iDeCoはおすすめ?金融リテラシー皆無のアラサーがiDeCoを始めて学んだ全て(トイアンナ)

iDeCoとつみたてNISAは、アラサーが「いずれ手をつけねば」と思いながら放置している2大案件ではなかろうか。

女子会で話題になることは多々あれど、契約までこぎつける女子の少なさよ。

30代女性の調査を見ると、半数がそもそも「知らない」という体たらく。

知っている人の半数以上は「魅力的だと思う」と答えつつも、このうち何割がiDeCo契約までたどり着けるか……。

なにしろ、投資経験がない方には

保険のドリル読者

株って銀行で買えないの? ってか、株とiDeCoって何が違うの?

くらいで知識が止まるのだから。(←数年前の自分)

と、偉そうに述べたが自分も例外ではなく、「なんかわからんけど、やらなきゃ」と思いつつiDeCoを年単位で放置してきた

しかし、そろそろ30代。

老後の資産を形成せねば、この国ではやっていけない

というわけで、これはiDeCoを契約して学んだすべてである。

NISAよりも面倒なiDeCo

いきなりやる気をそぐが、iDeCoは手続きが面倒だった

どれくらい面倒かというと、パスポート申請の10倍くらいだろうか。できれば2度とやりたくない。

NISAは「えいや!」でできたが、iDeCoは3~4か月かかると覚悟したほうがいい。

なぜそこまで面倒かというと、NISAは「投資」だがiDeCoは「年金」だから

国の制度が思い切り絡むので、面倒にならざるをえない。

年金を変更する手続きがちょろちょろっとできてしまったら、国のセキュリティが心配になるので許してやるか……くらいのマインドで挑んだほうがいい。

超基礎知識:iDeCoって、結局なんなの?

iDeCoとは、確定拠出年金の一種。簡単にいえば、自分で積み立てる年金のことだ。

税金のように会社員なら天引きされる年金だけでは、老後が心もとない。

そこでiDeCoで年金を積み立てて、プラスアルファを受け取れる仕組みを政府が用意した。

その名前をiDeCo(イデコ)と呼んでいる。

スーパーホワイトな会社だと、企業が給料からの天引き分と別枠で年金を積み立ててくれる。それも「確定拠出年金」と呼ばれる。

iDeCoは「自分で積み立てる、追加枠」だと思っていただければいい。

なお、iDeCoに入れたお金は自動で国が運用してくれる……わけではない。

iDeCoを契約してから、次に自分で投資先を決めるのだ。

保険のドリル読者

ええ……

さらに投資の勉強もいるの……

とうんざりすると思う(私はうんざりした)。

が、元本保証型の商品もあるので、リスクを取りたくなければそちらを選べばいい。

少なくとも、年金を溶かしたお国に任せるよりは、自分で選んだ方がなんぼかマシじゃなかろうか……。

さらに、いきなりまっさらな状態から株を買うのではなく、投資信託(資産運用の専門家がお金を増やして還元する仕組み)が多いので、素人から始めても怖くはない。

POINT 1

投資信託「だから」専門家に任せれば安心とは言えない。少なくとも、投資信託の評価を調べてからどれにするか選ぼう。

POINT 2

投資信託には似た名前の商品が多い。うろ覚えで検索すると違う商品のレビューを読んでしまうかもしれないので、一言一句間違えないよう注意。

そこまでしてiDeCoをやる理由は?

なぜそこまでしてiDeCoをやるのか。

理由は、圧倒的な節税効果だ。

たとえば私の事例だと、生涯で302万円節税できる試算となっている。

節税シミュレーションはこちら

302万円あれば、老後1年くらいは暮らせそうだ。

浮いたお金で子どもが大学に行ける、世界一周旅行ができる、老人ホームをアップグレードできる……など、リアルな夢が広がる。

iDeCoをやらない理由は少ない

ぜひ自分の節税額を試算して、やる気を奮い立たせてほしい。

iDeCoのデメリットは?

ただし、iDeCoには強烈なデメリットがある。

iDeCoのデメリット
  1. 途中出金が不可能
  2. 口座開設と維持に手数料がかかる
  3. 所得税の対象になる

まず、iDeCoは手続きの面倒さはさておき、最短60歳まで儲かった分を含めて引き出せないのが最大のデメリットだ。

iDeCoはあくまで年金なので、他の投資と違って「もうかった300万円を車につかいたい」といった事情では、出金できないのである。

また、口座開設と維持に手数料がかかる

投資銀行によって手数料は変わるので、最安値のところを探してから契約しよう。

また、いざ60歳で受け取ろうとすると、所得税がかかる

保険のドリル読者

これで老後は安心! ヒャッハー!

と浪費すると、あとから所得税でお陀仏となるので気を付けたい。

自営業の私はこれを恐れてiDeCoを敬遠していたが、このままでは貯金がたまらず将来じり貧なのであきらめがついた。

自動引き落としで積み立てる資産でもなければ、老後は路頭に迷う

そんな不安がある人なら、ぜひ腹をくくってiDeCoにチャレンジしてほしい。

自分が何号の被保険者かおさらいしよう

まずは、自分が年金制度で「何号」の被保険者か確認しなおそう。

第1〜3号被保険者
  • 第1号被保険者
    学生、フリーター、フリーランス、自営業、無職など。
    会社に所属せず仕事をしている人で、扶養に入っていない方はだいたい第1号被保険者になる。
  • 第2号被保険者
    会社勤めの人は大抵、第2号になる。
    国民年金だけでなく、厚生年金にも入るためもらえる年金の額が第1号被保険者より多くなる。
    違法だが企業が年金(を含む社会保険料)を支払わないケースがあり、第1号被保険者となってしまうことも。
  • 第3号被保険者
    第2号のパートナーで、20歳以上60歳未満の人。
    ただし、年間収入が130万円以上だと第1号被保険者となる。

iDeCo加入時に提出する書類が、何号かで変わるので注意されたい。

さらに、「専業主婦だったが職場復帰したので第3号から第2号になった」といった変更があるときには、iDeCoの変更手続きが必要になる(超めんどくさい……)

iDeCoの面倒くささは書類の多さ

iDeCoが面倒な理由は、ひとえに「提出する書類が多いこと」にある。

iDeCoはさきほど述べたとおり、年金のシステム”かつ”投資の枠組みでもある。

そこで、iDeCoの申請には3つの組織がからんでくる。

したがって、書類はこれら3つの団体とやりとりするイメージだ。

1.国民年金基金連合会

iDeCoの母体。

iDeCoのルールを作ったり、加入者をチェックしている厚生労働省公認の組織。

2.証券会社

投資をするときには、銀行口座とは別に「証券口座」というのを開設しなくてはならない。

たとえば「楽天銀行」と「楽天証券」は母体こそ同じでもまったく別の組織だと思ってほしい。

証券会社によって手数料が違ってくるので、大手だから〇〇証券にしよう~と選ばないよう注意。

3.レコードキーパー

いきなりオシャレな名前だが、日本名は「記録関連運営管理機関」。

さまざまな証券会社を使っても全体でどうなっているか把握するために、レコードキーパーがiDeCoの記録を保管している

証券会社はレコードキーパーとやりとりして、それぞれのiDeCoの加入状態を確認している。

iDeCoで差し戻される書類不備「あるある」4選

どの組織とも最重要な書類をやりとりするので、間違いがあるとすべて書類が差戻し

私のようなおっちょこちょいは、家族にダブルチェックしてもらってから提出したほうがいい。

3回ほど差し戻されるといい加減、iDeCoから脱落しそうになるので……(体験談)

なお、よくあるミスは「印鑑の推し忘れ」「印鑑の陰影がぼやけている」「限度額の計算ミス」「ふりがなの記入漏れ」だそうだ。

iDeCoの限度額って何のこと?

iDeCoは節税効果が大変オイシイ制度なので、年間限度額がある。

このリストを見て、自分の限度額を把握しておこう。

記入で限度額を超えるiDeCoの額を記載すると、一発で差し戻される。

iDeCoの年間限度額
  • 自営業者:月6.8万円/81.6万円
  • 会社に企業年金がない会社員:月2.3/年27.6万円
  • 企業型確定拠出型年金に加入している会社員:月2.0/年24.0万円
  • 上記以外の企業年金に加入している会社員:月1.2/年14.4万円
  • 公務員:月1.2/年14.4万円
  • 専業主婦:月2.3/年27.6万円

書類不備を乗り越えたら、あとは寝かせる

書類不備を乗り越えたら、いよいよiDeCoスタート。

気に入った投資商品を選んだら、プロは塩漬け(長期保有)をオススメするケースが多い。

素人は利率が下がると慌てて売ったり買ったりしてしまい、売買にかかる手数料で結局損をしてしまうからだ。

短期的な損失は、その後の景気回復などで補填できることもある。

どうせ引き出せないのだからあまり慌てず、60代までのんびりやっていこう。

短期投資をしたいなら、別途トレードの勉強をしてからiDeCo以外で始めること。

長期運用と短期のトレードでは、同じ資産運用でもまったく性質が異なるのだから。

 

恋愛・就活ライター

トイアンナ

 

これまでに受けた人生相談は1,000件以上。

その相談実績と、慶應義塾大学卒業後、外資系企業でマーケターとして活躍した経験をもとに2015年に独立。

恋愛・就活ライターに。

現在は複数のメディアに恋愛コラムや就活のハウツーを説く連載を寄稿する他、就活イベントでの講演・ライター育成講座への登壇・テレビ(NHK他)の取材協力など、幅広く活動する。

書籍:確実内定』(KADOKAWA)『モテたいわけではないのだが』(イースト・プレス)『恋愛障害』(光文社

過去出演番組:『おしゃべりオジサンとヤバイ女』(テレビ東京系)『最上もがのもがマガ!』『Wの悲喜劇』(AbemaTV

Twitter@10anj10

トイアンナ絶対毒親に相続させないための完全マニュアル。私が実際に準備して分かった2つのこと(トイアンナ) 保険の営業員に聞く「医療保険に入っても金ドブな人」の特徴(トイアンナ) 30歳になると、あまり考えずみんな保険に入ってしまう謎30歳になると、あまり考えずみんな保険に入ってしまう謎(トイアンナ) 自殺したい人へ、大事な生命保険のはなし自殺したい人へ、大事な生命保険のはなし(トイアンナ) 進む若者の「生命保険離れ」かつての契約理由だった葬儀代は無力に(トイアンナ)