終身保険とは一生涯の死亡保障が得られる保険商品ですが、解約返戻率の高さなどから貯蓄目的として活用をされる事でも有名です。
その終身保険の中でも、日本円で運用する【低解約返戻金型終身保険】、外貨で運用する【外貨建て終身保険】、積極な投資で資産を運用する【変額終身保険】の3つは、解約返戻率が高くなる商品として有名です。
しかし、これらの3タイプの終身保険は、必ず申し込み前に確認しておかなければいけないリスクがあります。
そこで今回は、解約返戻率が高い終身保険3タイプの特徴と注意点の解説から、おすすめ商品の紹介までをしますので、自分に合った終身保険の活用の仕方を見つけてみましょう。
- 解約返戻率の高い終身保険の仕組みを解説!
- 3つのタイプ別の特徴と注意点の解説!
- 3つのタイプのおすすめ商品の紹介!
- 保険の新規加入や見直しを検討するなら、相談員の約97%が国家資格であるFPの資格を所持している「ほけんのぜんぶ」で無料で相談することをおすすめします。
\1分で完了/
目次
解約返戻率の高い終身保険とは?
保険のドリル読者
保険のドリル読者
松葉 直隆
終身保険は死亡保障だけにあらず!
終身保険は中途解約や被保険者が死亡しない限り、一生涯の死亡保障が約束された死亡保険です。
つまり、確実に受取人(遺族)へ保険金が下りる仕組みとなっていて、一度契約すれば保険料も上がることはありません。
また、払込期間までお金を払い込めば、あとは負担0円で保障が約束されます(短期払)。
また、一生涯保険料を払い込む終身払もありますが、こちらは終了期間が無い分、1回で支払う保険料負担は軽くなります。
そして終身保険は、死亡保障として頼りになるだけではなく、資産運用にも役立つ機能を有しています。
それが【解約返戻金制度】です。
この解約返戻金を利用することで、将来の貯蓄が大きく増えることも期待できます。
終身保険は資産運用にもなる?
前述した解約返戻金制度は、個人向け死亡保険ならば終身保険にしかありません。
一方、法人向け死亡保険では終身保険・定期保険いずれにも設定されています。
終身保険は保険満期が無いので、この解約返戻金を利用し、保険料返還に伴う利息の上乗せで利益をあげます。
ただし、契約後にいきなり解約しても保険料全額が戻るわけではありません。
保険会社は長期間をかけ、受け取った保険料を運用していくことになります。
保険会社から戻って来る金額の割合は【解約返戻率】と呼ばれています。
解約返戻率が100%丁度なら保険料全額分、100%超えなら利息が発生し、100%未満の場合は元本割れ(要するに損をした)を起こしたことになります。
解約返戻金で大きな利益を得るためには、解約のタイミングを慎重に判断する必要があります。
解約返戻率の高い3タイプを紹介!
終身保険では、払込期間の限定されている【短期払】の方が、一生涯払い続ける【終身払】よりも解約返戻率の高くなる傾向があります。
短期払は一定の期間(例:10年・20年)、一定の年齢(例:60歳・70歳)で保険料を払い終え、しばらく据え置くことで返戻率がUPしていきます。
そして、終身保険はどんな種類の商品も、解約返戻金で大きな利益を上げられるわけでは無く、次の3タイプの終身保険が一般的に返戻率の高い商品と言われています。
- 低解約返戻金型終身保険:払込期間が終了すると急激に返戻率の上昇する死亡保険。
- 外貨建て終身保険:外貨を契約通貨として運用する死亡保険。
- 変額終身保険:投資信託で積極的に運用し大きな利益を目指す死亡保険。
次章以降では、この3タイプの終身保険の特徴・注意点、そしておすすめ商品を解説していきます。
低解約返戻金型終身保険の仕組みと注意点!
保険のドリル読者 低解約返戻金というからには、契約期間の途中まで返戻率が低いのでしょうか?
保険のドリル読者
松葉 直隆
円建てなら低解約返戻金型終身保険!
終身保険のほとんどは日本円で運用する商品ですが、国内外の経済状態の影響をあまり受けず、堅実に資産運用できるという特徴があります。
その円建て終身保険の中でも、【解約返戻金型終身保険】は返戻率が高くなる商品として人気です。
本商品は死亡保障で加入する目的と言うより、最初から資産運用のため加入する利用者を想定して販売された商品です。
そのため貯蓄性が高く、老後の資金確保のため長期運用することで大きな利益が期待できます。
もちろん、受け取った解約返戻金は使途が自由なので、ご自分の生活費とすることはもちろん、その一部を子供(孫)の大学進学費用や学習費として利用したり、住宅ローンを一気に払い終えるため活用したりしても構いません。
低解約返戻金型終身保険の仕組み
事例を挙げて、保険料累計や解約返戻率の推移を説明し、低解約返戻金型終身保険の仕組みについて解説します。
(例)契約者25歳男性の場合
- 死亡保険金額:1,200万円
- 保険期間:終身
- 保険料払込期間:60歳まで
- 月払保険料:16,000円
経過年齢(年数) | 払込保険料累計 | 解約返戻金額 | 返戻率 |
30歳(5年) | 960,000円 | 643,200円 | 67.0% |
45歳(20年) | 3,840,000円 | 2,760,960円 | 71.9% |
55歳(30年) | 5,760,000円 | 4,273,920円 | 74.2% |
60歳(35年) | 6,720,000円 | 5,167,680円 | 76.9%(1) |
60歳(払込期間終了直後) | 6,720,000円 | 7,385,280円 | 109.9%(2) |
70歳(45年) | 6,720,000円 | 7,768,320円 | 115.6% |
80歳(55年) | 6,720,000円 | 8,124,480円 | 120.9% |
(1)保険料の払込期間が続いている間は、たとえ60歳であっても返戻率は76.9%に抑えられます。
(2)しかし、払込期間が経過後なら短期間でも返戻率は急上昇、表のように110%近くまでUPします。
この返戻率UPは、各生命保険会社が扱う低解約返戻金型商品、保険金設定額や保険料払込期間・払込回数で大きく変わってきます。
払い込む保険料負担を考慮しつつ、ご自分にとってより効率の良い方法で、資産運用を行いましょう。
低解約返戻金型終身保険の注意点!
低解約返戻金型終身保険に共通する特徴として、【保険料払込期間が終わるまで解約返戻率は低いまま】である点があげられます。
つまり、一生涯保険料を払い込む終身払では、返戻率の大幅UPは見込めないことになります。
そのため、低解約返戻金型終身保険の商品は、短期払が基本設定となっています。
この短期払は保険金額の設定にもよりますが、終身払よりも1回で支払保険料負担は重くなります。
契約者によってはその負担へ耐え切れず、不本意な時期に中途解約をしなければいけないリスクもあります。
この場合は、保険会社の担当者と相談し、保険金額を減額する等、負担軽減する対策を取った方が良いです。
保険料払込期間中に解約すれば、元本割れを起こすことから払い込んできた保険料が無駄になるので、負担が気になったら契約継続のためにいろいろと工夫してみることが大切です。
低解約返戻金型終身保険のおすすめ商品を紹介!
保険のドリル読者
保険のドリル読者
松葉 直隆
マニュライフ生命「こだわり終身保険V2」の特徴は?
マニュライフ生命の「こだわり終身保険V2」は、健康に気を遣う方々の保険料を軽減する【非喫煙者保険料率(ノンスモーカー料率)】が用意された低解約返戻金型終身保険です。
非喫煙者保険料率を利用すれば、より一層効率的な積み立てができるようになります。
「こだわり終身保険V2」の契約内容は次の通りです。
- 契約年齢:0歳~90歳
- 保険金額:200万円~7億円(10万円単位で設定可)
- 保険料払込期間:終身・年払済(年満了)・歳払済(歳満了)
- 保険料払込方法(回数):月払、半年払、年払
- 保険料払込方法(経路):振込・口座振替・クレジットカード払
「こだわり終身保険V2」の保険内容を紹介!
こちらでは、「こだわり終身保険V2」の保障内容と保険料払込期間について解説します。
保障内容
保険金額は7億円まで設定できます。
(1)死亡・高度障害保険金
被保険者の死亡や高度障害状態に備え、200万円~7億円(10万円単位)で設定可能です。
(2)特約
任意で主契約に付加できます。
- 特定疾病保険料払込免除特則:ガン・急性心筋梗塞・脳卒中(三大疾病)と医師から診断確定された場合等に該当すると、以後の保険料が免除。
- 無配当新災害割増特約:不慮の事故や感染症で180日以内に死亡・高度障害状態となれば保険金が割増。
- リビング・ニーズ特約:被保険者の余命が6か月以内と判断された場合、保険金の一部もしくは全部を受け取ることができる特約。
保険料払込期間
保険料は月払が3,000円~、半年払が17,000円~、年払が35,000円~設定可能です。
保険料払込期間とそれに応じた契約年齢範囲は次の通りです。
①特定疾病保険料払込免除特則なし
保険料払込期間 | 非喫煙者保険料率 | 標準保険料率 |
年払済(20年) | 20~70歳 | 0~70歳 |
年払済(30年) | 20~60歳 | 0~60歳 |
歳払済 (35・40・45・50・55・60・65・70歳満了) |
・20歳~ ・保満険了料時年払込 |
・0歳~ ・保満険了料時年払込 |
歳払済 (80・90歳満了) |
・20歳~ ・保満険了料時年払込 |
・0歳~ ・保満険了料時年払込 |
終身払 | 20~90歳 | 0~90歳 |
②特定疾病保険料払込免除特則あり
保険料払込期間 | 非喫煙者保険料率 | 標準保険料率 |
年払済(20年) | 20~50歳 | 16~50歳 |
年払済(30年) | 20~40歳 | 16~40歳 |
歳払済 (35・40・45・50・55・60・65・70歳満了) |
・20歳~ ・保満険了料時年払込 |
・16歳~ ・保満険了料時年払込 |
歳払済 (80・90歳満了) |
– | – |
終身払 | 20~70歳 | 16~70歳 |
解約返戻金額をシミュレーション!
こちらでは、非喫煙者保険料率・標準保険料率それぞれで契約した場合の、保険料累計額、解約返戻金額・返戻率の推移をシミュレーションしてみます。
(例)契約者30歳男性の場合
- 死亡・高度障害保険金額:1,000万円
- 保険料払込期間:60歳まで
- 特定疾病保険料払込免除特則:あり
①非喫煙者保険料率:月払保険料21,090円
経過年齢(年数) | 払込保険料累計額 | 解約返戻金額 | 解約返戻率 |
40歳(10年) | 2,530,800円 | 1,787,000円 | 70.6% |
50歳(20年) | 5,061,600円 | 3,709,000円 | 73.2% |
60歳(30年) | 7,592,400円 | 5,786,000円 | 76.2% |
70歳(40年) | 7,592,400円 | 8,809,000円 | 116.0% |
②標準保険料率:月払保険料料22,410円
経過年齢(年数) | 払込保険料累計額 | 解約返戻金額 | 解約返戻率 |
40歳(10年) | 2,689,200円 | 1,874,000円 | 69.6% |
50歳(20年) | 5,378,400円 | 3,866,000円 | 71.8% |
60歳(30年) | 8,067,600円 | 6,007,000円 | 74.4% |
70歳(40年) | 8,067,600円 | 9,075,000円 | 112.4% |
非喫煙者保険料率で契約したからと言って、標準保険料率の場合よりも劇的に返戻率がUPするわけではありません。
しかし、表を比較してもわかるように、非喫煙者保険料率で積み立てた方が確実にお得となります。
外貨建て終身保険の仕組みと注意点!
保険のドリル読者
保険のドリル読者
松葉 直隆
海外の通貨の方が頼もしい?
経済が比較的好調で安定している外国の通貨を利用し運用していくのが外貨建て終身保険の特徴です。
経済が低調な日本よりも、経済が好調な他国の通貨で運用する方が、支払う保険料も少なく受け取る解約返戻金も多くなると言われています。
確かに、契約通貨発行国の経済が好調なら、運用成績は上がり解約返戻率の大幅UPが期待できます。
一方、契約通貨発行国の経済が不調なら、運用成績は思うように上がらず、解約返戻率の大幅UPは期待できません。
また、契約通貨発行国の経済状態によって、元本割れ(損をした)の結果を招くおそれもあることに注意が必要です。
外貨建て終身保険の仕組み
事例を挙げて、円安・円高時の保険料累計や解約返戻率の推移を説明し、外貨建て終身保険の仕組みについて解説します。
(例)契約者30歳男性の場合
- 相場:1ドル=100円
- 月払保険料:20米ドル
- 死亡保険金額:100,000米ドル
- 保険料払込期間:60歳まで
(1)円安傾向が常に継続した場合(円換算金額)
項目/年齢(為替レート) | 31歳(100.0) | 40歳(104.5) | 55歳(112.0) |
保険料累計額 | 211,440円 | 2,161,974円 | 5,603,160円 |
解約返戻金額 | 19,000円 | 1,907,125円 | 6,199,200円 |
解約返戻率 | 9.0% | 88.2% | 110.6% |
死亡保険金額 | 10,000,000円 | 10,450,000円 | 11,200,000円 |
円安傾向で日本国内の経済が好調なら、保険料払込期間中に返戻率は110.6%を超えています。
更に、万一の死亡保険金額も増加し、死亡保障がより充実する状態となっています。
(2)円高傾向が常に継続した場合(円換算金額)
項目/年齢(為替レート) | 31歳(100.0) | 40歳(95.5) | 55歳(88.0) |
保険料累計額 | 211,440円 | 2,066,826円 | 4,968,840円 |
解約返戻金額 | 19,000円 | 1,742,875円 | 4,870,800円 |
解約返戻率 | 9.0% | 84.3% | 98.0% |
死亡保険金額 | 10,000,000円 | 9,550,000円 | 8,800,000円 |
円高傾向の場合は、なかなか資産運用に上手くいっていない状況となっています。
万一の死亡保険金額も減少し、死亡保障に不安を抱える状態となっています。
外貨建て終身保険の注意点!
外貨建て終身保険の場合、主に次のようなリスクを把握しておきましょう。
為替変動の影響大
外貨建て終身保険は契約通貨発行国が不景気ならば、運用成績は思うように良くなりません。
一方、契約通貨発行国で景気が良好なら返戻率UPは期待できますが、前述した表のように、解約返戻金を円へ替える場合、円安か円高かで大きな影響が出てしまいます。
この為替の変動に大きく影響される点へ注意しましょう。
また、為替は、国内・海外の好不況だけで変動するわけではありません。
海外で起きる戦争や政変、大規模テロ、感染症の大流行、大災害等の深刻な事態も為替変動の要因です。
将来に起こり得るこの様な事態は、誰にも予測できないことを留意するべきです。
両替でも手数料発生
両替の際は為替変動に気を使うべきですが、それと同時に手数料負担のある点も忘れてはいけません。
各保険会社では、およそ1ドルにつき50銭(0.5円)程度の手数料が発生します。
反対に、解約返戻金・保険金を受けとるなら、手数料は1銭~50銭と保険会社で幅があります。
1円にも満たない金額と油断するのは禁物で、受け取る解約返戻金額・保険金額が多いほど手数料も増大します。
外貨建て終身保険のおすすめ商品を紹介!
保険のドリル読者
保険のドリル読者
松葉 直隆
オリックス生命「米ドル建終身保険Candle[キャンドル]」の特徴は?
オリックス生命の「米ドル建終身保険Candle[キャンドル]」は、米ドル専用で運用を行う外貨建て終身保険です。
保険料の払い込みは日本円で払い込みを行います。
一方、解約払戻金(解約返戻金)・保険金の受け取りならば、日本円または米ドルどちらかで選択できます。
米ドルで受け取れば受取時の円高リスクが抑えられ為替変動の影響は受けません。
「米ドル建終身保険Candle[キャンドル]」の契約内容は次の通りです。
- 契約年齢:15歳~80歳
- 保険金額:3万米ドル~500万米ドルかつ5億円
- 保険料払込期間:年払済(年満了)・歳払済(歳満了)
- 保険料払込方法(回数):月払、半年払、年払
- 保険料払込方法(経路):口座振替・クレジットカード払
「米ドル建終身保険Candle[キャンドル]」の保険内容を紹介!
こちらでは、「米ドル建終身保険Candle[キャンドル]」の保障内容と保険料払込期間について解説します。
保障内容
保険金額は5億円まで設定できます。
(1)死亡・高度障害保険金
被保険者の死亡や高度障害状態に備え、3万米ドル~500万米ドルかつ5億円で設定可能です。
(2)特約
任意で主契約に付加できます。
- 介護前払特約:被保険者が65歳以上で、所定の要介護状態に該当した場合、一定額の保険金が受け取れる特約。
- 年金支払特約:保険金額の全部を毎年年金形式で受け取れる特約。
- リビング・ニーズ特約:被保険者の余命が6か月以内と判断された場合、指定保険金額から6ヶ月間の指定保険金に対応する利息を差し引いた金額が受け取れる特約。
保険料払込期間
保険料払込期間とそれに応じた契約年齢範囲は次の通りです。
(1)年払済(年満了)
保険料払込期間 | 契約年齢範囲 |
10年 | 15歳~80歳 |
15年 | 15歳~75歳 |
20年 | 15歳~70歳 |
(2)歳払済(歳満了)
保険料払込期間 | 契約年齢範囲 |
50歳 | 15歳~40歳 |
55歳 | 15歳~45歳 |
60歳 | 15歳~50歳 |
65歳 | 15歳~55歳 |
70歳 | 15歳~60歳 |
75歳 | 15歳~65歳 |
80歳 | 15歳~70歳 |
解約返戻金額をシミュレーション!
こちらでは、非喫煙者保険料率・標準保険料率それぞれで契約した場合の、保険料累計額、解約返戻金額・返戻率の推移をシミュレーションしてみます。
(例)契約者30歳男性の場合
- 基本保険金額:100,000米ドル
- 月払保険料:116.50米ドル
- 保険料払込期間:60歳まで
経過年齢(年数) | 払込保険料累計額 | 解約返戻金額 | 解約返戻率 |
40歳(10年) | 13.980.00米ドル | 10.487.00米ドル | 75.0% |
50歳(20年) | 27.960.00米ドル | 23.915.00米ドル | 85.5% |
60歳(30年) | 41.940.00米ドル | 41.238.00米ドル | 98.3% |
60歳(払込期間終了直後) | 41.940.00米ドル | 59.004.00米ドル | 140.6% |
70歳(40年) | 41.940.00米ドル | 70.486.00米ドル | 168.0% |
80歳(50年) | 41.940.00米ドル | 82.980.00米ドル | 196.0% |
60歳(払込期間終了直後)から解約返戻率は140%と高い割合となっています。
ただし、ドルから円へ両替して受け取る場合は、為替変動の影響によく注意しましょう。
変額終身保険の仕組みと注意点!
保険のドリル読者
保険のドリル読者
松葉 直隆
積極な投資で資産をUP!
変額終身保険は幅広い投資先を選び、保険会社(運用会社)の運用実績によって、解約返戻金および保険金の受取金額が増減する死亡保険です。
投資対象を自分で選ぶことはもちろん可能です。
投資先が好調で、運用成績が良ければ利益は増進し、不調だと減ります。
投資運用の状況によって受け取り金額に大きな差が出ます。
日ごろから運用成績を常に注視する必要があります。
投資対象は国内・国外の債券の他、株式へ分散投資し、リスクを抑える運用方法がとられます。
変額終身保険の仕組み
変額終身保険では独特の仕組みとして【特別勘定】があります。
この特別勘定は、生命保険会社がその運用実績を契約者の解約返戻金・保険金等へ反映することを目的に、他の勘定と分離し運用する勘定のことです。
特別勘定は国内・海外の株式・債権が対象となります。
なお、ご自分が海外の株式・債権を選んでも、保険料は外貨ではなく日本円で払い込みます。
契約時、次の特別勘定の1つまたは複数を選択することになります。
- 株式型:上場投資信託へ主体的に投資し、株式市場との連動性を確保、利益増進を目指す。
- 日本成長株式型:いつでも購入可能な投資信託へ投資し、投資信託財産の長期的な成長を目指す。
- 世界コア株式型:国内外の株式等へ投資、ベンチマークを上回る投資成果を目指す。
- 世界株式型:有力なブランド保有企業を重視し、世界各国の株式に分散投資する。
- 債券型:円貨建債券を中心に運用、中長期的に安定した利回りを重視。
- 世界債券型:経済環境が良好と判断される国に投資、運用成果の獲得を目指す。
- 総合型:円貨建債券を組み合わせ、安定した利息収入を確保、期待収益率が高いと判断される資産へ積極的に資産配分。
- 短期金融市場型:短期債券・短期金融商品中心に投資。
変額終身保険の注意点!
投資運用自体は保険会社(運用会社)が行いますが、どうしても国内・国外の経済情勢の影響で運用実績が悪化するリスクもあります。
変額終身保険は基本的に元本が保証されておらず、いわゆる【元本割れ】という事態になるおそれがあります。
例えば、2008年に発生した【リーマン・ショック】のような金融危機が起きた場合、保険会社が保有している株・債券の価格が暴落することになるでしょう。
このようなケースでは、ご自分の受け取る金額に大きな影響を及ぼすこととなります。
変額終身保険は、いわば【死亡保障が付いている投資信託】としてとらえる必要があり、他の保険商品より一段上のリスクに対する意識が求められています。
変額終身保険のおすすめ商品を紹介!
保険のドリル読者
保険のドリル読者
松葉 直隆
PGF生命「変額終身保険Neo」の特徴は?
PGF生命の「変額終身保険Neo」は国内外の株式・債券はもちろん、国内不動産投資信託証券、先進国不動産投資信託証券等も扱い、リスク分散による利益増進を図ります。
なお、特約は保険料払込免除はもとより、介護に関する保障も設定することができます。
「変額終身保険Neo」の契約内容は次の通りです。
- 契約年齢:0歳~75歳
- 保険金額:200万円~7億円(10万円単位で設定可)
- 保険料払込期間:終身払・年払済(年満了)・歳払済(歳満了)
- 保険料払込方法(回数):月払、半年払、年払
- 保険料払込方法(経路):口座振替・クレジットカード払
「変額終身保険Neo」の保険内容を紹介!
こちらでは、「変額終身保険Neo」の保障内容と保険料払込期間についてわかりやすく解説します。
保障内容
保険金額は7億円まで設定できます。
(1)死亡・高度障害保険金
被保険者の死亡や高度障害状態に備え、200万円~7億円(10万円単位)で設定可能です。
(2)特約
任意で主契約に付加できます。
- 保険料払込免除特約Ⅰ型:ガン・急性心筋梗塞・脳卒中(三大疾病)と医師から診断確定された場合等に該当すると、以後の保険料が免除。
- 災害死亡給付特約:不慮の事故等で180日以内に死亡・高度障害状態となれば、保険金等に加えて災害死亡(災害高度障害)保険金が受け取れる特約。
- 介護前払特約:被保険者が65歳以上で、所定の要介護状態に該当した場合、一定額の保険金が受け取れる特約。
- 介護年金移行特約:被保険者が40歳以上で、所定の要介護状態に該当した場合、介護年金が受け取れる特約。
- 年金支払特約:保険金額の全部を毎年年金形式で受け取れる特約。
- リビング・ニーズ特約:被保険者の余命が6か月以内と判断された場合、死亡保険金の全部または一部を被保険者が受け取れる特約。
保険料払込期間
保険料は月払が3,000円~、半年払が18,000円~、年払が36,000円~設定可能です。
保険料払込期間とそれに応じた契約年齢範囲は次の通りです。
(1)終身払・年払済(年満了)
保険料払込期間 | 契約年齢範囲 |
終身払・年払済(5年・10年・15年) | 0歳~75歳 |
年払済(20年) | 0歳~70歳 |
年払済(25年) | 0歳~65歳 |
年払済(30年) | 0歳~60歳 |
(2)歳払済(歳満了)
保険料払込期間 | 契約年齢範囲 |
55歳 | 0歳~45歳 |
60歳 | 0歳~50歳 |
65歳 | 0歳~55歳 |
70歳 | 0歳~60歳 |
75歳 | 0歳~65歳 |
80歳 | 0歳~70歳 |
85歳 | 0歳~75歳 |
解約返戻金額をシミュレーション!
こちらでは2008年に発生した「リーマン・ショック」を挟んだ事例を挙げて、保険料累計額、解約返戻金額・返戻率の推移をシミュレーションしてみます。
(例)契約者50歳女性の場合(2005年10月~2018年4月まで運用)
- 基本保険金額:1,000万円
- 月払保険料:75,630円
- 保険料払込期間:10年
経過年齢(年数) | 払込保険料累計額 | 解約返戻金額 | 解約返戻率 |
55歳(5年) | 4,537,800円 | 3,469,341円 | 76.4% |
2008年9月 | リーマンショック | ||
60歳(10年) | 9,075,600円 | 8,107,624円 | 89.3% |
65歳(15年) | 9,075,600円 | 10,547,295円 | 116.2% |
深刻なリーマン・ショックと呼ばれる金融危機が運用期間中に起こったものの、堅実な分散投資が功を奏し、契約者が65歳時の解約返戻率116.2%にUPしています。
まとめ
解約返戻率の高い終身保険には3つのタイプがあり、それぞれに特徴も注意点も異なっていることがわかって頂けたかと思います。
解約返戻率の高い終身保険には大きなメリットもありますが、無視できないリスクも存在しています。
返戻率の高さにだけ注目せず、そのリスクもしっかりと把握して、納得の上で申し込むかどうかを検討しましょう。