共済保険はリーズナブルな掛金で、基本設定のシッカリしている点が人気の商品となっています。
そんな共済には、医療に関する商品が各共済団体から販売されていて、なかなか迷われるかもしれません。
そこで、今回は【オーソドックスな医療共済保険】【一生涯保障される医療共済保険】【子供が対象となる医療共済保険】の3つのおすすめ商品を解説します。
また、共済の基本から加入時の注意点も併せて解説をしますので、共済とはどう言った団体なのかという所までしっかりと理解してみましょう。
- 共済保険とは一体どう言う保険?
- 各共済団体の医療共済の紹介と解説!
- 共済への加入に関する注意点を解説
- 保険の新規加入や見直しを検討するなら、相談員の約97%が国家資格であるFPの資格を所持している「ほけんのぜんぶ」で無料で相談することをおすすめします。
\1分で完了/
共済保険の基本を解説!
保険のドリル読者
共済保険と一体どんな商品なのか知りたいです。
松葉 直隆
共済の保険?
共済団体が販売する商品は、保険会社が扱う保険と同じようなものがあります。
共済団体の販売する保険と似た商品を【共済保険】と呼んでいる人が多いです。
ただし、正確には生命保険会社の販売する商品が一般的には【保険】と呼ばれ、共済の販売する商品は【〇〇共済】や【〇〇保障】と名付けられ、これらが一般的に【共済商品】と言われています。。
とはいえ共済商品は、生命保険会社の扱う保険とほとんど同じ仕組みとなっていますので、共済保険と呼んでも差し支えはありません。
名称に多少違いはありますが、保険・共済双方とも『もしもの時のためにお金を支払い続け保障が必要なったときに金銭的なサポートを受ける』という仕組みは同じです。
共済団体は『相互扶助』がモットー
共済商品を販売する共済団体は【非営利団体】です。
共済団体は『相互扶助(互いに助け合うこと)』の精神で事業を行い、組合員の福利増進に努めることをモットーとしています。
共済団体の商品は掛金(生命保険でいう保険料)がリーズナブルで、何歳で加入しても掛金は一定の場合が多いです。
種類は、生命保険会社が販売する生命保険、損害保険会社が販売する損害保険と似た商品が販売されています。
つまり、医療保障・死亡保障のような人の保障、自動車共済・自賠責共済のような車の保障、火災共済・自然災害共済のような家の保障と、人々の健康・暮らしに直結した保障が取り扱われています。
今回は、人の保障である【医療保障】に的を絞り、共済保険のおすすめ商品を紹介していきます。
医療に関する共済保険おすすめ3商品を紹介!
こちらでは、共済団体の販売する医療に関する共済保険おすすめ3商品を紹介します。
比較 | 生命共済 | 終身医療プラン | 《たすけあい》ジュニア20コース |
共済 | 都道府県民共済 | こくみん共済 | CO・OP共済 |
保障期間 | 定期 | 終身 | 定期 |
特徴 | オーソドックスな保障が充実 | 共済では珍しい終身医療タイプの商品 | 未成年者を対象とした医療保障 |
次章以降では、表のおすすめ3商品の強みや保障内容、加入する前に注意するべき点を解説していきましょう。
都道府県民共済「生命共済」
保険のドリル読者
都道府県民共済で取り扱われている「生命共済」の特徴について詳しく知りたいです。
松葉 直隆
オーソドックスな基本設定なら!
都道府県民共済の「生命共済」は、定期の医療保障で、その期間は85歳までとなっています。
年齢ごとに加入できるタイプは異なる
0歳~満17歳の加入者は「こども型」、満18歳〜満64歳の加入者は「総合保障型」「入院保障型」、満65歳〜満69歳の加入者は「熟年型」「熟年入院型」が選べます。
タイプが一定の年齢ごとに分かれています。
しかし、対象年齢を経過したら保障が終了となるわけでは無く、加入者から終了したい旨を申し出ない限り、85歳まで保障は継続されます。
例えば加入者が未成年で「こども2型」に加入した場合、満18歳以降で保障を継続したければ「総合保障2型」、65歳以降に保障継続を希望するなら「熟年2型」へ移行します。
「総合保障型」「入院保障型」を組み合わせれば最強?
最も加入可能年齢の範囲が広い、総合保障型と入院保障型の特徴は次の通りです。
- 総合保障型:月掛金1,000円~、入院・通院、死亡や障害を保障。
- 入院保障型(2型):月掛金2,000円、入院・通院、手術を手厚く保障。
総合保障型は月掛金1,000円~とリーズナブルですが、手術保障や先進医療保障は用意されていません。
そのため、病気・ケガの治療に手厚い入院保障型も付け足して加入すれば、過不足無く死亡保障と医療保障が設定できます。
オーソドックスな保障で備えたいなら、この2つを組み合わせて申し込むと良いでしょう。
「生命共済」の保障内容を紹介!
こちらでは、総合保障1型(月掛金1,000円)と入院保障2型(月掛金2,000円)を組み合わせた保障内容について説明します。
(1)入院・通院保障
入院保障は事故や病気の際に適用され、通院保障は事故の場合のみ適用されます。
入院・通院保障 | 入院(事故) | 入院(病気) | 通院(事故) |
保障期間 | 1日目~184日目 | 1日目~124日目 | 14日~90日 |
総合保障1型 | 1日2,500円 | 1日2,500円 | 1日750円 |
入院保障2型 | 1日10,000円 | 1日10,000円 | 1日1,500円 |
総合保障+入院保障 | 1日12,500円 | 1日12,500円 | 1日2,250円 |
(2)手術・先進医療保障
手術・先進医療は入院保障型のみで保障されます。
手術・先進医療保障 | 手術 | 先進医療 |
入院保障2型 | 2.5万円・5万円・10万円 | 1万円〜150万円 |
(3)後遺障害保障
手術・先進医療は総合保障型のみで保障されます。
後遺障害保障 | 交通事故 | 不慮の事故 |
総合保障1型 | 1級330万円〜13級13.2万円 | 1級200万円〜13級8万円 |
(4)死亡・重度障害保障
交通事故による死亡・重度障害が最も手厚く保障されます。
死亡・重度障害保障 | 交通事故 | 不慮の事故 | 病気 |
総合保障1型 | 500万円 | 400万円 | 200万円 |
入院保障2型 | 10万円 | 10万円 | 10万円 |
総合保障+入院保障 | 510万円 | 410万円 | 210万円 |
生命共済の注意点
生命共済は加入可能年齢の範囲内ならば、何歳で加入しても掛金は同一です。
ただし、一定の年齢になると保障金額が縮減される場合もあります。
こちらでは、前述した「総合保障1型+入院保障2型」の保障金額が減ってしまうケースを取り上げます。
保障/年齢 | 18歳〜60歳 | 60歳〜65歳 |
入院(事故) | 1日12,500円 | 1日10,000円 |
入院(病気) | 1日12,500円 | 1日9,750円 |
手術 | 2.5万円・5万円・10万円 | 1万円・2万円・4万円 |
先進医療 | 1万円〜150万円 | 1万円〜75万円 |
死亡・重度障害(交通事故) | 510万円 | 505万円 |
死亡・重度障害(不慮の事故) | 410万円 | 405万円 |
死亡・重度障害(病気) | 210万円 | 205万円 |
60歳以降となると、手術保障のように保障金額が1/2以下となってしまう場合もあります。
保障金額が縮減されて不安な場合、生命保険会社の医療保険等に入りなおす等、商品の見直しが必要となることもあるでしょう。
こくみん共済「終身医療プラン」
保険のドリル読者
こくみん共済で販売されている「終身医療プラン」の特徴について知りたいです。
松葉 直隆
終身医療で備えたいなら!
医療に関する共済商品は定期タイプが多く、自動更新が可能であるものの、いずれ年齢上限に達すれば保障終了となります。
しかし、こくみん共済の「終身医療プラン」ならば、加入後は一生涯の保障が約束され、加入者が中途解約するか亡くならない限り、医療保障を受けられます。
4タイプが選べる
「終身医療プラン」は特徴の異なる4つのタイプから選べます。
- 総合タイプ:オーソドックスな保障内容となっています。
- ベーシックタイプ:シンプルな保障内容でリーズナブルな掛金で保障継続ができます。
- 三大疾病タイプ:がん(悪性新生物)・急性心筋梗塞・脳卒中が手厚く保障されます。
- 女性疾病タイプ:女性特有の病気・がんが手厚く保障されます。
いずれのタイプも掛金払込期間は終身払・短期払が選べ、終身払なら満15歳~満80歳、短期払なら満15歳〜満65歳の健康な方々が加入できます。
入院日額は柔軟に設定可
4つのタイプの入院共済金は細かく設定することができます。
総合タイプ・ベーシックタイプ・三大疾病タイプは、日額3,000円〜10,000円まで1,000円単位で選べます。
一方、女性疾病タイプは、入院共済金を日額1,500円〜5,000円まで500円単位で選べます。
終身医療プランの保障内容を紹介!
こちらでは4タイプの保障と、それぞれの掛金例について説明します。
4タイプの保障
それぞれ重視する保障が異なっています。
(1)総合タイプ
幅広い病気やケガの治療をサポートします(入院日額5,000円の場合)。
共済金 | 内容・金額 |
病気・災害入院共済金 |
交通事故・ 不慮の事故・ 病気等 日額5,000円(日帰り入院から保障) 1日目~最高180日・通算1,000日 |
病気・災害通院共済金 |
日額1,500円 入院前:最高30日 退院後:最高60日 通算750日 |
手術共済金 |
外来:5万円 入院中:10万円 |
放射線治療共済金 | 5万円 |
先進医療特約(任意付帯) | 通算1,000万円 |
(2)ベーシックタイプ
シンプルな保障内容となっています(入院日額5,000円の場合)。
共済金 | 内容・金額 |
病気・災害入院共済金 |
交通事故・ 不慮の事故・ 病気等 日額5,000円(日帰り入院から保障) 1日目~60日または180日が選択可 通算1,000日 |
手術共済金 | 5万円 |
放射線治療共済金 | 5万円 |
先進医療特約(任意付帯) | 通算1,000万円 |
(3)三大疾病タイプ
三大疾病の治療をサポートします(入院日額5,000円の場合)。
共済金 | 内容・金額 |
三大疾病入院共済金 |
がん・急性心筋梗塞・脳卒中が対象 日額5,000円(日帰り入院から保障) 無制限保障 |
三大疾病手術共済金 |
がん・急性心筋梗塞・脳卒中が対象 10万円 |
三大疾病放射線治療共済金 |
がん・急性心筋梗塞・脳卒中が対象 5万円 |
診断共済金 |
がん(悪性新生物または上皮内新生物)と診断確定 急性心筋梗塞・脳卒中と診断確定 50万円(2年に1回を限度に無制限保障) |
三大疾病退院共済金 |
がん・急性心筋梗塞・脳卒中が対象 5万円 |
在宅ホスピスケア共済金 | 最高90万円(悪性新生物の場合) |
(4)女性疾病タイプ
女性特有の病気・がん治療をサポートします(入院日額5,000円の場合)。
共済金 | 内容・金額 |
女性疾病・がん入院共済金 |
①女性特有の病気 日額5,000円(日帰り入院から保障) 1日目~最高180日・通算1,000日 ②がん 日額10,000円(日帰り入院から保障) 無制限保障 |
がん手術共済金 |
がんが対象 20万円 |
がん放射線治療共済金 |
がんが対象 10万円 |
診断共済金 |
がん(悪性新生物または上皮内新生物)と診断確定 100万円(2年に1回を限度に無制限保障) |
女性疾病退院共済金 |
女性特有の 病気・がんが対象 5万円 |
在宅ホスピスケア共済金 | 最高90万円(悪性新生物の場合) |
掛金例
「終身医療プラン」は、他の共済商品と異なり、加入年齢・性別等で掛金額は変化します。
こちらでは事例をあげ、それぞれのタイプの月掛金を比較してみましょう。
(例)
- 入院日額:5,000円
- 掛金払込期間:終身払
- 先進医療特約付加:総合タイプ・ベーシックタイプ
(1)男性
加入年齢 | 総合タイプ | ベーシックタイプ(60日型) | 三大疾病タイプ |
20歳 | 2,610円 | 1,670 円 | 1,830円 |
30歳 | 3,280円 | 2,080円 | 2,530円 |
40歳 | 4,290円 | 2,700円 | 3,620円 |
50歳 | 5,800円 | 3,640円 | 5,280円 |
(2)女性
加入年齢 | 総合タイプ | ベーシックタイプ(60日型) | 三大疾病タイプ | 女性疾病タイプ |
20歳 | 2,650円 | 1,690円 | 1,650円 | 3,170円 |
30歳 | 3,260円 | 2,050 円 | 2,200円 | 4,020円 |
40歳 | 4,040円 | 2,520円 | 2,990円 | 5,100円 |
50歳 | 5,240円 | 3,240円 | 4,040 円 | 6,530円 |
こちらの掛金例は終身払の場合なので、保障は一生涯継続しますが、掛金の支払いも一生続きます。
終身医療プランでは短期払も用意され、一定の年齢になれば掛金の支払いは終了しますが、その分、毎月の掛金の負担は重くなります。
終身医療プランの注意点
終身医療プランは4つのタイプに分かれていますが、特約が豊富に設定され保障を自由にカスタマイズできるような商品ではありません。
例えば三大疾病タイプ、女性疾病タイプには【在宅ホスピスケア共済金】が設定されています。
こちらは在宅療養を行えば所定の条件で一時金が受け取れる保障です。
しかし、この保障を備えたいからと言って、総合タイプ・ベーシックタイプを選んだ方々が付加することはできません。
逆に、三大疾病タイプや女性疾病タイプを選んだ方々は、総合タイプ・ベーシックタイプで設定できる【先進医療特約】は付加できません。
この様に、加入者本人が商品を自由設計できない点に注意しましょう。
CO・OP共済「《たすけあい》ジュニア20コース」
保険のドリル読者
そこで、CO・OP共済で取り扱われている「《たすけあい》ジュニア20コース」の特徴について教えて下さい。
松葉 直隆
子供向けの医療保障なら!
CO・OP共済「《たすけあい》ジュニア20コース」は、子供向けと言っても0歳~満19歳までの未成年が加入できる共済商品となっています。
保障期間は満20歳の満期日までですが、その満期以降は医療コースや女性コース等で保障継続が可能です。
「《たすけあい》ジュニア20コース」の特徴として、加入者の死亡・重度障害保障はもとより、親・扶養者の死亡・重度障害保障も保障対象としている点があげられます。
たとえ加入者である子供は健康に問題が無くても、親・扶養者の万一の事態で大きな心理的な喪失感の他、金銭的な窮乏が考慮されるため設けられた保障と言えます。
「《たすけあい》ジュニア20コース」には次の3つのコースがあります。
- J1000円コース:ベーシックな保障金額が設定されています(月掛金1,000円)。
- J2000円コース:J1000円コースの保障を強化したコースです(月掛金2,000円)。
- J1900円コース:健康に不安のある未成年者でも入りやすいコースです(月掛金1,900円)。
「《たすけあい》ジュニア20コース」の保障内容を紹介!
こちらでは、J1000円・J2000円・J1900円コース別の保障内容を見ていきましょう。
(1)入院・通院保障
加入者が病気・事故 (ケガ) で入院した場合、1日目~360日分の入院保障が受け取れます。
それに加え、270日以上連続した入院では長期入院保障が一時金として受け取れます。
また、事故日から180日以内ならば、通院保障(1日目~90日分)も受け取れます。
コース | 入院 | 長期入院 | 事故 (ケガ)通院 |
J1000 | 日額6,000円 | 36万円 | 日額2,000円 |
J2000 | 日額10,000円 | 60万円 | 日額3,000円 |
J1900 | 日額5,000円 | 30万円 | 日額2,000円 |
(2)手術・治療保障
手術の内容で保障金額が異なります。先進医療特約(月掛金100円)を設定できますが、この特約はJ2000円にのみしか付加できません。
コース | 手術 | 先進医療特約 |
J1000 | 5・10・20万円 | – |
J2000 | 10・20・40万円 | 通算1,000万円 |
J1900 | 4・8・16万円 | – |
(3)死亡・重度障害・後遺障害保障
事故日から2年以内の所定の後遺障害状態となった場合は【事故後遺障害保障】の対象になります。
また、死亡または高度障害状態の場合は【病気死亡・重度障害保障】が受け取れます。
なお、事故日から2年以内に死亡または高度障害状態となると、【病気死亡・重度障害保障】へ【事故死亡・事故重度障害保障】が上乗せされます。
コース | 事故後遺障害保障 | 病気死亡・重度障害保障 | 事故死亡・事故重度障害 |
J1000 | 14~350万円 | 100万円 | 50万円 |
J2000 | 28~700万円 | 500万円 | 300万円 |
J1900 | 14~350万円 | 100万円 | 50万円 |
(4)親(扶養者)の死亡・重度障害保障
親・扶養者が万一の事態となっても、次のような保障が受けられます。
コース | 親死亡・親重度障 | 扶養者事故死亡・事故重度障害 |
J1000 | 4万円 | 100万円 |
J2000 | 20万円 | 700万円 |
J1900 | 4万円 | 100万円 |
その他、特約として個人賠償責任保険を付加できます。
「《たすけあい》ジュニア20コース」の注意点
「《たすけあい》ジュニア20コース」の保障期間は、満20歳の満期日までですが、共済に何も申し出なければ、満期以降は医療コース等へ自動で移行します。
子供が大学生で学業に励み、自分の生活費をバイト等で賄っているのなら、親・扶養者はそのまま掛金を負担し、子供のもしもの事態に備えておいても良いでしょう。
そして、子供が社会人となり親の金銭的なサポートが必要無くなった場合、子供のために入っていた共済商品のことを告げて、子供の負担で保障を継続するべきか、解約するかを決めさせるのも良い方法です。
ただし、いつまで経っても共済商品に加入していることを子供へ伝えないと、子供が自分で別の医療保険へ入ってしまうかもしれません。
掛金を支払っていた親・扶養者は、タイミング見計らい子供と相談してみることが大切です。
共済保険はここに注目!
保険のドリル読者
では、共済保険へ申し込む前に注目すべき点は何かあるのでしょうか?
保険のドリル読者
共済は加入しやすい商品か?
個人賠償責任保険というオプション
特約は後から追加してもOKか?
の3つについて解説します。
共済は入りやすい?
医療に関する共済商品は、生命保険会社が販売する医療保険等の生命保険より、告知が緩く加入しやすいと言われています。
そのため、告知内容を十分読んでから申し込みするかどうか決めましょう。
例えば、生命保険会社の扱う医療保険等の場合は、【過去にがん(悪性新生物・上皮内新生物を問わず)の経験がありますか?】というような告知項目が良く見受けられます。
この質問に該当し【はい】と回答してしまうと、保険会社側から加入を拒否されてしまいます。
しかし、共済団体の販売する医療に関する商品の場合は、【過去〇年以内にがん(悪性新生物・上皮内新生物)の経験がありますか?】というような告知項目が見受けられます。
つまり、過去にがん(悪性新生物・上皮内新生物)を経験していても、それが【過去〇年】より前であり既に完治しているなら、この項目に【いいえ】で回答することができます。
一つでも【はい】で回答すれば加入は非常に難しくなります。
告知項目への回答は慎重に行う必要があるでしょう。
個人賠償責任保険とは?
共済商品では医療に関する共済へ加入する場合でも、【個人賠償責任保険】をオプションとして設定できるケースが多いです。
法律上の損害賠償責任を負った場合、最高3億円が受け取れる頼もしい備えとなっていて、月掛金は140円~200円と大変リーズナブルです。
加入者本人だけではなくその家族も適用範囲となります。
このようなオプションが共済商品の多くの場合に付加できるのは、やはり組合員の福利増進に寄与したい共済団体の配慮と言えます。
なぜなら、加入者本人・家族の不注意で他人に損害を与えた場合、その金銭賠償で家計が圧迫されることは、組合員の福利の減退につながるからです。
そのため、医療保障とは直接関係が無いものの、このような損害賠償責任をサポートする特約も付加することが可能なのです。
特約は契約後でも追加可能?
共済商品は20代・30代の場合、まだまだ給与が低く、月掛金1,000円程度のオーソドックスな保障で当面の備えとしたい方々は多いはずです。
そんな時、最初の内は無理せずに、掛金の負担は最も軽い条件で加入した方が保障も継続しやすいことでしょう。
とはいえ、歳を重ねていくと次第に体力面や健康面も衰えていきます。
中高年以降では、がん発症のリスクも高まってしまいます。
共済商品では、がん治療をはじめとした特約が加入後に追加できる商品が数多く販売されています。
加入者の事情の変化に応じ、保障の手厚くしたい部分のサポートを補強することが可能です。
その他、掛金へ回すお金の余裕も出てきて、基本設定の保障金額をもっと厚く設定し直したい場合もあるでしょう。
そんな時は、いったん解約して、新しく保障金額を設定し直し再び加入することも可能です。
共済商品の掛金は年齢上限まで一定であることが多いです。
そのため、保障金額を手厚くした分、月掛金が上乗せされる程度の変化しかありません。
共済保険を申し込んだ後について
保険のドリル読者
共済保険を申込んだ後の対応について、注意すべき点があれば教えてください。
生活習慣病を考える
介護保障はどうする?
感染症への対応
の3つについて解説します。
松葉 直隆
生活習慣病が怖いなら
前述してきましたが、がん(悪性新生物)・急性心筋梗塞(心疾患)・脳卒中(脳血管疾患)は【三大疾病】と呼ばれる深刻な病気です。
この3つの病気だけで日本人の死因の50.6%を占めます(出典:厚生労働省「平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況」結果の概要)。
いずれも喫煙や飲酒、食べ過ぎ、ストレス等の蓄積という生活習慣の乱れで発症すると言われています。
しかし、深刻な生活習慣病はそれだけにとどまりません。
その他に、糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性腎不全・慢性膵炎というような、放置すると重大な事態を招く病気も存在します。
共済商品は三大疾病まで手厚く保障されますが、それ以外の生活習慣病の場合、いまだ特約等で保障を強化することはできません。
そのため、三大疾病以外の生活習慣病にも手厚い備えを望むなら、生命保険会社が販売する生活習慣病の治療サポートに手厚い医療保険へ加入し直した方が無難です。
介護保障は将来重要に!?
病気やケガの他に将来、気を付けなければいけないのが【介護リスク】についてです。
日本人の平均寿命は大変延びており、女性は87.32歳、男性は81.25歳となっています。
しかし、高齢者の誰もが身体・歩行機能の衰えのないまま、健康的に年齢を重ねているわけではありません。
寿命は延びているものの、高齢者の中には介護が必要な方々も増加し、公的介護保険制度の利用者は次の通りとなっています。
下表をご覧ください(出典:厚生労働省「公的介護保険制度の現状と今後の役割 平成30年度」)。
介護保険利用者 | 2000年4月末 | 2018年4月末 | 増加率 |
65歳以上被保険者 | 2,165万人 | 3,492万人 | 1.6倍 |
要介護認定者 | 218万人 | 644万人 | 3.0倍 |
サービス利用者 | 149万人 | 474万人 | 3.2倍 |
しかし、公的介護保険制度だけで、介護サービスの費用が全額賄われるわけではありません。
介護を必要とする側も、所得に応じて費用負担(1割~3割)を余儀なくされます。
この費用負担分が、家計に重くのしかかる場合もあります。
共済商品でも前述した、こくみん共済では【介護保障特約】を付加することも可能です。
ご自分が高齢となった場合を想定し、このような保障も検討しておいた方が良いでしょう。
感染症は共済保険でも保障される?
世界的に感染症が蔓延するリスクもあるでしょう。
感染症にも、治療法の確立されているウイルスもあれば、治療法が確立されていない感染症もあります。
また、今後、新たな感染症が蔓延する事も考えられます。
その様な感染症で、残念ながら加入者が死亡・重度障害状態となった場合は、【死亡・重度障害】の共済金が受け取れます。
また、入院した場合は医療機関での入院、自宅・ホテルでの療養を問わず、入院保障が適用されます。
ただし、共済金を請求する場合は、必ず医師の【診断書】が必要です。
まとめ
今回は共済商品の中でも、医療保障の分野の商品を紹介しました。
各共済団体は、非営利組織であるため、掛け金が安い事が魅力の1つでもあります。
また保障内容に関しても、民間の医療保険と大きな差はありませんが、細かな特約の部分などに違いはあります。
また、保険期間にも大きな違いがあることもありますので、掛け金の安さだけに目を奪われるのでは無く、保険期間と保障内容をしっかりと理解した上で、ご自身に合っていると思えば加入するようにしましょう。