日本生命では、一般的な終身保険から終身年金保険まで、3つの終身保険が販売されています。
終身保険や終身年金保険への加入を検討している方は、リスクを避け堅実にコツコツ積み立てたいと考える方も多いのでは無いでしょうか?
そこで今回は、日本生命の終身保険と終身年金保険の3商品を取り上げ、特徴・メリット・デメリットを解説していきます。
どう言った活用が出来るのか、ユニークな仕組みの保険内容をしっかりと把握して、ご自分のニーズと合うかどうかを確認していきましょう。
- 日本生命の終身保険と終身年金保険の概要を紹介
- 日本生命の3つの終身保険の紹介
- 終身保険と一時払終身保険と終身年金保険を解説
- 保険の新規加入や見直しを検討するなら、相談員の約97%が国家資格であるFPの資格を所持している「ほけんのぜんぶ」で無料で相談することをおすすめします。
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目次
日本生命の終身保険と終身年金保険の概要を紹介
保険のドリル読者
なかなかユニークな商品が多いとか。
まずは終身保険・終身年金保険の基本的な特徴を知りたいです。
松葉 直隆
終身保険・終身年金保険は資産形成に役立つ!?
終身保険とは死亡保険の一種であり、被保険者が死亡または高度障害状態となったとき、受取人(死亡保険金は遺族・高度障害保険金は本人)へ保険金が支払われる保険です。
終身保険の死亡・高度障害状態への保障は一生涯続きます。
終身保険の場合、中途解約すれば解約返戻金が受け取れ、ご自分の将来または老後の資金確保にも利用できます。
一方、終身年金保険は、被保険者が生きている限り年金が支払われ続ける個人年金保険です。
長生きすればするほど、年金受取人は得をする機会が増えますが、年金支給前に亡くなった場合、死亡給付金が受取人(遺族)へ下ります。
いずれも、契約者(被保険者)の資産形成に役立つ保険商品と言えます。
基本的にどんな方々向き?
終身保険の場合は、解約しない限り確実に保険金が下りることとなります。
そのため、ご自分の死後に家族へまとまったお金を残したい方々に最適です。
また、終身保険で受け取れる死亡保険は、相続税対策にも役立ちます。こちらについては後述します。
終身年金保険の場合は、遺産を残したい家族がいないか、積み立てたお金をご自分の老後の資金確保に利用したい方々向けの商品です。
もちろん、既に死亡保険へ入っていて、ご自分または自分と配偶者が老後にゆとりある生活資金を賄うため加入する方々も多いです。
終身保険・終身年金保険どれか一つに加入するのではなく、余裕資金があるなら併用しつつ、万一の備え・資産運用双方を進めることも有益な方法です。
終身保険・終身年金保険3商品の概要
ご自分が堅実に資産運用をしたい場合、日本生命で用意されている終身保険・終身年金保険は3商品です。
いずれも円建て定額タイプの商品であり、一度契約してしまえば終身保険ならば将来の解約返戻率が、終身年金保険なら将来の受取率が事前に把握できます。
もちろん、国内・海外の経済市場が混乱しても、保険会社が倒産しない限り契約締結時の内容通りに保障が受けられます。
「ニッセイ みらいのカタチ 終身保険」
「ニッセイ みらいのカタチ」の14種類ある保障の1つであり、シンプルな一生涯保障です。
他の種類の保険ともカスタマイズできます。
「ニッセイ 一時払終身保険マイステージ」
保険料を一気に払い込むタイプの終身保険です。
かなりの金額をまとめて支払うことになりますが、返戻率はその分高くなります。
「GranAge(グランエイジ)」
長寿生存保険(とんちん年金)と呼ばれるユニークな終身年金保険です。
長生きすればするほど受取率は高くなり、受取率は150%近くに達する場合もあります。
日本生命の終身保険の特徴
保険のドリル読者
家族にも保険金と言う形でお金を残したいし。
そこで、終身保険の活用法について詳しく教えて欲しいです。
松葉 直隆
定期保険と終身保険の違い
日本生命では定期保険・終身保険の双方が販売されています。
定期保険は一定の期間の死亡保障が約束された商品であり、期間が限定されているので保険料は安く設定されています。
ただし、中途解約しても前述した解約返戻金の戻らない場合が多く、大概は【掛け捨て型】の商品として扱われています。
一方、終身保険は一生涯の死亡保障が約束された商品であり、急にお金が必要になった場合でも契約を解約すれば解約返戻金が受け取れます。
とはいえ、確実に保険金が受け取れる商品である以上、保険料は定期保険よりもはるかに高額となります。
また、一時払型の終身保険の場合は、一度に数百万円以上の保険料を払い込むこととなるので、家計の状況を十分把握した上で申し込みを決めましょう。
一生涯の死亡保障だけではない!?
既に述べた通り、終身保険には解約返戻金が用意されていますので、まとまったお金が必要となった時や老後の資金として活用できる仕組みとなっています。
ただし、解約返戻金は戻される金額が一定ではありません。
払い込んだ保険料、支払回数、契約年数、短期払か終身払かで戻るお金の額はかなり異なります。
保険契約をして短期間で解約してしまうと、解約返戻金が全くもどらないか、わずかな金額しか返還されないので注意が必要です。
資産運用でまとまったお金を受け取りたい方々は、解約のタイミングを慎重に見極める必要があります。
この解約のタイミングは、円建て・定額終身保険の場合、契約時に受け取った契約のしおり等へ記載されている、解約返戻率の【推移表】を参考にして決定しましょう。
解約のタイミングさえ良ければ、払い込んだ保険料を上回る解約返戻金が受け取れる場合もあります。
例えば、解約返戻率110%ならば10%分の利息が付くので、その分が契約者側の利益となります。
一方、解約返戻率90%ならば、この状態で解約すると払い込んだ保険料より10%分だけ損をしたことになります。
これがいわゆる【元本割れ】という状態です。
相続税対策に役立つ?
終身保険は解約返戻金の機能に加え、【相続税対策】にも有効な商品です。
相続税は、被相続人(亡くなった方)の相続財産を受け継いだ相続人に課される税金です。
被相続人に課税されることはありません。
しかし、遺産総額が大きいと相続人へ申告・納税する義務も発生します。
なぜ終身保険が役立つのか?
そもそも相続財産とは、不動産資産(土地・建物)、金融資産(貯金・現金等)があります。
これらを相続人が普通に相続をすると『相続税の基礎控除』がまず適用されます。
基礎控除の金額は【3,000万円+(法定相続人の数×600万円)】で計算されます。
この計算式で算出された金額以内に収まるなら、税務署の申告も納税も不要です。
問題は基礎控除の金額を超えてしまう場合です。
もしも、ご自分の資産が基礎控除の金額を超えると感じたら、事前に節税対策をとった方が遺族の税負担は軽減されます。
生命保険金等の非課税枠とは?
生命保険(死亡保険等)に加入し、ご自分の亡くなった際に保険金が受取人(遺族)へ下ります。
その保険金額には『生命保険金等の非課税枠』が適用されます。
この非課税枠の計算式は【500万円×法定相続人の数】となります。
たとえ保険金を受け取っても相続税の基礎控除で計算する前に、この非課税枠で受け取った保険金額を差し引けるのです。
つまり、ご自分の有する金融資産から保険料を払い込めば、金融資産を順調に減らし相続税のリスクが軽減でき、遺族が保険金を受け取った際は非課税枠も利用できるのです。
「ニッセイ みらいのカタチ 終身保険」を解説
保険のドリル読者 そこで「ニッセイ みらいのカタチ」の終身保険の特徴を教えて下さい。
松葉 直隆
「ニッセイ みらいのカタチ 終身保険」とは?
「ニッセイみらいのカタチ」とは、各保障を単品として提供する方式がとられ、保険利用者が必要な保険を選んで自由自在に組み合わせることのできる商品です。
当然、終身保険一つだけで契約することもできます。
加入時に14種類ある保険を選べる他、加入後も保険の見直しまたは追加が可能です。
他の生命保険会社ではあまり採られていないユニークな仕組みとなっています。
そのため、保険利用者のライフステージの変化、ニーズの変化へ合わせて柔軟に保障をカスタマイズできます。
「ニッセイみらいのカタチ」の契約内容は次の通りです。
- 保険料払込期間:全期払・短期払
- 保険料払込回数:月払、年払
- 保険料決済方法:口座振替・クレジットカード
「ニッセイ みらいのカタチ 終身保険」の特徴
「ニッセイ みらいのカタチ 終身保険」は、契約年齢が3歳~80歳までで、一生涯保障される商品です。
経過した年月数に応じ解約払戻金(解約返戻金)も増えるので資産形成としても役立ちます。
また、死亡保障の全部または一部を年金としての受取る事も選べます。
保障内容
柔軟に保険金が受け取れます。
(1)死亡保険金
被保険者が死亡した際にまとまった一時金が受け取れます。
その保険金の全部または一部を年金へ変更可能です。
(2)保険料払込免除特約
被保険者が所定の3大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)になった場合、保険料の払込みが免除されます。
(3)リビング・ニーズ特約(自動付加)
被保険者が余命6カ月以内と医師から判断されたとき、死亡保険金の全部または一部を受取ることができる特約です。
保険料例
一度契約すれば、保険料は変わりません。
(例)払込満了60歳
- 契約者:30歳
- 保険金額:1,000万円
月払保険料 | 金額 |
男性 | 30,090円 |
女性 | 29,630円 |
「ニッセイ みらいのカタチ 終身保険」の活用法と注意点
「ニッセイ みらいのカタチ 終身保険」は、ご自分が30歳で契約し、払込満了60歳になるまでコツコツ月払保険料を払った場合、60歳で解約しても解約払戻金(解約返戻金)率は90%程度となり元本割れを起こしてしまいます。
ご自分の将来や老後の資産運用のために加入する場合、保険料払込回数を年払とすれば、1回分の支払い保険料は高くなりますが、保険料総額は抑えられ解約払戻金(解約返戻金)率がUPします。
また、ご自分が70歳や80歳まで据え置けば、解約払戻金(解約返戻金)率も高くなっていきます。
保険料の払込期間を終了後、いきなり解約したとしても、十分な利息は付かないので注意しましょう。
そのため、ご自分が納得する返戻率になるまでは解約をせずに、その間にご自分が亡くなったら、死亡保険金として遺族が受け取り、納得できる返戻率となるまでご自分が生きていたら解約払戻金(解約返戻金)を受け取り、老後の資金へ充てるという活用法も考えられます。
「ニッセイ みらいのカタチ 終身保険」は、円建て・定額タイプの商品なので、景気の好況・不況で返戻率は変わりませんので、このような見通しがつきやすい点は魅力と言えます。
「ニッセイ 一時払終身保険マイステージ」を解説
保険のドリル読者 そこで「ニッセイ 一時払終身保険マイステージ」について教えて欲しいです。
松葉 直隆
「ニッセイ 一時払終身保険マイステージ」とは?
「ニッセイ 一時払終身保険マイステージ」は、1回の保険料払込で一生涯の死亡保障を備えながら資産形成ができる保険商品です。
契約年齢は3歳~90歳までと非常に幅広く設定されています。
例えば、かなりご自分が高齢になってから、相続人達へ相続税の課税されるリスクがわかっても、この一時払終身保険マイステージへ加入することで、ゆとりをもって相続税対策を進めることができます。
もちろん、 一時払で保険料の払い込みを終えるので、据え置けば早い段階で返戻率はUPしていきます。
そのため、ご自分が老後の資金として活用したい場合は、若いうちに加入しておくのも良い方法です。
据え置くほど多額の解約返戻金を受け取ることになります。
なお「一時払終身保険マイステージ」にも、リビング・ニーズ特約が自動付加されています。
「ニッセイ 一時払終身保険マイステージ」の特徴
こちらでは事例をあげて「一時払終身保険マイステージ」の解約払戻金(解約返戻金)・返戻率をみてみましょう。
(例)契約時50歳男性の場合
- 保険金額:1,220万円
- 一時払保険料:995万円
経過年数(年齢) | 一時払保険料 | 解約払戻金 | 返戻率 |
1年(51歳) | 995万円 | 977万円 | 98.1% |
2年(52歳) | 995万円 | 983万円 | 98.8% |
3年(53歳) | 995万円 | 990万円 | 99.4% |
4年(54歳) | 995万円 | 996万円 | 100.1%※1 |
5年(55歳) | 995万円 | 1,002万円 | 100.7% |
6年(56歳) | 995万円 | 1,006万円 | 101.3% |
7年(57歳) | 995万円 | 1,015万円 | 102.0% |
8年(58歳) | 995万円 | 1,021万円 | 102.6% |
9年(59歳) | 995万円 | 1,028万円 | 103.2% |
10年(60歳) | 995万円 | 1,034万円 | 103.9% |
11年(61歳) | 995万円 | 1,040万円 | 104.5% |
12年(62歳) | 995万円 | 1,047万円 | 105.2% |
13年(63歳) | 995万円 | 1,053万円 | 105.8% |
14年(64歳) | 995万円 | 1,059万円 | 106.4% |
15年(65歳) | 995万円 | 1,066万円 | 107.1%※2 |
一時払終身保険とは言っても、保険料を一気に払い込んだすぐ後から返戻率が100%を超えるわけではなく、事例でみれば契約から4年後の54歳時(※1)からとなります。
契約者が退職する65歳までには107.1%(※2)に達しています。
当然、70歳・80歳と据置期間が長くなれば、その分返戻率は上がります。
「ニッセイ 一時払終身保険マイステージ」の活用法と注意点
「ニッセイ 一時払終身保険マイステージ」は、相続税対策として非常に有効です。
割と高齢になってから財産調査を行い、ご自分の保有資産額・相続人の数でどうやら相続税が発生しそうだとわかっても、大きな金額を一気に保険料として払い込めるので、節税のために大慌てする必要もありません。
ただし、前述した【生命保険金等の非課税枠】で非課税になる金額を算定する場合には注意すべき点があります。
事例をあげて非課税金額を算定!
次の事例をみてみましょう。
(例)保険金額:2,000万円
相続人が妻・子A・子Bの計3人いて、次のように死亡保険金を受け取りました。
- 妻→1,200万円
- 子A→400万円
- 子B→400万円
生命保険金等の非課税枠はこの事例の場合、
500万円×3人=1,500万円
となります。
非課税枠は相続人全員で分け合う
非課税枠は1,500万円分なるので、今度は妻・子A・子Bが受け取った死亡保険金の金額で按分し、それぞれの非課税になる金額を決定します。
- 妻→900万円(1,500万円×1,200万円/2,000万円)
- 子A→300万円(1,500万円×400万円/2,000万円)
- 子B→300万円(1,500万円×400万円/2,000万円)
受け取った保険金額から非課税金額を差し引き、次の金額を遺産総額へ加えます。
- 妻→300万円(1,200万円-900万円)
- 子A→100万円(400万円-300万円)
- 子B→100万円(400万円-300万円)
上記の黄色線の金額が、それぞれの相続税の課税金額になります。
なお、遺産総額が相続税基礎控除の金額の範囲内なら、相続税の申告も納税も不要です。
日本生命の終身年金保険の特徴
保険のドリル読者
私としては、自分の老後の資金は終身保険と別に備えたいです。
松葉 直隆
長生きに関するリスクとは!?
日本人の平均寿命は女性87.32歳、男性が81.25歳で、いずれも過去最長となっています(出典:厚生労働省「平成30年簡易生命表の概況」参照)。
この長寿化は医療技術の進歩や、介護環境等の充実で更に進展することでしょう。
では、老後の生活費等を賄う公的年金はどれ位もらえるでしょうか?
自営業者等の国民年金に加入している方々は、原則65歳に達すれば【老齢基礎年金】が給付されます。
20歳から60歳になるまでの40年間で全期間保険料を納めた場合、年間781,700円(令和2年4月分~)が受け取れます。
一方、会社員等の厚生年金は毎月の給与や勤続年数等で、大きな受取金額に違いが出ます。
概ね【老齢厚生年金+老齢基礎年金】で年間約174万円が受け取れると言われています。
国民年金・厚生年金とも終身年金で、被保険者の生存する限り年金が受け取れます。
とはいえ、受け取れる年金額で、はたして生活費が十分賄えるのか不安に思われることでしょう。
厳しい高齢世帯の現状
総務省では、60歳以上の無職高齢世帯の家計収支に関する統計を公表しています。
残念ながら、資金不足が顕著になっているデータを読み取ることができます(出典:総務省「家計調査報告 家計収支編 2019年(令和元年)平均結果の概要」)。
60歳以上の高齢夫婦世帯の場合
総務省の家計調査報告によれば、60歳以上の高齢夫婦世帯の場合、毎月の非消費支出が平均で30,982円になります。
なお、非消費支出とは税金・健康保険料等が該当します。
毎月の食費や水道光熱費や保健医療費、娯楽費等の消費支出が平均で239,947円となっています。
【非消費支出+消費支出】で合計270,929円となります。
一方、高齢夫婦世帯の毎月の実収入は、社会保障給付(年金)等の収入で平均237,659円です。
毎月33,269円の赤字となり、実に年間では399,228円も不足します。
高齢単身世帯の場合
60歳以上の高齢単身世帯では、毎月の非消費支出が平均で12,061円に上り、消費支出は平均で139,739円となっています。
【非消費支出+消費支出】で合計151,800円となります。
一方、高齢単身世帯の毎月の実収入は、社会保障給付・その他の収入を合わせて平均124,710円となっています。
毎月27,090円の赤字となり、実に年間では325,080円も不足します。
自分の老後は自分で備える!
現在、わが国では元気な高齢者がたくさんいて、公的年金ばかりに頼らず、生活費等の不足分はパートで賄うことを検討している方々も多いはずです。
しかし、後期高齢者(75歳)以降になれば、生活費等の不足分をパートで賄うことは、体力的にも健康面でもかなり困難となるでしょう。
この場合、公的年金だけでは生活資金不足となるのが明らかで、貯金等も無くなると、いよいよ生活は厳しくなります。
もちろん終身保険に加入してれば、解約して返戻金を得る等の対応も可能です。
また、同居家族がいるなら子から援助してもらえたり、親戚から援助してもらえたりすることがあるかもしれません。
しかし、誰しもが同居家族や親戚に頼れるとは限りません。
公的年金収入だけでは不足が明白な以上、個人年金保険で事前の備えを行うことが必要となるでしょう。
長寿生存保険(とんちん年金)とは?
日本の長寿社会、ご自分に家族がいない、または、わずかという日本人の生活スタイルの変化に対応し、日本生命では新たな個人年金保険が販売されています。
この保険商品は「長寿生存保険(とんちん年金)」と呼ばれています。
長寿生存保険(とんちん年金)は、長生きすればするほど得をする個人年金として注目され始めています。
この個人年金保険は、日本人の長寿化に対応し被保険者が生存している間、高い年金受取率(返戻率)となります。
とんちん年金は円建ての個人年金保険であっても、長生きをすれば返戻率150%近くに達する場合もある等、契約者に魅力的な商品と言えます。
その分、保険期間中に被保険者が死亡した場合の給付金は、遺族へわずかな金額しか受け取れない仕組みとなっています。
つまり、長寿生存保険(とんちん年金)は、被保険者の生存中の年金給付の充実を図る点が最大の特徴です。
長寿生存保険(とんちん年金)を活用すれば、たとえ契約者(被保険者)の身寄りがなくなったとしても、豊かな老後を送ることに役立つはずです。
「GranAge(グランエイジ)」を解説
保険のドリル読者
私は健康に自信があるので加入を検討したい商品です。
そこで「GranAge(グランエイジ)」の特徴を教えて下さい。
松葉 直隆
「GranAge(グランエイジ)」とは?
「GranAge(グランエイジ)」は、日本人の長寿化を反映し、生活保障を重視した年金保険となっています。
契約者(被保険者)が100歳になると、受取率150%近くになることも期待できます。
長生きすれば非常に高い受取率となりますが、その一方、個人年金保険で概ね付帯されている死亡保障はありません(ただし、保証期間除く)。
「GranAge(グランエイジ)」で、大きな利益を上げたいときなら、まずは【長生きすることが大前提】となります。
「GranAge(グランエイジ)」の契約内容は次の通りです。
- 契約時年金種類:確定年金(10年)、5年保証期間付終身年金
- 契約年齢:50歳~87歳まで
- 払込回数:月払、年払
- 払込方法:口座振替・クレジットカード払
「GranAge(グランエイジ)」の特徴
こちらでは事例をあげて、男性と女性の受取年金総額・受取率をみてみましょう。
(例)契約時50歳の場合
- 設定年金額:60万円
- 年金の種類:5年保証期間付終身年金
- 払込満了・年金開始年齢:70歳
- 払込回数:月払
①男性の場合
- 月払保険料:50,790円
-
払込保険料累計額:約1,218万円
年金受取年数(年齢) | 受取年金額 | 受取率 |
5年(75歳) | 300万円 | 24.6% |
10年(80歳) | 600万円 | 49.2% |
15年(85歳) | 900万円 | 73.8% |
20年(90歳) | 1,200万円 | 98.4% |
25年(95歳) | 1,500万円 | 123.0% |
30年(100歳) | 1,800万円 | 147.7% |
②女性の場合
- 月払保険料:62,526円
-
払込保険料累計額:約1,500万円
年金受取年数(年齢) | 受取年金額 | 受取率 |
5年(75歳) | 300万円 | 19.9% |
10年(80歳) | 600万円 | 39.9% |
15年(85歳) | 900万円 | 59.9% |
20年(90歳) | 1,200万円 | 79.9% |
25年(95歳) | 1,500万円 | 99.9% |
30年(100歳) | 1,800万円 | 119.9% |
「GranAge(グランエイジ)」の活用法と注意点
「GranAge(グランエイジ)」の契約年齢は50歳からなので、若い時に個人年金保険へ加入する機会の無かった方々も、余裕を持って加入できる商品です。
65歳の退職を見越して、50歳から余裕資金を年払で保険料を払い込んでいけば、受取率も月払の場合よりUPします。
しかし注意すべきなのは、男性と女性とでは支払う保険料が大幅に異なる点です。
女性の場合、高額な保険料が影響し、男性より受取率は低い状態となっています。
これは、男女差別というわけではなく、次のような理由があるものと考えられます。
全国で100歳以上の高齢者は7万1,238人です(令和元年9月15日現在)。実はそのうち女性が6万2,775人と、男性8,463人を大きく上回っているのです(出典:厚生労働省「百歳の高齢者へのお祝い状及び記念品の贈呈について」参照)。
高齢となって男性より女性の生存割合が圧倒的に多い事実も、この男女差に影響していると考えられます。
そのため「GranAge(グランエイジ)」では、女性の保険料が高くなっているものと推察されます。
まとめ
日本生命が販売する3つの終身保険に関して、保障内容や注意点だけでは無く、保険料例なども併せて紹介をしました。
終身保険と言えば、基本的には被保険者の死亡を保障する保険商品と言えますが、今回は死亡保険だけでは無く終身年金保険も紹介しました。
それぞれに特徴のある商品でしたが、自分のニーズをしっかりと把握した上で、どう言った保険商品に加入すれば良いのかをしっかりと考えるようにしましょう。
保険選びで解らないことがあれば、専門家のアドバイスを受けるのも1つの手と言えるでしょう。