ニッセイ(日本生命)の個人型確定拠出年金・企業型確定拠出年金を解説!

記事監修者紹介
松葉 直隆 大学卒業後、損保ジャパン日本興亜代理店の保険会社にて5年以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。  その後、2016年6月より保険のドリルをはじめとする保険媒体の記事監修を務める。

皆さんは公的年金(国民年金または厚生年金)に現在加入し、毎月コツコツ納付したり、毎月給与から天引きされたりして、受け取る年金を積み立てているはずです。

しかし、たとえ老後に公的年金が満額支給されたとしても、年金収入だけではとても生活費用が足りなくなる事実をご存知でしょうか?

そのため、公的年金の不足を埋める手段として、個人の方々は【個人型確定拠出年金】、企業の場合は【企業型確定拠出年金】で運用する方法があります。

保険会社の大手である日本生命では、個人型確定拠出年金・企業型確定拠出年金双方を扱っていますが、それぞれ申込の流れや掛金の払込方法が異なっています。

そこで今回は、ニッセイの【個人型確定拠出年金】・【企業型確定拠出年金】それぞれの特徴や活用法に加えて、有用性や注意点も併せて解説をしますので、老後の資金確保の為の参考にしてみて下さい。

この記事の要点
  • 確定拠出年金の基本を紹介
  • 個人型と企業型の違いの解説
  • 日本生命の販売する確定拠出年金の紹介
  • 確定拠出年金の注意点
  • 保険の新規加入や見直しを検討するなら、相談員の約97%が国家資格であるFPの資格を所持している「ほけんのぜんぶ」無料で相談することをおすすめします。

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確定拠出年金の基本を解説

保険のドリル読者

公的年金を満額受け取っても、老後の資金の一部しか賄えないと言われていますね。

確定拠出年金は、その不足を賄う備えの一つとして有効なのでしょうか?

こちらでは確定拠出年金とは何か』『日本生命の確定拠出年金』について解説します。

松葉 直隆

確定拠出年金とは?

確定拠出年金とは、事業主・加入者が掛金を拠出し、加入者自らがその資産を運用して、その成果により将来の年金受取額が決まる年金です。

公的年金の支給開始年齢は原則65歳となっていますので、65歳で退職するならば期間をそう置かずに年金給付が開始されます。

しかし、60歳で早めに退職する場合は、その後の5年間は公的年金を受け取ることができません

また、公的年金収入のみなら、支出がその収入を上回り生活資金として不足する事態も指摘されています。

この不足に対応する場合、年金給付までキッチリ働く、退職時までコツコツ貯めた預金を切り崩すなどの方法も考えられます。

しかし、確定拠出年金等の【私的年金】を活用することで、公的年金を受給するまでの空白の期間や、生活資金の不足分を補うことができるのです。

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日本生命では個人型・企業型確定拠出年金がある

日本生命ではいろいろな保険商品の他に、この確定拠出年金も取り扱っており、個人型確定拠出年金企業型確定拠出年金の両方が用意されています。

個人型確定拠出年金

日本生命をはじめとした保険会社・各金融機関で取り扱われている個人型確定拠出年金は、【iDeCo(イデコ)】という愛称で呼ばれています。

加入者本人の責任で年金資産の拠出・運用を行います

掛金は全額が所得控除の対象で、所得税・住民税が軽減されます。

様々な税制優遇を受けることができる上、運用次第で給付額を増やすことも可能です。

企業型確定拠出年金

企業側が事前に決まった掛金を拠出するので【確定拠出】と呼ばれています。

なお、企業が独断で導入することはできず、労使合意が前提となります。

退職時の給付額を事前に決め企業が運用責任を負う【確定給付】に対し、拠出された掛金を加入者本人の責任で管理・運用を行う点が特徴です。

なお、企業型確定拠出年金も税制優遇を受けることができます

個人型と企業型確定拠出年金との比較

こちらでは個人型確定拠出年金・企業型確定拠出年金の特徴を比較してみます。

比較 個人型 企業型
管理運用主体 加入者 加入者
加入対象者 基本的にすべての人 企業の従業員等
申込条件 加入者本人の判断 労使合意が前提
掛金上限 職業により異なる 各規約により異なる
給付内容

・老齢給付金

・障害給付金

・死亡一時金

・老齢給付金

・障害給付金

・死亡一時金

税制メリット

双方、確定拠出年金の利用を開始したい場合は、異なった条件が必要となります。

また、掛金上限もそれぞれ職業や、労使合意に基づき規約であらかじめ決められた額で、大幅に異なってきます。

個人型確定拠出年金の特徴

保険のドリル読者

個人型確定拠出年金はよく【iDeCo(イデコ)】と呼ばれ、いろいろな保険会社・証券会社で取り扱われていますね。

そこで、個人型確定拠出年金の特徴を知りたいです。

こちらでは、個人型確定拠出年金の仕組み個人型確定拠出年金の申込の流れについて解説します。

松葉 直隆

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個人型確定拠出年金とは?

【iDeCo(イデコ)】という愛称で親しまれ、加入者本人の責任で年金資産の拠出・運用を行う私的年金です。

日本生命のような保険会社の他、国民年金基金連合会、信託銀行、証券会社が取り扱っています。

個人型確定拠出年金は、掛金の上限が加入者の職業によって大きく異なります

各拠出限度額は次の通りです。

自営業、学生等(第1号被保険者)

月額6.8万円で年額81.6万円までが上限です。

専業主婦または主夫(第3号被保険者)

月額2.3万円で年額27.6万円までが上限です。

公務員等共済加入者(第2号被保険者)

月額1.2万円で年額14.4万円までが上限です。

会社員(第2号被保険者)

各ケースでそれぞれ掛金額が変わります。

①企業型確定拠出年金に未加入

  • 他の企業年金に加入していない会社員:月額2.3万円(年額27.6万円)
  • 他の企業年金のみに加入している会社員:月額1.2万円(年額14.4万円)

②企業型確定拠出年金に加入

企業型確定拠出年金規約で、個人型への加入を認めている場合のみ申込できます。

  • 他の企業年金に加入していない会社員:月額2万円(年額24万円)
  • 他の企業年金のみに加入している会社員:月額1.2万円(年額14.4万円)

あくまで運用は自己責任!

確定拠出年金の掛金は毎月5000円以上と定められ、1000円単位で金額を設定できます。

家計の負担とはならない金額で加入しましょう。

ただし、確定拠出年金の運用は自己責任で行うことになります。

運用はハイリスクが伴う?

確定拠出年金の運用は投資信託、定期預金等で行われます。

元本保証は無いものの大きな利回りを期待するなら【投資信託】で運用しましょう。

一方、大きな利回りより損失を回避したいなら【定期預金】で運用することも検討しましょう。

加入したら60歳まで一直線?

運用した年金は60歳から受け取れますが、60歳より前に資金として活用することは原則として不可能です。

ご自分でどうしても資金が必要となり、個人型確定拠出年金を中途解約したいなら、次のような条件に該当しなければいけません。

①脱退一時金を受ける

以下の5つの要件を全てに合致することが必要です。

  • 国民年金の第1号被保険者で、年金の全額免除もしくは一部免除、納付猶予を受けている
  • 確定拠出年金の障害給付金受給権者ではない
  • 通算拠出期間が3年以下、もしくは個人別管理資産が25万円以下
  • 企業型確定拠出年金・個人型確定拠出年金の加入者資格を喪失した日から2年以内にあたる
  • 企業型確定拠出年金で脱退一時金を受けていない

②ケガ・病気で障害を負ってしまった(極めて例外的な措置)

その他、解約ではなく加入者が死亡した場合、遺族が死亡一時金を受け取れます。

 

申込をする前、このような制約も十分に把握した上で、ご自分が加入しても大丈夫かどうかを慎重に検討しましょう。

個人型確定拠出年金の申込の流れ

個人型確定拠出年金の申込方法は基本的に次の通りとなります。

なお、加入を申し込んだらすぐに運用を開始できるわけではありません。

個人型確定拠出年金を取り扱う保険会社・金融機関等の審査があるため、1~2ヶ月は手続き完了までに時間がかかります

  1. 個人型確定拠出年金を扱う保険会社・金融機関等の窓口やホームページで申込書類を受けとる。
  2. 個人型確定拠出年金加入申出書に必要事項を記載・押印後、送付先へ郵送。
  3. 確定拠出年金の実施機関である国民年金基金連合会で審査が開始。
  4. 審査で加入希望者の条件等に問題が無いと判断されれば、個人型年金加入確認通知書・口座開設のお知らせ・インターネットパスワードの設定が、ご自宅へ通知。
  5. 指定口座から掛金の引き落としを開始。原則として毎月26日(休日:翌営業日)に引落し。

ニッセイの個人型確定拠出年金を紹介

保険のドリル読者

個人型確定拠出年金は大きな利益の得られる反面、その運用リスクもある点は注意しないと。

では、ニッセイの個人型確定拠出年金の特徴を教えて欲しいです。

こちらでは、ニッセイの個人型確定拠出年金の内容と、運用の相談方法について解説します。

松葉 直隆

日本生命の保険も「ほけんのぜんぶ」で相談(無料)

ニッセイの個人型確定拠出年金とは?

ニッセイの個人型確定拠出年金は、充実した金融商品リーズナブルな運用手数料(信託報酬)が高い評価を受けています。

幅広い商品カテゴリの内容は次の通りです。

商品カテゴリ 株式・債券
バランス

・ライフサイクル型

・ターゲットデート型

・リスクコントロール型

国内債券 ・日本債券
外国債券

・先進国債券

・新興国債券

・ヘッジ付外債

国内株式

・日経225

・JPX400

・テーマ型

外国株式

・先進国株式

・新興国株式

REIT

・J-REIT

・海外-REIT

元本確保

・保険

・預金

ニッセイの個人型確定拠出年金の内容

確定拠出年金を運用する場合に選ぶ、投資信託・保険・預金の内容、信託報酬(税抜)は次の通りです。

投資信託

ご自分のニーズに応じ、様々な商品が用意されています。

(1)バランス型投資信託

運用会社(ニッセイアセットマネジメント)が資産配分を決め、資産運用の基礎となる分散投資を進めていきます。

投資初心者向けです。

①ライフサイクル型

株式と債券の組合わせ比率が異なる次の3商品から選びます

種別 商品名 信託報酬(税抜)
株式比率30% DCニッセイワールドセレクトファンド「債券重視型」 0.14%
株式比率50% DCニッセイワールドセレクトファンド「標準型」 0.14%
株式比率70% DCニッセイワールドセレクトファンド「株式重視型」 0.14%

②ターゲットデート型

運用会社が事前に目標とする期日を設定、その期日に向けてリスク資産の比率が徐々に減少するよう運用する商品です。

種別 商品名 信託報酬(税抜)
ターゲットデート2025 DCニッセイターゲットデートファンド2025 0.27%
ターゲットデート2035 DCニッセイターゲットデートファンド2035 0.29%
ターゲットデート2045 DCニッセイターゲットデートファンド2045 0.29%
ターゲットデート2055 DCニッセイターゲットデートファンド2055 0.29%

③リスクコントロール型

運用会社が市場の動きに応じ資産配分を柔軟に調整、安定的なリターン獲得を目指す商品です。

種別 商品名 信託報酬(税抜)
安定収益追求型 DCニッセイ安定収益追求ファンド 0.65%
安定収益追求型 DCニッセイマーケットフォローバランス 0.55%

(2)自分自身で組合わせて運用

資産配分をご自分で決定したい場合の商品カテゴリです(運用会社:ニッセイアセットマネジメント)。

種別 商品名 信託報酬(税抜)
国内債券 DCニッセイ日本債券インデックス 0.12%
外国債券 DCニッセイ日本債券インデックス 0.14%
国内株式 DCニッセイ日経225インデックスファンドB 0.19%
外国株式 DCニッセイ日本債券インデックス 0.14%

(3)投資経験・知識が豊富な方向け

様々なリスク・リターン特性を有する商品カテゴリです。

①国内株式・アクティブ型(運用会社:ニッセイアセットマネジメント)

種別 商品名 信託報酬(税抜)
バリュー型 ニッセイ日本株ファンド 1.00%
JPX400 DCニッセイJPX日経400アクティブ 1.44%
テーマ型 ニッセイ健康応援ファンド 1.465%

②外国株式・アクティブ型(運用会社:ニッセイアセットマネジメント)

種別 商品名 信託報酬(税抜)
先進国株式 DCニッセイ/パトナム・グローバル・コア株式 1.80%

③外国債券・アクティブ型(運用会社:ニッセイアセットマネジメント)

種別 商品名 信託報酬(税抜)
米ドル建債券 ニッセイ/パトナム・インカムオープン 1.50%

④新興国・インデックス型

運用会社は新興国債券→大和アセットマネジメント、新興国株式→日興アセットマネジメントです。

種別 商品名 信託報酬(税抜)
新興国債券 DCダイワ新興国債券インデックスファンド 0.52%
新興国株式 インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 0.34%

⑤ヘッジ付外国債券・アクティブ型(運用会社:フィデリティ投信)

種別 商品名 信託報酬(税抜)
複合型ヘッジ付外債

フィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンド

Aコース(為替ヘッジ付き)

1.43%

⑥REIT・インデックス型

運用会社はJ‐REIT→ニッセイアセットマネジメント、海外‐REIT→大和アセットマネジメントまたはニッセイアセットマネジメントです。

種別 商品名 信託報酬(税抜)
J‐REIT DCニッセイJ-REITインデックスファンドB 0.25%
海外‐REIT DCダイワ・グローバルREITインデックスファンド 0.31%
海外‐REIT DCニッセイ先進国リートインデックス 0.27%

元本確保型

リスクを回避したい方に適した商品カテゴリです。

種別 商品名 引受会社
保険

ニッセイ利率保証年金

10年保証プラス/日々設定

日本生命
預金

りそな据置定期預金

フリーポケット401k

りそな銀行

運用のアドバイスが欲しいなら!

ニッセイの個人型確定拠出年金では充実した金融商品を選べます。

とはいえ、投資の初心者には運用していく過程で疑問が出てくることもあるはずです。

そんなときは『ニッセイ確定拠出年金コールセンター』を活用しましょう。

このサービスでは、手続き相談や運用相談に加え、資産評価額照会・取引も行うことが可能です。

運用商品の説明を聞きつつ、同時に運用商品の変更を申込むことができます。

また、コールセンター応答率は96%以上と、つながりやすく安心して相談ができます。

投資信託に元本保証はありません

だからこそ、不明点・疑問点があれば加入後も積極的に、このようなサポートサービスを利用していきましょう。

企業型確定拠出年金の特徴

保険のドリル読者

個人型確定拠出年金の他にも企業型確定拠出年金がありますね。

こちらにも関心があるので、企業型確定拠出年金の特徴についても教えて下さい

こちらでは、企業型確定拠出年金の有要性と、企業型確定拠出年金の申込の流れについて解説します。

松葉 直隆

企業型確定拠出年金も「ほけんのぜんぶ」で相談(無料)

企業型確定拠出年金の有効性

企業型確定拠出年金は、個人型確定拠出年金と異なる面もかなりあります

例えば、掛金は事業主の拠出という形になります。

とはいえ、加入者本人が運用商品を自由に選んで運用する点、原則として60歳前に運用したお金を受け取れない点は同じです。

企業型確定拠出年金を導入する企業側のメリットは次の通りです。

費用予測が容易

掛金が確定している制度なので、積立不足は発生しない仕組みとなっています。

会計上お得

掛金は事業主の拠出となり全額損金算入できます。

つまり法人税の軽減に役立ちます

確定拠出年金は退職給付債務の対象外でり、当期掛金の費用認識のみとなります。

各自の持ち分が明確

個人ごとの口座をつくり、年金資産の運用は加入者(従業員等)本人が行うので、加入者に損失が発生しても何ら責任は問われません。

このように、企業型確定拠出年金は従業員等の安定した老後の資金として活用できる他、法人税の節税にも役立ちます

そのため、従業員等のモチベーションを高め、税制上の優遇措置を受けるために有効な制度と言えます。

企業側の独断で申込はできない

企業にとってメリットの大きい企業型確定拠出年金ですが、事業主(企業側)が独断で制度導入をすることはできません

まずは労使合意に基づき企業型年金規約を作成、さらに厚生労働大臣の承認を受けなければいけません。

やや面倒な手続きを経るのが企業型確定拠出年金の特徴と言えます。

なお、この制度実施は企業単独でも、複数の企業が共同しても可能です。

とはいえ、企業型確定拠出年金の導入には、なかなか労力を要します。

そのため、専門のノウハウを活かした企業年金受託機関から確定拠出年金関連サービスの提供を受けて導入を進めていくのです。

企業型確定拠出年金の開始の流れ

企業型確定拠出年金を開始するため、必要な手順についてみていきましょう。

  1. 企業型確定拠出年金の導入を労使合意
  2. 運営管理機関・資産管理機関の選任、運用商品を検討
  3. 企業型年金規約作成
  4. 厚生労働大臣の承認
  5. 従業員等へ企業型年金規約の内容を周知

労使合意には、労働組合があるならその同意を要し、無いなら従業員等の過半数を代表する人の同意が必要です。

また、規約作成の際は掛金設定も決めます。

算定方法は、【定額(全員同じ金額)】【定率(基準給与×定率)】【定額+定率】を定めます。

拠出限度額(事業主掛金と加入者掛金の合計額)は、企業年金があれば月額2.75万円(年額33万円)企業型確定拠出年金規約で個人型確定拠出年金への加入を認めている場合は月額1.55万円(年額18.6万円)となります。

一方、企業年金が無いなら月額5.5万円(年額66万円)企業型確定拠出年金規約で個人型確定拠出年金への加入を認めている場合は月額3.5万円(年額42万円)となります。

ニッセイの企業型確定拠出年金を紹介

保険のドリル読者

企業型確定拠出年金はやはり制度の導入が複雑で手間がかかりますね。

しかし、ニッセイ企業型確定拠出年金についても知っておきたいです。

こちらでは、ニッセイ確定拠出年金サービス企業型確定拠出年金の運用確定拠出年金の給付について解説します。

松葉 直隆

老後資金も「ほけんのぜんぶ」で相談(無料)

ニッセイ確定拠出年金サービス

実は企業型確定拠出年金の場合、企業側(事業主)に提示する確定拠出年金は、法人保険のような完成された商品を販売するわけで無く、【ニッセイ確定拠出年金サービス】を活用し、運用商品の選定等を行っていくことになります。

この選定で企業独自のプランを加入者(従業員等)へ提供します。

このような制度設計・コンサルティングサービス、加入者である【従業員の教育サービス】、個人資産の照会・運用商品の預替の申し出等に対応する【コールセンター・インターネットサービス】等を、日本生命では企業型確定拠出年金導入企業に提供していくのです。

企業型確定拠出年金を開始するには、非常に高度な確定拠出年金ビジネスのノウハウの蓄積が必要です。

導入企業ではこのような専門のノウハウを日本生命からアドバイスしてもらい、協力して企業型確定拠出年金制度を構築していきます。

企業型確定拠出年金の運用

企業型年金規約に基づき、運営管理機関(事業主が行うことも可能)で運用商品を選定することになります。

運用商品はお金になりそうな投資なら、どれでも良いわけではありません。

企業型確定拠出年金で運用可能な商品の条件は次の2つです。

  • リスク・リターン特性の異なる3つ以上(簡易企業型年金は2つ以上)の運用商品を提供すること
  • 運用商品は預貯金・公社債・投信・信託・保険商品等であること

なお、運用商品は動産・不動産・金融先物・商品先物は対象外です。

運用商品を決定したら運営管理機関(事業主)は、加入者(従業員等)へ運用指図に必要な情報提供(例:ホームぺージやチラシ等の配布)を行います。

その後、加入者は提示された運用商品の中から、自分の責任で運用指図を行います。

確定拠出年金の給付

給付されるのは、老齢給付金、障害給付金、死亡一時金の3種類となります。

項目 老齢給付金 障害給付金 死亡一時金
支給事由 通算加入者等期間10年以上、60歳到達 加入者が障害認定を受けた 加入者が死亡
支給開始時期 60歳~70歳の任意の時期 障害認定日~70歳の任意の時期 加入者が死亡
支給形態 年金、一部を一時金として支給可 年金、一部を一時金として支給可 一時金
税金

・年金:公的年金等控除

・一時金:退職所得控除

所得税を課税せず 相続税

それぞれ、支給事由・支給開始時期・支給形態・掛かる税金いずれも異なってきます

障害給付金、死亡一時金は加入者が60歳未満でも給付可能となります。

なお、一定の要件を満たした場合に限り脱退一時金の受取も可能です。

確定拠出年金の注意点

保険のドリル読者

私の会社では企業型確定拠出年金の導入がまだなので、個人型確定拠出年金を検討したいですね。

年金と言えば個人年金保険も生命保険会社から販売されていますが、個人年金保険との違いや運用する際の注意点も教えて欲しいです。

こちらでは、元本割れのリスクがある個人確定拠出年金と個人年金保険との比較について解説します。

松葉 直隆

老後資金準備の相談は「ほけんのぜんぶ」(無料)

元本割れのリスクあり

確定拠出年金は税制上の優遇措置が充実し、投資信託を選べば運用成績が良いなら、加入者にとって予想外の大きな利益となって戻る場合もあります。

しかし、投資信託は前述したように元本割れのリスクがあり、国内・海外経済市場の動向に大きく影響されます。

最近では、新型感染症の影響で、その甚大な感染者・死者数はもとより、世界的規模で経済の停滞・混乱が生じています。

このような状況下で、投資によって大きな利益を上げることができるのか、今一度、冷静に検討してから加入申込を行いましょう。

税制上の優遇面、大きな利益が期待できる反面、運用が上手くいかなければ、ご自分の老後資金に大きな影響の出ることも十分把握する必要があるのです。

個人年金保険の方が無難?

個人年金保険も私的年金であり、生命保険会社から盛んに販売されている保険商品の一つです。

この個人年金保険には、変額(積極投資)型や外貨建てのような、元本保証のないハイリスク・ハイリターンな商品があります。

しかし個人年金保険は、ほとんどの生命保険会社で【円建て・定額タイプ】の商品が販売されており、受取率はさほど高くないものの、堅実かつリスク無く老後の資産形成に役立つ商品として注目を集めています。

円建て・定額タイプは日本円でかつ定額で運用されるので、契約時、既に受取率は決まっています。

そのため、積み立てさえコツコツ行えば、国内・国外経済が大混乱になろうと、保険会社が倒産しない限り、予定通りの年金額が受け取れます。

受取率はさほど高くないと先ほど指摘しましたが、定期預金よりもずっと好条件での運用が可能です。

老後の資金の確保をする場合にとにかくリスクを回避したいと思う方々は、【円建て・定額タイプ】の個人年金保険へ加入を検討してみましょう。

個人確定拠出年金と個人年金保険の比較

こちらでは、個人確定拠出年金と個人年金保険の特徴を比較してみましょう。

比較 個人年金保険 確定拠出年金
メリット

・返戻率がかなり高くなる商品もあり(変額・外貨建てタイプ)

・中途解約は基本的に自由にできる

・受取開始年齢は自由に設定可能

・節税効果が極めて高い

・月掛金が個人年金保険と比較すると安い

デメリット

・節税効果が確定拠出年金と比較すると低い

・月払保険料が数万円になることも

・原則60歳からしか受け取れない

・口座開設や維持に、手数料がかかる

・職業別で掛金の上限額はそれぞれ異なる

節税効果は個人確定拠出年金が高い

確定拠出年金で積み立てた掛金全額が所得控除の対象となります。

こちらは年末調整または確定申告で申告すれば、所得税・住民税が軽減されます。

また、運用中に得た利益はずっと非課税となります。

確定拠出年金は、長期にわたりその利益を再投資することが可能なので、大きな複利効果が期待できます。

一方、個人年金保険の場合、払い込んだ保険料は【生命保険料控除】として所得税・住民税控除の対象となります。

しかし、控除額は最大で年間4万円程度しか節税効果がえられません。

年金の受取開始・中途解約の柔軟性は個人年金保険が高い

確定拠出年金の給付開始は60歳からです。

しかし、個人年金保険の場合は契約時に60歳未満で年金受取開始を設定することが可能です。

また、中途解約する場合も深刻なケースでようやく解約が認められるわけでは無く、契約を継続するも解約するも契約者の自由です。

中途解約の場合は元本割れに注意しなければいけませんが、解約を申し出て、保険会社から申し出を断られる心配は全くありません。

まとめ

確定拠出年金は運用が上手くいけば、こちらと公的年金の組み合わせで、ゆとりある老後を送ることができることでしょう。

老後の生活費はもちろん、ご夫婦で毎年旅行を楽しんだり、趣味のための資金に活用したりできるはずです。

ただし、確定拠出年金の運用は投資信託の場合、ハイリスク・ハイリターンの特徴を有していることも忘れないようにしましょう。

投資に失敗し、老後の資金に大きな影響が出たら大変です。

もしも、余裕資金があれば個人年金保険への加入も検討しておきましょう。

個人型・企業型いずれの確定拠出年金に加入したからといって、個人年金保険の加入は制約されません。

激動する国内・世界経済に対応するべく、確定拠出年金・個人年金保険を併用する方法も有効です。