朝日生命の「あんしん介護認知症保険」についてわかりやすく解説!

記事監修者紹介
松葉 直隆 大学卒業後、損保ジャパン日本興亜代理店の保険会社にて5年以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。  その後、2016年6月より保険のドリルをはじめとする保険媒体の記事監修を務める。

朝日生命の扱う保険商品には「あんしん介護」という介護保険があります。

この保険商品は【一般的な介護リスクの保障】【認知症専用介護保障】【要支援専用保障】の3つに分かれています。

そのため、ご自分のニーズにあった介護保険商品が選べます。

各保障によって一時金や年金を受け取れる条件が異なります。

そこで今回は、これらあんしん介護の中から「認知症保険」を主に取り上げ、その特徴と注意点、利用者の評判から介護の現状までを解説します。

この記事の要点
  • 朝日生命「あんしん介護」の基本の解説と認知症保障の解説
  • 朝日生命「あんしん介護」の介護と要支援保障の解説
  • 介護の現状と要支援・要介護の認定方法などの解説
  • 保険の新規加入や見直しを検討するなら、相談員の約97%が国家資格であるFPの資格を所持している「ほけんのぜんぶ」無料で相談することをおすすめします。

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「あんしん介護」はどんな保険?

保険のドリル読者

私の父親は認知症となって介護サービスを受けるようになりました。

自分も将来、認知症に関するリスクを考えています。

認知症になった場合、金銭的サポートが受けられる保険商品は無いものでしょうか?

こちらでは、朝日生命の扱う認知症にも手厚い介護保険を紹介します。

松葉 直隆

介護保障が受けやすい商品

朝日生命の扱う介護保険は、介護に関する給付金(一時金)・年金の、給付条件が他社より緩く設定されていることもあり、契約者側にとって介護保障を受けやすいというメリットがあります。

他社の介護保険からあまり見られない、【要支援2】から一時金が受け取れる商品も販売されています。

他社の介護保険は、要介護2または3から介護保障を受けられるケースがほとんどなので、利用者にはありがたい設定となっています。

朝日生命の扱う介護保険は「あんしん介護」と呼ばれており、「要支援保険」そして「認知症保険」が用意されています。

「あんしん介護」は、大きく分けて【一時金】【年金】が受け取れるタイプに分かれ、その一方だけに加入しても良いですし、一時金・年金タイプ双方を合わせての加入も出来ます

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あんしん介護の5つのラインナップ

あんしん介護は次の5つに分かれています。

あんしん介護

  • 介護年金タイプ:要介護1から年金支給。
  • 介護一時金タイプ:要介護3から一時金支給。

あんしん介護認知症保険

  • 認知症年金タイプ:要介護1以上+所定の認知症で年金支給。
  • 認知症一時金タイプ:要介護1以上+所定の認知症で一時金支給。

あんしん要支援保険

  • 要支援一時金タイプ:要支援2から一時金支給。

ご自分のニーズに合わせ、様々な条件の一時金・年金が受け取れるよう工夫されています。

もちろん、それぞれ1つだけしか加入できないと言うわけではありません。

例えば、あんしん介護認知症保険なら年金・一時金両方を望む場合、【認知症年金タイプ+認知症一時金タイプ】で加入可能です。

また、介護一時金タイプは要介護3以上から適用されるので、もっと軽い介護状態から介護保障を受けたいなら、要支援2から保障される要支援一時金タイプを加え、介護一時金タイプ+要支援一時金タイプ】で設定ができます。

認知症専用の介護保険

そもそも認知症とは、さまざまな原因により脳の神経細胞が破壊・減少し、日常生活が正常に送れない状態となる症状をいいます。

この認知症は一般的に高齢者の発症することが多いものの、稀に30代の若い人が発症するケースもあります。

厚生労働省老健局によれば、2025年の認知症の有病者数は約700万人となるともいわれ、有病者数の増加が懸念されると指摘されています(厚生労働省老健局 「認知症施策の総合的な推進について」令和元年6月20日)。

この様な事態に前もって備えるため、朝日生命が販売する「あんしん介護認知症保険」を検討している方々も多いことでしょう。

認知症の方々の介護サービスに公的介護保険が利用できると言われても、患者側の負担は避けられません。

そんな時、あんしん介護認知症保険に設定されている【認知症年金】【認知症一時金】は、頼もしい金銭的サポートになることでしょう。

次章以降では、気になる「あんしん介護認知症保険」保障と契約内容、保険料例そして注意点、利用者の口コミについて解説していきます。

「あんしん介護認知症保険」の保険内容を紹介!

保険のドリル読者

認知症の有病者数、間違いなく確実に増加していくことでしょう。

自分もその備えをしっかりと考えないと。

そこで「あんしん介護認知症保険」の特徴を知っておきたいです。

こちらでは「あんしん介護認知症保険」の保障内容と契約内容、そして注意点なども解説します。

松葉 直隆

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「あんしん介護認知症保険」の保障内容と契約内容

こちらでは保障内容および契約内容について説明します。

「あんしん介護認知症保険」の保障内容

【認知症年金タイプ】・【認知症一時金タイプ】で次のような保障が受けられます。

なお、どちらも要介護1以上と認定されれば、以後の保険料は免除されます。

(1)認知症年金タイプ

【所定の認知症】に該当し、公的介護保険制度に基づく要介護1以上と認定された場合、認知症介護年金が受け取れます。

第2回以後は、第1回認知症介護年金の支払事由に該当していれば年金が問題なく受け取れます。

なお、保険期間が終身で保険料払込期間満了後の保険期間中に死亡、または認知症介護年金支払期間中に死亡したとき死亡給付金が受け取れます。

(2)認知症一時金タイプ

介護年金と同様、【所定の認知症】に該当し、公的介護保険制度に基づく要介護1以上と認定された場合、認知症一時金が受け取れます。

保険期間が終身で保険料払込期間満了後の保険期間中、被保険者が死亡した場合、死亡給付金が受け取れます。

「あんしん介護認知症保険」の契約内容

  • 契約年齢:40~75歳
  • 保険期間・保険料払込期間:70・75・80歳満了、終身

当然ながら要介護状態・所定の認知症となる前に、「あんしん介護認知症保険」へ加入する必要があります。

また、保険期間内であるからといって、必ず年金・一時金が受け取れるわけではなく、給付条件が設定されています。

こちらについては【あんしん介護認知症保険の注意点】で詳細を解説します。

「あんしん介護認知症保険」の保険料例

こちらでは事例を挙げて、「あんしん介護認知症保険」の保険料例を見てみましょう。

認知症年金タイプ

(例)月払保険料

  • 年金額:60万円
  • 保険期間:終身
  • 保険料払込期間:終身払
契約年齢 男性 女性
40歳 2,748円 4,302円
50歳 3,918円 6,414円
60歳 6,342円 10,560円
70歳 11,406円 18,906円

認知症一時金タイプ

(例)月払保険料

  • 一時金額:300万円
  • 保険期間:終身
  • 保険料払込期間:終身払
契約年齢 男性 女性
40歳 1,293円 1,533円
50歳 2,010円 2,388円
60歳 3,465円 4,077円
70歳 6,669円 7,740円

【認知症年金タイプ】・【認知症一時金タイプ】とも、月払保険料は女性の方が男性よりも割高となっています。

年金タイプに至っては、その差が1.5倍以上となっており『性差別ではないか!』と、不満に思われる方々がいるかもしれません。

しかし、日本人の平均寿命は非常に延び、女性は87.32歳、男性は81.25歳となっています(出典:厚生労働省「平成30年簡易生命表の概況」参照)。

女性は男性よりも一般的に長生きする傾向があります。

そのため【女性の方が認知症を発症し、亡くなる前に、この年金・一時金を利用する可能性が高い】と、保険会社側が想定しているものと考えられます。

このように保険会社側の判断基準で、保険料にも差が出てくる場合はあるのです。

「あんしん介護認知症保険」の注意点

「あんしん介護認知症保険」へ加入する前には、年金・一時金の給付条件をしっかりチェックする必要があります。

「あんしん介護認知症保険」で年金・一時金を受け取るためには、【要介護1】と認定されただけでは適用対象になりません

前述した【所定の認知症】に該当する必要があります

この判定条件はやや複雑なので詳しく説明します。

所定の認知症の定義は次の2つです。

  1. 器質性認知症と医師から診断確定されている
  2. 認知症高齢者の日常生活自立度判定基準がⅢ、Ⅳ、Mのいずれかと判定された

この双方を満たさなければいけません

器質性認知症とは?

単に被保険者が物忘れがひどくなったから、家族が勝手に認知症と解釈することはできません。

医師の診断が必ず求められます。

定義「1」の器質性認知症とは、脳そのものの器質的病変または脳以外の身体疾患により、脳が二次的に障害を受け発症した認知症のことです。

まず被保険者が【器質性認知症】であることを、医師から認められることが必要です。

日常生活自立度判定基準

そして、厚生労働省の定めた指標である【認知症高齢者の日常生活自立度判定基準】に該当する必要があります。

この判定基準は次の5つです。

ランクⅠ
何らかの認知症は認められるものの、日常生活は家庭内・社会的にほぼ自立可
ランクⅡ
日常生活に支障をきたす症状・行動や意思疎通の困難さは多少見られるが、誰かが注意していれば自立可
ランクⅢ(所定の認知症に該当)
日常生活に支障をきたす症状・行動や意思疎通の困難さがときどき見られ、介護を要する
ランクⅣ(所定の認知症に該当)
日常生活に支障をきたす症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を要する
ランクM(所定の認知症に該当)
著しい精神症状や周辺症状や重篤な身体疾患が見られ、専門医療が必要

このように、所定の認知症と認められるためには、①器質性認知症、②日常生活自立度判定基準Ⅲ~Mという重い症状が確認されなければいけません。

「あんしん介護認知症保険」の評判と口コミ

保険のドリル読者

「あんしん介護認知症保険」は、自分が認知症になった時に、とても役立つ商品のようですね。

この保険へ加入している方々は、どんな感想を持っているのでしょうか。

こちらでは「あんしん介護認知症保険」を評価する口コミと批判的な口コミの両方を紹介します。

松葉 直隆

朝日生命の保険も「ほけんのぜんぶ」で相談(無料)

評価する口コミ

「あんしん介護認知症保険」で、認知症に十分な備えができること要介護1以上となれば保険料も免除される点が評価されていました。

一部を取り上げます。

男性50歳(満足度100点/100点中)

認知症の父親が亡くなるまで、やはり家族の負担は大きかったです。

私は家族に迷惑をかけたくないので、手厚い介護サービスが受けられるようにあんしん介護認知症保険」を選びました。

認知症年金タイプ・認知症一時金タイプ共に加入しています。

それでも月払保険料が6,000円未満はリーズナブルです。

設定した一時金と年金で、介護サービスの自己負担が大きく軽減されるので安心できます。

男性66歳(満足度100点/100点中)

退職した私でも入れるか不安でしたが、問題なく「あんしん介護認知症保険」へ加入できて安心しました。

要介護1以上なれば保険料が免除されるので、年金生活者となる身としては助かります

年金・一時金で備えているので妻はもちろん、遠く離れた息子夫婦の手間もかからないので、このまま保障を継続していきたいです。

批判的な口コミ

保障が適用される際、所定の認知症の判断基準がやや複雑な点と、女性の保険料が割高な点に不満が見受けられます。

一部を取り上げます。

男性60歳(満足度60点/100点中)

認知症で介護が必要になった場合の備えとして、「あんしん介護認知症保険」に申し込みました。

要介護1以上から保険料を免除されるのはうれしいですが、一時金等を請求するならば、所定の認知症にも該当する必要がありますね。

器質性認知症はともかく、日常生活自立度判定基準ではそれなりに深刻な状態と判断されないと、金銭的サポートは難しいようですね。

認知症は今の段階では不治の病なので、もう少し判定基準が早い段階で金銭的サポートを受けたかったです。

女性60歳(満足度50点/100点中)

母が認知症になってしまったので、自分としては家族に迷惑をかけないよう、こちらの商品へ入りました。

これで自分が認知症になっても年金・一時金が受け取れて安心なのですが、結構、女性は男性よりも保険料が高いわね。

2倍近くも割高なのでやや不満です。

やはり女性の方が長生きするので、認知症を発症しやすいからなのかしら。

口コミの総評

「あんしん介護認知症保険」は、年金・一時金を設定すれば、認知症に十分な備えができること、要介護1以上となれば保険料も免除される点が高評価となっています。

一方、所定の認知症の判断基準がやや厳しい点や、女性の保険料が割高な点に不満もありました。

所定の認知症に該当するかどうかは、やはり医師の診断結果にかかっています。

ご本人はもちろん家族が、医師へどんな部分に支障が出ているのか、生活する上で意思疎通の困難さを具体的に説明することが大切です。

スムーズに被保険者が金銭的サポートを受けるには、本人だけでなく家族が日頃からその状況をチェックし、認知症ではないかと早めに気付くことが大切です。

「あんしん介護」の認知症以外の保障タイプを紹介!

保険のドリル読者

「あんしん介護」には認知症の保障以外の保障もあると聞きました。

そこで「あんしん介護」の要支援保険についても知りたいです。

こちらでは「あんしん介護」・「あんしん介護要支援保険」の特徴について解説します。

松葉 直隆

保険の見直しも「ほけんのぜんぶ」で相談(無料)

「あんしん介護」は手厚い介護保障のための商品!?

「あんしん介護」は、オーソドックスな介護保障として【一時金】・【年金】が受け取れます。

「あんしん介護」の保障内容

【介護年金タイプ】・【介護一時金タイプ】で次のような保障が受けられます。

なお、どちらも要介護1以上と認定されれば、以後の保険料は免除されます。

(1)介護年金タイプ

公的介護保険制度に基づく要介護1以上と認定された場合に介護年金が受け取れます。

要介護ランクの変動により介護年金の支給限度額も変化します。

基準介護年金額60万円の場合を例に、要介護ごとの支給限度額をみてみましょう。

要介護状態 介護年金支給限度額
要介護1 20万円
要介護2 30万円
要介護3 40万円
要介護4 50万円
要介護5 60万円

(2)介護一時金タイプ

100万円~1,000万円まで10万円単位で設定可能です。

要介護3以上で設定した一時金が受け取れます。

ただし、保険期間を通じ1回のみの給付となります。

「あんしん介護」の保険料例

こちらでは、「あんしん介護」の保険料例を見てみましょう。

(1)介護年金タイプ

(例)月払保険料

  • 年金額:60万円
  • 保険期間:終身
  • 保険料払込期間:終身払
契約年齢 男性 女性
40歳 4,038円 6,546円
50歳 5,310円 9,156円
60歳 8,274円 14,772円
70歳 14,490円 26,214円

(2)介護一時金タイプ

(例)月払保険料

  • 一時金額:300万円
  • 保険期間:終身
  • 保険料払込期間:終身払
契約年齢 男性 女性
40歳 1,845円 2,199円
50歳 2,784円 3,363円
60歳 4,734円 5,742円
70歳 8,910円 10,899円

「あんしん介護」の契約内容

  • 契約年齢:40歳~75歳
  • 保険料払込期間:(終身タイプ)60・65・70・75・80歳払込満了・終身、(定期タイプ)70・75・80歳払込満了

「あんしん介護要支援保険」は軽度の状態を保障!

要支援2という軽度の介護状態でも一時金が受け取れる保険商品です。

あんしん介護要支援保険の保障内容

要支援一時金タイプでは、公的介護保険制度に基づく要支援2以上と被保険者が認定された場合に軽度介護保険金が受け取れます。

なお、被保険者が死亡・高度障害状態となった時も保険金は受け取れます。

あんしん介護要支援保険の保険料例

こちらでは、要支援保険の保険料例を見てみましょう。

(例)月払保険料

  • 保険金額:50万円
  • 保険期間:終身
  • 保険料払込期間:終身払
契約年齢 男性 女性
40歳 1,192円 1,126円
50歳 1,604円 1,494円
60歳 2,369円 2,185円
70歳 3,994円 3,794円

あんしん介護要支援保険の契約内容

  • 契約年齢:(終身タイプ)40歳~79歳、(定期タイプ)40歳~75歳
  • 保険料払込期間:(終身タイプ)50~80 歳(5歳きざみ)・終身、(定期タイプ)70~80 歳(5歳きざみ)

ご自分のニーズに合わせて選ぼう!

【自分が要介護1以上になった時にしっかり保障を受け取りたい人】、【要支援の早い段階からサポートを受けたい人】など、様々な考えの方がおられることでしょう。

早い段階からサポートを受けたいならば、あんしん介護」の介護年金や一時金へ要支援保険を追加しても構いません。

自分の希望する保障内容に合致するカスタマイズ方法で、柔軟な備えをしておくことが大切です。

また、いずれの金銭的サポートを受けても使途は自由です。

貯蓄で速やかに介護サービス費を賄ったなら、受け取った年金・一時金は預金しても良いですし、生活費へ利用しても構いません。

介護の現状を知ろう!

保険のドリル読者

朝日生命「あんしん介護」の5つのラインナップは、どれもユニークな仕組みでした。

それでは、介護の現状はどうなっているのでしょう?

この状況も気になります。

こちらでは、

年々増加する公的介護保険利用者

要介護認定申請の方法とは?

要支援・要介護認定基準

の3つについて解説します。

松葉 直隆

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年々増加する公的介護保険利用者数

公的介護保険制度とは、介護認定を希望する人がお住いの市区町村へ申請し、要介護認定を受けたならば公的介護給付が受けられるという制度です。

公的介護給付の対象は、訪問介護や介護施設利用等と多岐にわたり、このサービスは【現物給付】となります。

この公的介護保険制度の利用者は年々増加の一途をたどっています。

次のような利用者数となっています(出典:厚生労働省「公的介護保険制度の現状と今後の役割 平成30年度」)。

介護保険利用者 2000年4月末 2018年4月末 増加率
65歳以上被保険者 2,165万人 3,492万人 1.6倍
要介護認定者 218万人 644万人 3.0倍
サービス利用者 149万人 474万人 3.2倍

今後、公的介護保険利用者の更なる増加が予想されます

介護の需要に応じ、様々な業者が介護関係のサービス業へ参入していくことでしょう。

要介護認定申請の方法

こちらでは、要介護認定を受ける申請の流れと必要書類等を解説します。

要介護認定申請の流れ

介護を必要とする人が要支援・要介護認定の流れは、次の通りです。

  1. お住いの市区町村窓口(福祉保健部等が主に担当)へ認定申請書等を提出
  2. 訪問調査の日程調整
  3. 市区町村担当者またはケアマネジャーが訪問調査
  4. 介護認定審査会が、認定調査結果・主治医の意見を踏まえ、要介護認定のランクを判定
  5. 認定結果・介護保険被保険者証を郵送(申請から約30日以内)

ただし、必ず要支援・要介護と認定されるわけでありません

残念ながら希望者の状態が、いずれにも該当しなければ介護保険適用外となります。

申請のための必要書類

必要書類の収集・書類の必要事項への記載は原則として、介護を必要としている希望者本人または家族が行います。

なお、その他にも地域包括支援センター・居宅介護支援事業者・介護保険施設の職員が申請を代行することも可能です。

要介護認定申請をするのは、市区町村の窓口(福祉保健部等が主に担当)となります。

必要な書類は次の通りです。

  • 要介護・要支援認定申請書
  • 介護保険被保険者証
  • 健康保険被保険者証(第2号被保険者のみ)

要支援・要介護認定基準

朝日生命「あんしん介護」でも、保障の条件となっている要支援・要介護と認定基準は次の通りです。

要支援の認定基準

要支援1・2に該当する人の状態は次の通りです。

  • 要支援1:要介護状態と認められないものの、社会的支援を必要とする状態
  • 要支援2:部分的に介護を必要とする状態、適切な介護予防サービスを利用すれば、状態の維持や改善が見込まれる

つまり、介護状態の改善が見込める方々が対象となります。

要介護の認定基準

こちらでは、要介護1~5に該当する人の状態は次の通りです。

(1)要介護1

生活する際、部分的に介護を必要とする状態

  • 食事や排泄はほとんど単独で可能、時折介助が必要
  • 立ち上がり・歩行等が不安定
  • 問題行動・理解の低下

の確認できる人。

(2)要介護2

軽度の介護を必要とする状態

  • 食事・排泄で何かしらの介助
  • 立ち上がり・片足での体勢保持、歩行等で支えが必要
  • 衣服の着脱がやや困難
  • 物忘れ・直前行動の理解が一部低下

の確認できる人。

(3)要介護3

中等度の介護を必要とする状態

  • 食事や排泄の一部介助
  • 立ち上がり・片足での体勢保持、歩行等で一人で不可能
  • 入浴・衣服の着脱は介助が必要
  • 問題行動・理解力低下

の確認できる人。

(4)要介護4

重度の介護を必要とする状態

  • 食事の要介助
  • 立ち上がり・両足での体勢保持ほぼ不可能
  • 排泄・入浴・衣服の着脱に全面的な介助
  • 問題行動・理解力かなり低下

の確認できる人。

(5)要介護5

最重度の介護を必要とする状態

  • 食事・排泄単独で不可能
  • 立ち上がり・両足での体勢保持が不可能
  • 意思伝達ほぼ不可能

と判断された人。

要介護1~5に該当すると、これ以上症状の悪化を防ぐ介護サービスが提供されることになります。

公的介護保険と民間介護保険の違い

保険のドリル読者

公的な介護保険制度もよく考えられた仕組みですね。

では、民間介護保険の特徴をもう一度おさらいしたいです。

こちらでは、

患者側の負担は必ずかかる!

民間介護保険は現金給付

などについて解説します。

松葉 直隆

生命保険の相談は「ほけんのぜんぶ」(無料)

患者側の負担は必ずかかる!

公的介護保険制度は手厚い給付内容となっていますが、介護サービスの全ての費用が賄われるわけではありません

介護を必要する方々の所得によって、自己負担額が次のように1割~3割となります。

3割負担

いずれの条件にも該当する人が対象です。

①65歳以上で本人の前年の合計所得金額→220万円以上

②前年の合計所得金額・前年の年金収入の合計が、

  • 同一世帯の65歳以上の人数が1人→340万円以上
  • 同一世帯の65歳以上の人数が2人以上→合計463万円以上

2割負担

次の2つに分かれます。

①65歳以上で本人の前年の合計所得金額→220万円以上

更に前年の合計所得金額・前年の年金収入の合計が、

  • 同一世帯の65歳以上の人数が1人→280万円~340万円未満
  • 同一世帯の65歳以上の人数が2人以上→合計346万円~463万円未満

②65歳以上で本人の前年の合計所得金額→160万円~220万円未満

更に前年の合計所得金額・前年の年金収入の合計が、

  • 同一世帯の65歳以上の人数が1人→280万円以上
  • 同一世帯の65歳以上の人数が2人以上→合計346万円以上

①、②のいずれかに該当する人が対象です。

1割負担

65歳未満の方、市民税非課税の方、生活保護受給者が該当します。

ただし、前述したように公的介護保険利用者は年々増加し、将来の更なる増加が予想されます。

この利用者の増加は、今後の自己負担割合の増大を招く事態も考えられます。

公的介護保険の他、その補完に役立つ備えを準備する必要性が出てくることでしょう。

民間介護保険は現金給付

朝日生命をはじめとした各保険会社が販売する介護保険では、その給付内容が【現金給付】となります。

受けられる給付は、前述した【介護一時金】としてまとまった給付金を受け取れる保障があります。

その他、【介護年金】として一生涯年金給付という形で保障されるサービスもあります。

ただし、民間の介護保険であっても、公的介護保険で要支援・要介護認定を受けないと、これらの保障は適用されません。

また、介護保障の条件は各保険会社の介護保険で大きく異なります。

保障内容を吟味する際は、必ず保障対象となる要支援・要介護のランクをチェックしておきましょう

民間介護保険は何歳くらいから加入すべき?

出来れば40代・50代から、生命保険会社の販売する介護保険へ加入していた方が、保険料負担も安く抑えられ無理なく、お金を積み立てることができます。

しかし、日々の生活費はもちろん、住宅のローンが残っていたり、子の教育費にまだまだお金がかかったりすることでしょう。

そんな時には60代から民間介護保険へ加入しても問題ありません

特に65歳以降ならば、ご自分の退職金を利用して介護保険料を賄うことができるはずです。

60代から加入するとなれば、確かに保険料は40代・50代の時より割高となります。

とはいえ、介護リスクが高まってくる年齢ですので、家族に迷惑をかけないため備えておくことが大切です。

まとめ

日本人の寿命は男女とも確実に伸びています。

それ自体は喜ばしいことであり、【人生100年時代】と呼んでも決して誇張ではないでしょう。

セカンドライフを楽しむ期間は、多くの方々に十分用意されているみて間違いありません。

余暇を活かし趣味に没頭したり、夫婦で旅行したりと楽しみは膨らみます。

しかし、誰しも健康に老いるわけではありません。

身体機能の低下、認知症による介護の必要は誰しもが考慮するべきリスクです。

ご自分が健康な内に、しっかりとその介護リスクへ備えておけば、いざというとき本人も家族も慌てることなく対応できるはずです。