行国内で天災(大地震・大津波等)や、重大な環境破壊、大規模テロ、クーデター等の政情不安が起きれば、やはり経済は混乱します。

最近では【新型コロナウイルス感染症】の世界的流行で、日本や世界の市場経済が大混乱となっています。

このような事態が発生すれば、景気がいつ停滞を脱するのか、どんな専門家にも予測はつきません。

為替変動の大きな影響

契約通貨発行国の景気が好調で利益は上がっても、日本国内で急激な円高が進行すれば円と交換した途端に大損失となります。

逆に、契約通貨発行国の景気が不調でも、日本国内で円安が進行すれば、得られるお金は多くなります

外貨建て保険は為替相場に大きく影響されてしまいます。

この不安定な面は外貨建ての大きなデメリットといえます。

手数料がかかる

保険料の払込は日本円で大丈夫ですが、外貨で運用する以上、日本円から外貨・外貨から日本円に交換する場合、両替手数料】がかかります。

概ね外貨建て保険を扱う各保険会社では、保険料を支払うとき1ドルにつき手数料が50銭(0.5円)、お金を受けとる場合の手数料は1銭~50銭と幅があります。

運用で大きな利益を得ても交換の際は、それだけ多くの手数料がかかる点に注意しましょう。

まとめ

老後資金を確保するために、生命保険を活用すると言う方は少なくありません。

生命保険会社も、老後資金を確保するための商品を多く販売しています。

しかし、この記事でも紹介した商品でもメリット・デメリットがしっかりとあるのです。

生命保険で得られる利益に目が行くのは当然ですが、それに伴うリスクも十分確認してから申し込みをしましょう