皆さんが普段、病気やケガの治療の際に利用している医療サービスは【保険診療】と言い、この医療サービスには公的医療保険が適用され自己負担は医療費の3割となっています。
一方、公的医療保険が適用されない最先端の医療サービスを【先進医療】と言い、こちらの場合は掛かる先進医療費(技術料)は全額自己負担となってしまします。
ただし、アフラック生命をはじめとした生命保険会社の医療保険・がん保険では、主契約に先進医療特約を付加することで、その全額自己負担分の保障を受けられる場合があります。
今回は、アフラック生命の取り扱っている先進医療保障の特徴の解説と、先進医療保障の有用性や気を付けるべき点についての解説をします。
- アフラックの先進医療についての解説
- 総合先進医療特約の解説
- がん先進医療特約の解説
- 先進医療と自由診療の違い
- 保険の新規加入や見直しを検討するなら、相談員の約97%が国家資格であるFPの資格を所持している「ほけんのぜんぶ」で無料で相談することをおすすめします。
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目次
アフラック生命の先進医療保障の特色
保険のドリル読者 アフラック生命が扱う先進医療保障にはどんな特徴があるのでしょうか?
松葉 直隆
個別の保険商品としては販売されていない!?
アフラック生命の先進医療保障はほとんどの商品に、主契約である【医療保険】【がん保険】へ特約という形で付加します。
これは、他社の医療保険・がん保険も同様です。
ただし、他社商品では個別に【先進医療保険】として販売されている場合もあります。
気になる保険料ですが、アフラック生命の先進医療特約保険料は非常に安く、毎月100円~130円程度で保障継続ができます。
他社の先進医療特約の保険料もだいたい100円~200円程度で設定されています。
また、前述した個別に販売されている先進医療保険も毎月500円程度で保険契約が可能です。
先進医療に関する保障は、アフラック生命に限らず格安で用意されています。
総合先進医療特約とがん先進医療特約
アフラック生命の先進医療保障は大きく【総合先進医療特約】【がん先進医療特約】に分けられます。
【総合先進医療特約】は、概ね先進医療として厚生労働大臣から認定された医療技術等が保障範囲となります。
一方の【がん先進医療特約】は、がんに限定されますが、やはり厚生労働大臣から認定された医療技術等が範囲範囲となります。
また【総合先進医療特約】も【がん先進医療特約】も、『先進医療にかかる技術料分が保障』されます。
この技術料とは、健康保険法等の規定に基づく評価療養の中で、厚生労働大臣が定める施設基準に適合した病院・診療所で行われる高度な医療技術の料金を指します。
そのため、病院・診療所で最先端医療が施されたとしても、その医療技術の料金が全てが先進医療にかかる技術料へ該当するわけではありません。
先進医療特約は10年更新?
アフラック生命の先進医療特約は、10年満期で自動更新という形で保障が継続されます。
そのまま保障を継続したい場合、保険会社側に先進医療特約を外す旨の意思表示をしなければ自動で更新されます。
ただし、更新をする度に保険料が見直しされるため、当然ながら値上げする可能性も出てきます。
とはいえ、毎月100円程度の特約保険料からいきなり2倍・3倍に増加することはまず考えられず、急激な値上げの心配はいりません。
先進医療特約は特約である以上、それを付加するかどうかは契約者(被保険者)の自由です。
ただし、先進医療特約の保障内容が気に入っているからといって、主契約を解約して、この特約だけ継続するということはできないので気を付けましょう。
医療保険に付加できる【総合先進医療特約】を解説
保険のドリル読者 そこで、アフラック生命の【総合先進医療特約】の特徴が知りたいです。
松葉 直隆
アフラック生命の医療保険に設定可能!
【総合先進医療特約】は、次の医療保険へ付加することができます(現在販売中の医療保険)。
- 「ちゃんと応える医療保険EVER」:終身医療保険
- 「ちゃんと応える医療保険レディースEVER」:終身医療保険
- 「ちゃんと応える医療保険介護EVER」:終身医療保険
- 「[病気になった人も入りやすい]ちゃんと応える医療保険EVER」:終身医療保険
- 「健康応援医療保険」:終身医療保険(なお、総合先進医療保障は基本設定)
保障内容・金額
この5商品いずれの場合も、所定の先進医療を受けた場合に【先進医療給付金】を請求できます。
給付金額は、1回につき先進医療に掛かる技術料のうち自己負担額と同額が保障され、通算2,000万円までが上限です。
自己負担額と同額保障なので、主契約で設定されている入院給付金・手術給付金等のように、契約時に受け取る給付金額が事前に決まっているわけではありません。
特約保険料
現在販売中の医療保険5商品では、その保障内容・金額とも変わりはありません。
ただし、毎月の特約保険料は大きな違いがあります。
「ちゃんと応える医療保険EVER」・「レディースEVER」・「介護EVER」の場合は、毎月100円~130円程度で保障継続ができます。
しかし「[病気になった人も入りやすい]ちゃんと応える医療保険EVER」の場合は、毎月300円~470円程度と3倍以上高くなります。
なぜなら「[病気になった人も入りやすい]EVER」は、【引受基準緩和型医療保険】だからです。
このタイプの商品は告知項目の審査が緩和されていることで、持病のある方々・健康に自信の無い方々でも加入し易くなっています。
その分、当該保障を利用し、給付金請求をする可能性も高いので、保険料は割高に設定されているのです。
総合先進医療特約の保障範囲とは?
総合先進医療特約の保障範囲は非常に幅広く、次の費用以外の先進医療費(技術料)が対象です。
- 別表30に定める法律に基づき給付の対象となる費用
- 先進医療以外の評価療養のための費用
- 選定療養のための費用
- 食事療養のための費用
- 生活療養のための費用
「1」の費用とはいわゆる公的医療保険の適用される医療費が該当します。
「2」の評価療養とは、先進医療や医薬品・医療機器の治験等、現在は公的医療保険の利かない療養ですが、将来、公的医療保険の適用される療養になることが見込まれているものです。先進医療に該当しない評価療養は対象外です。
「3」の選定療養とは、厚生労働大臣が定める患者の快適性・利便性に関する療養、医療機関や医療行為等の選択に関する療養を指します。選定療養のための費用には特別療養環境室にかかる【差額ベッド代】が該当します。
「4」の食事療養とは、患者の状態に合わせた食事を提供し、症状の悪化を防ぐ療養のことです。
「5」の生活療養とは、食事療養並びに温度、照明及び給水に関する適切な療養環境の形成である療養のことです。
この「1」~「5」までに該当しない、先進医療と認定された医療サービスなら、総合先進医療特約が利用できるわけです。
先進医療特約に該当しなくなると
先進医療は健康保険法等の規定に基づく評価療養の中で、厚生労働大臣が定める施設基準に適合する病院・診療所で行われる高度な医療技術を指します。
この医療技術ごとに適応症(対象疾患・症状等)や、実施する医療機関が限られています。
ただし、一度認められればずっと先進医療の対象となるわけではありません。
厚生労働大臣から、それまで先進医療を実施していた医療機関が外されたり、厚生労働大臣が認めた医療技術、対象となる適応症が見直されたりする場合もあります。
つまり、先進医療として認められる医療技術の範囲は常に変動します。
そのため、先進医療として受けようとしていた医療サービスが、保険継続中にその対象で無くなることも十分考えられます。
次章では、以前に先進医療と扱われていた『多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術』を例に、先進医療除外後、アフラック生命のどんな医療保障が受けられるのかを解説します。
【総合先進医療特約】と白内障の手術
保険のドリル読者
では、先進医療から外された医療技術の事例を詳しく教えて下さい。
松葉 直隆
多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術とは?
『多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術』とは、白内障の原因である濁った水晶体を【超音波水晶体乳化吸引術】で砕いて取り出し、【眼内レンズ】という人工の水晶体を入れる方法です。
決して大掛かりな手術ではなく、手術自体は30分程度で終了するため日帰りも可能です。
手術費用自体は片眼で30万円程度、両眼60万円程度となります。
以前は、大学病院のような大きな医療機関だけでなく、町の眼科医院も厚生労働大臣による先進医療の指定を受けていました。
この多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術は、2020年4月1日に先進医療から削除されるまで【先進医療A】に指定されていました。
なお【先進医療A】は、次に該当する条件をすべて含んだ医療行為が該当します。
- 先進医療の中で未承認、適用外の医薬品や医療機器を使用しない技術
- 人体への影響がほとんどない技術
なぜ総合先進医療特約から外された?
『多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術』は、先進医療の中でも群を抜いて多く実施されていました。
平成30年7月1日~令和元年6月30日までの年間実施件数は33,868件となっています(出典:厚生労働省 第91回先進医療会議の開催について「令和元年6月30日時点における先進医療Aに係る費用」)。
先進医療Aは、年間実施件数が38,272件だったので、全体の約88%をこの水晶体再建術が占めていたことになります。
つまり『多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術』は、先進医療でありながら非常に一般化された医療技術となったため、2020年4月1日以降、その治療は公的医療保険の対象とされたのです。
とするならば、現在アフラック生命の医療保険へ加入中の方々は、付加した先進医療で保障されるのか不安なはずです。
次項では、多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術を受けた場合の医療保障について解説します。
やや複雑な保障の仕組み!?
『多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術』は、前述した通りあまりにメジャーな先進医療であったため、保険会社の中には先進医療特約の範囲から外す対応をとっていたケースもあります。
アフラック生命では先進医療特約が適用されていた
多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術は、アフラック生命で保障範囲とされていました。
しかし、2020年4月1日以降からは公的医療保険の対象とされたため、アフラック生命の先進医療特約の範囲からも除外されています。
問題なのは、2020年3月31日以前に受けた『多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術』の保障です。
アフラック生命の先進医療保障を受ける条件は【療養を受けた時点において】厚生労働大臣が定める先進医療である療養を保障対象としてます。
つまり、2020年3月31日以前に療養を受けていれば、2020年4月1日以後に請求しても先進医療給付金を受け取ることができます。
2020年4月1日以後に療養を受けたら
先進医療特約では保障されませんが、主契約である【手術給付金】が受け取れます。
つまり、日帰り入院で多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術を受けた場合、入院中の手術として、保険契約で設定した【入院給付金日額×10倍】のお金が受け取れます。
多焦点眼内レンズ代そのものはどうなる?
忘れていけないのは多焦点眼内レンズ代です。
確かに水晶体再建術は公的医療保険が適用され、アフラック生命の医療保険では手術給付金が受け取れます。
しかし、多焦点眼内レンズ代自体は保険診療外となります。
こちらは手術給付金の保障対象にもなりません。
気になる多焦点眼内レンズですが、それぞれの特徴と代金は概ね次の通りです。
(1)二焦点レンズ
遠くと手元の両方(約30cm~50cm)にピントが合います。
レンズ代は片眼19万円~20万円です。
(2)焦点深度拡張型レンズ
二焦点と比較すれば手元の鮮明さには劣るものの、遠く~中間部のコントラストが高いレンズです。
レンズ代は片眼19万円~20万円です。
(3)三焦点レンズ
二焦点レンズに加え、中間部(60cm~1mくらい)にもピントの合う場所もあり、遠・中・近にピントが合います。
レンズ代は片眼29万円~30万円です。
これらの代金は全額自己負担となります。
ただし、実際の入院・手術費より給付金が多くもらえたなら、レンズ代もある程度賄うことができるはずです。
がん保険に付加できる【がん先進医療特約】を解説
保険のドリル読者 アフラック生命の【がん先進医療特約】の特徴を知りたいです。
松葉 直隆
アフラック生命のがん保険に設定可能!
【がん先進医療特約】は、次のがん保険へ付加することができます(現在販売中のがん療保険)。
- 「生きるためのがん保険Days1 ALL-in」:終身がん保険
- 「生きるためのがん保険 寄りそうDays」:終身がん保険
保障内容・金額
この2商品いずれの場合も、所定の先進医療を受けた場合、特約の付加により【がん先進医療給付金】を請求できます。
給付金額は、【がん】の診断・治療を目的とする所定の先進医療を受けたとき、1回につき、先進医療にかかる技術料のうち自己負担額と同額が保障され、通算2,000万円までが上限です。
がん先進医療給付金は自己負担額と同額保障なので、主契約で設定されている入院給付金・手術給付金等のように、契約時に受け取る給付金額が決まっているわけではありません。
一方、がん先進医療特約では【がん先進医療一時金】も受け取ることができます。
がん先進医療給付金が受け取れるならば、1回につき15万円の一時金も給付されますが1年間に1回が限度となります。
特約保険料
現在販売中のがん保険2商品では、その保障内容・金額とも変わりはありません。
特約保険料は毎月240円程度で保障継続ができます。
総合先進医療特約とは異なり保障される範囲が、がんに関する先進保障へ限定されています。
しかし、がん先進医療特約の方がやや保険料は割高です。
やはり総合先進医療特約にはない、がん先進医療一時金も用意されていることが理由と言えます。
がん先進医療特約の保障範囲とは?
がん先進医療特約の保障範囲は、がんに関する診断・治療を目的とした所定の先進医療へ限定されます。
また、次の費用も保障対象外です。
- 別表30に定める法律に基づき給付の対象となる費用
- 先進医療以外の評価療養のための費用
- 選定療養のための費用
- 食事療養のための費用
- 生活療養のための費用
「1」の費用とは、がん治療に関して公的医療保険が適用された場合の医療費が該当します。
「2」の評価療養とは、がん治療に関する先進医療や医薬品・医療機器の治験等、現在は公的医療保険の利かない療養ですが、将来、公的医療保険が適用される療養になることが見込まれているものです。がん治療に関する先進医療に該当しない評価療養は対象外です。
「3」の選定療養とは、厚生労働大臣が定めるがん患者の快適性・利便性に関する療養、医療機関や医療行為等の選択に関する療養を指します。選定療養のための費用には、がんで入院した場合に利用した特別療養環境室の【差額ベッド代】が該当します。
「4」の食事療養とは、がん患者の状態に合わせた食事を提供し、症状の悪化を防ぐ療養のことです。
「5」の生活療養とは、食事療養並びに温度、照明及び給水に関する適切な療養環境の形成である療養のことです。
この「1」~「5」までに該当しない、がん先進医療と認定された医療サービスなら、がん先進医療特約が利用できるわけです。
厚生労働省の決定に注意を!
がんに関する先進医療も事情の変化で、公的医療保険となっているケースがあります。
陽子線治療・重粒子線治療
がんに関する先進医療としてよく知られている医療技術は次の2つです。
いずれも、かなり大掛かりな設備を要し、それなりに規模の大きな病院で治療を受ける必要があります。
(1)陽子線治療
放射線治療の1種で、陽子線の照射で正常な細胞へのダメージを最小限に抑えることができます。
通院による治療が可能です。
治療は原則1日1回(15分~30分)、1週間で3~5回ほど行い、合計4~40回程度の治療が行われます。
費用は約300万円と高額です。
(2)重粒子線治療
こちらも放射線治療の1種で、陽子線より線量集中性に優れています。
治療は原則1日1回(15分~30分)、1週間で3~4回ほど行い、合計1~20回程度にわたって治療が行われます。
費用は約350万円と高額です。
保険診療の対象に続々と変更?
前述したように陽子線治療・重粒子線治療は、費用が300万円台と高額になります。
当然この費用は、原則として全額自己負担です。
とても先進医療特約が付加されていなければ治療を受けることは難しいです。
しかし、陽子線治療・重粒子線治療いずれも、既に小児がん、骨軟部腫瘍、頭頚部悪性腫瘍、前立腺がんの場合、公的医療保険の適用対象となっています。
例えば陽子線治療ならば
- 前立腺がん:総額160万円→公的医療保険適用後約50万円
-
小児がん、骨軟部腫瘍、頭頚部悪性腫瘍:総額237.5万円→公的医療保険適用後約80万円
更に、がん保険の放射線治療給付金も受け取れることでしょう。
ただし、公的医療保険の適用となったがん治療の場合、がん先進医療特約は利用できなくなります。
そのため、厚生労働大臣(厚生労働省)の決定は、日ごろから注視しておいた方が良いでしょう。
先進医療の概要と注意点
保険のドリル読者
では、先進医療とはどんな医療サービスなのか基本的な特徴や注意点を教えて下さい。
松葉 直隆
先進医療とは?
先進医療として認められるためには、次の全ての条件に該当する医療サービスであることが必要です。
- 厚生労働大臣の定めた施設基準に適合する医療機関で行われ
- 最先端の技術を駆使した医療の中で、厚生労働大臣が承認した医療
つまり、厚生労働大臣の定めた施設基準に適合する医療機関で行われなければ、たとえ最先端の技術を駆使した医療でも先進医療とは認められません。
また、厚生労働大臣の定めた施設基準に適合する医療機関で医療サービスが行われても、厚生労働大臣が承認した医療でない限り、やはり先進医療とは認められません。
先進医療と認められれば、先進医療にかかわる技術料は全額自己負担となるものの、民間の医療保険またはがん保険の先進医療特約が利用できます。
それに加え先進医療を受ける場合、保険診療に該当するサービスもあれば、その費用分は公的医療保険が適用されます。
先進医療の条件に該当しない場合は【自由診療】となってしまいます。
この自由診療については、次章で解説します。
保険診療と先進医療の違い
保険診療と先進医療の特徴には次のような違いがあります。
比較 | 保険診療 | 先進医療 |
取り扱える医療機関 | 日本全国どこでも | 極めて限定される |
利用条件 | 保険加入していればOK | 医師の同意 |
公的給付 | 原則7割給付 | 技術料全額自己負担 |
高額療養費制度適用 | あり | なし |
民間医療・がん保険の適用 | 契約時に設定した金額 | 原則技術料と同額 |
なお【高額療養費制度】とは、保険診療の医療費が3割自己負担でも高額となった場合、1ヶ月以内の自己負担限度額を超えた分のお金が返還される公的制度です。
ただし、高額療養費制度は事前または事後に、ご自分が加入している保険者(事業所の従業員の場合:全国健康保険協会または健康保険組合、それ以外:市町村)へ申請する必要があります。
医療費の負担を非常に軽減する便利な制度ですが、残念ながら先進医療には適用されません。
先進医療を受けたくても受けられない!?
先進医療は、以前に先進医療となっていた『多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術』以外、あまり実施されていないのが現状です。
また、厚生労働大臣から指定を受けた医療機関は、その扱う先進医療技術によって大きな差が出ています。
例えば陽子線治療・重粒子線治療に関しては、陽子線治療なら17の医療機関で行われていますが、重粒子線治療ならば6つの医療機関でしか先進医療として実施されていません(令和2年2月1日現在)。
これは、陽子線治療・重粒子線治療を実施できる医療機関自体が少ないのではなく、この治療を先進医療として行える医療機関が少ないことを意味します。
そのため自由診療としてなら、他の医療機関でも受けられる可能性は十分あります。
自由診療の概要と注意点
保険のドリル読者
この自由診療とはどんな医療サービスなのでしょうか?
松葉 直隆
自由診療とは?
自由診療とは、公的医療保険が適用されない医療サービス全般を指します。
つまり、美容目的の施術(レーザー治療・脂肪吸引等)や、毛髪のAGA治療、歯科医院で行う歯列矯正まで幅広く自由診療に該当します。
もちろん、先進医療指定医療機関となっていない医療機関が、陽子線治療・重粒子線治療等を実施する医療行為も自由診療となります。
その意味で自由診療と呼ばれる医療サービスの範囲は幅広く、非常に柔軟な医療内容といえます。
しかし、この医療サービスを利用すると、本来なら保険診療として公的給付が受けられる医療サービスまで【全額自己負担】となります。
もちろん、先進医療と同様に高額療養費制度も利用できません。
自由診療と先進医療の違い
自由診療・先進医療それぞれのメリット・デメリットをみてみましょう。
比較 | 自由診療 | 先進医療 |
メリット |
・該当する医療サービスが幅広い ・保険診療・先進医療より柔軟な利用が可能 ・国内未承認の医療技術で大きな効果も |
・最先端の医療サービスを利用できる ・民間の医療・がん保険で保障される ・保険診療に該当するサービスは公的給付が受けられる |
デメリット |
・全額自己負担で費用がかなり高額になる ・国内未承認の医療技術ならば、大きなリスクが伴うことも |
・利用できる医療機関が限定 ・厚生労働大臣の決定に大きく影響 |
それぞれ一長一短はやはり存在します。
自由診療で特に気を付けるべき点は、高額負担となる点があげられる他、国内未承認の医療技術を利用するリスクも検討しなければいけません。
国内未承認の治療法や治療薬は、海外でたとえ盛んに利用されていても、日本人には効果が強すぎてしまい、重篤な副作用が出る事態も考えられます。
特にがん治療で自由診療を使用する場合には、医師との十分な話し合いが必要となります。
自由診療は民間医療・がん保険で保障外?
自由診療をサポートする保険商品は、あまり生命保険会社では販売されていません。
これはアフラック生命の場合も同様です。
しかし、最近ではとくにがん保険を中心に、自由診療の金銭的サポートが用意された商品も登場してきました。
主に、欧米で承認された所定の抗がん剤またはホルモン剤が適用対象されています。
保障される条件としては主に
- 公的医療保険で未承認の抗がん剤であること
- 承認されているが公的医療保険適用外の部位等へ使用する抗がん剤であること
- 薬剤の公的医療保険適用外投与・公的医療保険適用外検査 等
があげられます。
とはいえ、各生命保険会社では給付条件が異なってくるので、よく約款等を呼んで申し込みするかどうか検討しましょう。
まとめ
アフラック生命をはじめ各生命保険会社が設定している先進医療保障は、その後の厚生労働大臣の先進医療の決定・変更に大きく影響されます。
もしも保険契約をする際や保険継続中、先進医療保障に関する内容変更へ不安を感じたら、保険会社のカスタマーセンターへ問い合わせてみましょう。
先進医療保に関する現状がどうなっているか、オペレーターから詳細な内容が聞けることでしょう。
また、厚生労働省のホームページでも先進医療の現状が把握できます(出典:厚生労働省「先進医療の各技術の概要」)。
とはいえ、先進医療に関する特約保険料は安く、いざという時にこの特約が利用できれば、高額な治療費を賄ってくれる頼もしい保障です。
保険契約時に主契約へ付加しておいても損はない保障と言えます。