終身保険とは確実に保険金額受け取れる頼もしい死亡保険ですが、死亡保障だけではなく『生きている間に、何か活用できないか』と考えている方も居るのではないでしょうか?
そこで、終身保険の中でも【老後資金のリスク】【介護のリスク】【三大疾病のリスク】に備えられる人気の3商品を比較してみます。
終身保険は死亡保障だけではなく、様々なリスクに備えることが出来る保険商品ですので、それぞれの特徴をしっかりと理解して、上手く終身保険を活用してみましょう。
- 終身保険の活用法の紹介
- 人気3商品の内容を紹介
- それぞれの商品の特徴の解説
- 保険の新規加入や見直しを検討するなら、相談員の約97%が国家資格であるFPの資格を所持している「ほけんのぜんぶ」で無料で相談することをおすすめします。
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目次
終身保険の活用は死亡保障だけではない!?
保険のドリル読者
保険のドリル読者
松葉 直隆
終身保険は一生涯保障!
終身保険は一度契約すれば中途解約しない限り、一生涯保障が約束された死亡保険です。
保険金が確実に下りるので、保障期間が切れて、いざというとき保険金の下りる機会を逸するという事態は避けられます。
終身保険は保険の満期がないため利用者から人気が高く、各生命保険会社から盛んに販売されている商品です。
そのため、各社は死亡保障に加えて、ユニークなサービスを付帯して差別化を図っています。
死亡保障だけではなく、ご自分の心配なリスクに備えて商品選びをすることもできます。
終身保険は受取人(遺族)を安心させる商品としてでなく、契約者(被保険者)本人に役立つ保障を備えた商品でもあるのです。
終身保険は『死亡保障+α』?
終身保険では確実に受け取れる死亡保障の他、次の機能を備えた商品があります。
解約返戻金制度の設定
解約返戻金とは、保険を中途解約したら返還されるお金です。
解約返戻金はどんな終身保険にも設定されています。
ただし、契約後にすぐ解約しても、払い込んだ保険料全額が戻るわけではありません。
生命保険会社は払い込まれた保険料を長期間運用していきます。
解約返戻金が受け取れる割合は【解約返戻率】と呼ばれ、返戻率が100%を超えたなら、その超えた分は契約者側の利益となります。
一方、返戻率が100%未満なら払い込んだ保険料よりも戻るお金が少ないことを意味します。
解約返戻率を早くUPさせるには、保険料払込期間が終身払より、短期払(歳払済・年払済)の方が効率的に運用できます。
短期払で保険料を払い終えると、後は負担0円で死亡保障が受けられる他、積み立てたお金の運用は継続されます。
そのため、返戻率は据え置くほど上昇していきます。
個人年金として受け取れる
終身保険の解約返戻金や保険金は、一括で受け取るだけではなく、年金と言う形で毎年一定額を受け取ることも可能です。
この場合、【年金支払特約】というオプションを付加することになりますが、特約保険料はかかりません。
年金形式で受け取りたい人は、是非検討してみましょう。
様々なリスクに対応できる備えが設定されている
被保険者が亡くなるまで、ずっと大病を患うことなく、また身体の機能が低下しないままの状態でいられる保証はどこにもありません。
これらのリスクが心配される事態となったら、出来れば終身保険で保障されると大いに安心できます。
次項では、この様々なリスクに対応した終身保険を比較してみます。
様々なリスクに対応した終身保険を比較!
【老後の資金リスク】【介護リスク】【三大疾病リスク】と言う、3つのリスクに備えられる商品をそれぞれ比較していきましょう。
比較 | こだわり終身保険V2 | 長生き支援終身 | 特定疾病前払式 終身保険 |
保険会社 | マニュライフ生命 | 東京海上日動あんしん生命 | SOMPOひまわり生命 |
特徴 | 解約返戻率が高い | 介護保障が充実 | 三大疾病に手厚い |
契約年齢 | 0歳~90歳 | 15歳~69歳 | 15歳~70歳 |
解約返戻率 | 約112~116% | 約102~110% | 約58~59%(終身払) |
保険金設定上限 | 7億円 | 5,000万円まで | 2,000万円まで |
解約返戻率の高さが特徴の「こだわり終身保険V2」は、運用期間の長さに配慮してか0歳から加入可能です。
「こだわり終身保険V2」の場合は、親が子を契約者(被保険者)として加入させ、親が保険料を払い込み、保険料払込期間中は死亡保障として、払込期間が終了し子供が老齢になったときに解約して、老後の資金とする方法も考えられます。
一方、「長生き支援終身」は介護保険金が死亡・高度障害保険金と同額を受けれますが、3商品の中で契約年齢の範囲は最も狭いです。
また「特定疾病前払式 終身保険」は、三大疾病になった場合に基準保険金額の最高50%分を一気に受け取れる商品ですが、保険金額の設定は3商品の中で最も低くなっています。
そのため、三大疾病になった場合は、最高1,000万円まで受け取れる商品ということになります。
老後資金の準備として活用できる終身保険
保険のドリル読者
そこで、老後資金の備えとして終身保険の活用も考えています。
頭の痛い老後資金について
低解約返戻金型終身保険
の2つについて解説します。
松葉 直隆
老後の生活の頼りになる終身保険とは?
老後は夫婦水入らずで旅行を楽しんだり、趣味に没頭したりして豊かな老後を送りたい方々は多いはずです。
もちろん、高齢になっても健康は大切ですが、やはり老後の潤沢な貯蓄も重要です。
頭の痛い老後の暮らし
しかし、心配されるデータが総務省の調査で報告されています。
総務省によれば、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上・妻60歳以上のみの世帯)の場合、年金等の毎月の実収入平均は222,834円ですが、毎月の総消費支出は平均264,707円となっています。
つまり、毎月の赤字額は41,872円、年間では502,464円の赤字となってしまいます。
一方、高齢単身無職世帯(60歳以上のみの世帯)は、年金等の毎月の実収入平均123,325円ですが、毎月の総消費支出は平均161,995円となっています。
つまり、毎月の赤字額は38,670円、年間では464,040円の赤字となってしまいます。
要するに高齢単身無職世帯では赤字となる可能性が高く、年金の他、潤沢な預金等を準備しておかなければいけないことになります(出典:総務省「家計調査報告(家計収支編)2018年(平成30年)平均結果の概要」)参照)。
低解約返戻金型終身保険の活用を!
死亡保障に備えつつ、将来の貯蓄へも備えたいならば【低解約返戻金型終身保険】に加入を検討してみましょう。
低解約返戻金型終身保険とは、保険料払込期間が終了すると急激に返戻率の上昇する死亡保険です。
ただし、保険料払込期間を短期払にしないと、十分な解約返戻率UPは見込めません。
1回で支払う保険料負担は重くなりますが、将来の資金確保のため、早めの資産運用がおすすめです。
低解約返戻金型終身保険の仕組み
低解約返戻金型終身保険は、名前の通り保険料払込期間中は低い解約返戻金しか戻りません。
そのため、一生保険料を払い込む【終身払】の運用では、いつまで経っても解約返戻率大幅UPが見込めません。
短期払の【歳払済(例:60歳・65歳等で設定)】や【年払済(例:10年・20年等で設定)】で契約し、払込終了後も据え置いて運用していくことが大切です。
なお、短期払で契約しても保険料払込期間中に解約すると、解約返戻金は払い込んだ保険料の7割程度に抑えられます。
余程の緊急事態でお金を必要としない限り、安易な保険料払込期間中の解約は避けましょう。
低解約返戻金型終身保険はここに注意!
低解約返戻金型終身保険は、保険料払込回数を少なくするのも返戻率UPのコツと言えます。
月払よりは年2回支払う【半年払】、年1回支払う【年払】がより返戻率UPに有利です。
また、設定されている商品は限られますが、保険会社に保険料全額分を預ける【全期前納】、保険会社へ保険料全額分を1回で払い終える【一時払】は更に有効です。
保険料払込回数が少ないほど1回ごとの支払い金額は大きくなりますが、その分、払い込む保険料総額はかなり軽減されます。
とはいえ、特に全期前納や一時払で支払うと、数百万円に上る多額のお金が動くこととなります。
一気にお金を払い終えるのは有利ですが、家計に大きな影響が出ないか、よく検討してから保険料払込回数を決めましょう。
マニュライフ生命「こだわり終身保険V2」
保険のドリル読者
保険のドリル読者
松葉 直隆
「こだわり終身保険V2」の特徴
マニュライフ生命の「こだわり終身保険V2」は、解約返戻金額(解約返戻率)の高さに特化した低解約返戻金型終身保険です。
また、健康に気を付ける方々が得する仕組みとなっており、非喫煙者が対象の【非喫煙者保険料率(ノンスモーカー料率)】が用意されています。
この非喫煙者保険料率で運用すれば、いっそう効率的な返戻率UPが期待できます。
「こだわり終身保険V2」の契約内容は次の通りです。
- 契約年齢:0歳~90歳
- 保険金額:200万円~7億円(10万円単位で設定可)
- 保険料払込期間:終身・年払済(年満了)・歳払済(歳満了)
- 保険料払込方法(回数):月払、半年払、年払
- 保険料払込方法(経路):振込・口座振替・クレジットカード払
「こだわり終身保険V2」の保険内容を紹介!
「こだわり終身保険V2」の保障内容と保険料払込期間をみてみましょう。
こだわり終身保険V2の保障内容
主契約と特約は次の通りです。
- 死亡・高度障害保険金:被保険者の死亡・高度障害状態に備え、200万円~7億円(10万円単位)で設定可能。
- 特定疾病保険料払込免除特則:悪性新生物・急性心筋梗塞・脳卒中(三大疾病)と医師から診断確定されたなら、以後の保険料が免除。
- 無配当新災害割増特約:不慮の事故や感染症で180日以内に死亡・高度障害状態で保険金割増。
- リビング・ニーズ特約:余命6か月以内と医師から判断された場合、保険金の一部もしくは全部が下りる。
保険料と払込期間
保険料は次の金額から設定可能です。
- 月払:3,000円~
- 半年払:17,000円~
- 年払:35,000円~
保険料払込期間とそれに応じた契約年齢範囲は次の通りです。
①特定疾病保険料払込免除特則が無い場合
保険料払込期間 | 非喫煙者 | 標準 |
終身払 | 20~90歳 | 0~90歳 |
年払済(20年) | 20~70歳 | 0~70歳 |
年払済(30年) | 20~60歳 | 0~60歳 |
歳払済 (35・40・45・50・55・60・65・70・80・90歳満了) |
・20歳~ ・保満険了料時年払込齢:-10歳 |
・0歳~ ・保満険了料時年払込齢:-10歳 |
②特定疾病保険料払込免除特則がある場合
保険料払込期間 | 非喫煙者 | 標準 |
終身払 | 20~70歳 | 16~70歳 |
年払済(20年) | 20~50歳 | 16~50歳 |
年払済(30年) | 20~40歳 | 16~40歳 |
歳払済 (35・40・45・50・55・60・65・70歳満了) |
・20歳~ ・保満険了料時年払込齢:-10歳 |
・0歳~ ・保満険了料時年払込齢:-10歳 |
特定疾病保険料払込免除特則がありの場合、歳払済の80・90歳満了の取り扱いはありません。
解約返戻金をシミュレーションしてみる
こちらでは非喫煙者保険料率で契約した場合の、保険料累計額と解約返戻金額(解約返戻率)の推移をみてみましょう。
(例)契約者30歳男性の場合
- 死亡・高度障害保険金額:1,000万円
- 保険料払込期間:60歳まで
- 月払保険料:21,090円
- 特定疾病保険料払込免除特則:あり
経過年齢(年数) | 払込保険料累計額 | 解約返戻金額(返戻率) |
40歳(10年) | 2,530,800円 | 1,787,000円(70.6%) |
50歳(20年) | 5,061,600円 | 3,709,000円(73.2%) |
60歳(30年) | 7,592,400円 | 5,786,000円(76.2%) |
60歳(払込期間終了) | 7,592,400円 | 8,266,000円(108.8%) |
70歳(40年) | 7,592,400円 | 8,809,000円(116.0%) |
80歳(50年) | 7,592,400円 | 9,307,000円(122.5%) |
保険料払込期間中の返戻率は高くなっても76.2%です。
しかし、保険料払込期間終了後は返戻率108.8%に急上昇します。
80歳まで据え置けば返戻率が120%を上回り、もちろんその分は契約者側の利益となります。
介護リスクを保障する終身保険
保険のドリル読者
私の祖父も介護が必要になっていますし。
保険のドリル読者
公的介護保険では不十分なのか?
患者側の負担、要支援・要介護度とは?
の2つについて解説します。
松葉 直隆
公的介護保険では不十分?
日本人の平均寿命は非常に延び、女性は87.32歳、男性は81.25歳となっています。
しかし、高齢者の誰もが健康に年齢を重ねているわけではありません。
高齢者の中には介護が必要な方々も多く、公的介護保険制度の利用者は年々増加の一途をたどっています。
下表をご覧ください(出典:厚生労働省「公的介護保険制度の現状と今後の役割 平成30年度」)。
介護保険利用者 | 2000年4月末 | 2018年4月末 | 増加率 |
65歳以上被保険者 | 2,165万人 | 3,492万人 | 1.6倍 |
要介護認定者 | 218万人 | 644万人 | 3.0倍 |
サービス利用者 | 149万人 | 474万人 | 3.2倍 |
公的介護保険は介護認定を希望する人が市区町村へ申請し、要介護認定されれば、介護サービスの公的介護給付が受けられます。
この介護給付の対象は訪問介護や介護施設利用等、介護サービスの多岐にわたります。
しかし、介護を必要とする側にも費用負担(1割~3割)があります。
この費用負担分が、家計に大きく響くことがあるのです。
そのため、生命保険会社の扱う介護保障で、その費用負担を賄うことを検討した方が良いでしょう。
患者側の負担はどれ位?
前述したように、介護を必要とする側の所得に応じて1割~3割の自己負担となります。
こちらでは具体例を挙げて、自己負担額を見てみましょう。
(例)在宅介護サービス(1か月あたり)
要介護ランク | 利用上限 | 1割負担 | 2割負担 | 3割負担 |
要支援1 | 50,030円 | 5,003円 | 10,006円 | 15,009円 |
要支援2 | 104,730円 | 10,473円 | 20,946円 | 31,419円 |
要介護1 | 166,920円 | 16,692円 | 33,384円 | 50,076円 |
要介護2 | 196,160円 | 19,616円 | 39,232円 | 58,848円 |
要介護3 | 269,310円 | 26,931円 | 53,862円 | 80,793円 |
要介護4 | 308,060円 | 30,806円 | 61,612円 | 92,418円 |
要介護5 | 360,650円 | 36,065円 | 72,130円 | 108,195円 |
要介護ランクが上がる度に、自己負担額は増大していきます。
生命保険会社の扱う介護保障を受けられるなら、金銭的サポートが期待できます。
要支援・要介護度とは?
前述した表の要支援・要介護は、介護を必要とする人それぞれの身体機能等の衰えに応じて、市区町村の介護認定審査会から判定されます。
要支援・要介護の次の7つのランクを判定する基準は次の通りです。
(1)要支援
- 要支援1:要介護状態と認められないものの、社会的支援が必要
- 要支援2:生活の一部に介護を必要とする状態、適切な介護予防サービスを利用すれば状態の維持や改善が見込まれる
(2)要介護1
生活の一部に介護を必要とする状態で、
- 食事や排泄はほとんど単独でできるが、時折介助が必要
- 立ち上がり・歩行等に不安定さを確認
- 問題行動や理解の低下を確認
に該当する人
(3)要介護2
軽度の介護を必要とする状態で、
- 食事や排泄に何かしらの介助を要する
- 立ち上がり・片足での体勢の保持、歩行等に何らかの支えが必要
- 衣服の着脱がやや不自由
- 物忘れ・直前の行動の理解の一部に低下を確認
に該当する人
(4)要介護3
中等度の介護を必要とする状態で、
- 食事・排泄の一部に介助を要する
- 立ち上がり・片足での体勢の保持、歩行等が一人では不可能
- 入浴・衣服の着脱に介助を要する
- 問題行動・理解力の低下を確認
に該当する人
(5)要介護4
重度の介護を必要とする状態で、
- 食事に介助を要する
- 立ち上がり・両足での体勢の保持がほぼ不可能
- 排泄、入浴・衣服の着脱に全面的な介助を要する
- 問題行動・理解力の低下を確認
に該当する人
(6)要介護5
最重度の介護を必要とする状態で、
- 食事・排泄が単独で不可能
- 立ち上がり・両足での体勢の保持が不可能
-
意思伝達がほぼ不可能
に該当する人
東京海上日動あんしん生命「長生き支援終身」
保険のドリル読者
保険のドリル読者
松葉 直隆
「長生き支援終身」の特徴
東京海上日動あんしん生命の「長生き支援終身」は、被保険者が死亡または高度障害状態の時、要介護2以上になった時に、まとまった保険金が受け取れる終身保険(死亡保険)です。
「長生き支援終身」では、介護保障機能が設定され、被保険者が介護を要する状態となった場合も金銭的サポートが受けられる等、多機能な保険商品です。
「長生き支援終身」の契約条件は次の通りです。
- 契約年齢:15歳~69歳
- 保険期間:終身
- 保険料払込期間:短期払
- 保険料払込回数:月払・年払
- 保険料払込経路:口座振替・クレジットカード払
- 保険金額:200万円~5,000万円
「長生き支援終身」の保険内容を紹介!
こちらでは、「長生き支援終身」の保障内容について説明します。
(1)介護保険金・死亡保険金・高度障害保険金
要介護2以上または所定の要介護状態となったとき介護保険金が受け取れます。
200万円~5,000万円まで設定できます。
もちろん、被保険者の死亡時は死亡保険金が、所定の高度障害状態となった場合は高度障害保険金が受け取れます。
なお、介護保険金の場合は10年間に分け【介護年金】として受取可能です(年金支払特約)。
(2)健康祝金
被保険者が健康で長生きした場合、「70歳・75歳・80歳」または「80歳・85歳・90歳」 で、祝金が計3回受け取れます。
健康祝金支払対象年齢 | 契約年齢 | 保険料払込期間満了時年齢 |
70歳・75歳・80歳 | 15歳~59歳 | 69歳以下 |
80歳・85歳・90歳 | 15歳~69歳 | 79歳以下 |
健康祝金なし | 15歳~69歳 | 79歳以下 |
(3)特則・特約
- 特定疾病保険料払込免除特則:悪性新生物(悪性がん)と診断確定、心疾患または脳血管疾患により所定の治療を受けた場合、以後保険料の払込は免除。
- リビング・ニーズ特約:余命6か月以内と医師から判断された場合、特定状態保険金が下りる。
解約返戻金をシミュレーションしてみる
こちらでは「長生き支援終身」の、保険料累計額と解約返戻金額(解約返戻率)の推移をみてみましょう。
(例)契約者30歳男性の場合
- 保険金額:500万円
- 保険料払込期間:60歳まで
- 健康祝金支払対象年齢:80歳・85歳・90歳
- 月払保険料:13,685円
経過年齢(年数) | 払込保険料累計額 | 解約返戻金額(返戻率) |
40歳(10年) | 約165万円 | 約105万円(64.9%) |
50歳(20年) | 約329万円 | 約220万円(67.0%) |
60歳(30年) | 約493万円 | 約343万円(69.6%) |
70歳(40年) | 約493万円 | 約503万円(102.2%) |
80歳(50年) | 約493万円 | 約543万円(110.4%) |
介護保険金が死亡保険金・高度障害保険金と同額で下りる他、解約返戻率も据え置けば、どんどんUPしていきます。
しかし、そもそも介護リスクに備えるための商品なので、介護が必要となった時は、これからの費用負担を考慮して、速やかに保険金を請求した方が良いでしょう。
三大疾病リスクを保障する終身保険
保険のドリル読者
特に、友人から【三大疾病】への備えはしっかり行った方が良いと言われました。
三大疾病とは何か?
公的医療保険だけで対応可能?
などについて解説します。
松葉 直隆
三大疾病とは?
三大疾病は【悪性新生物(悪性がん)】・【心疾患】・【脳血管疾患】の3つを指します。
これらの病気の特徴は次の通りです。
- 悪性新生物(悪性がん):身体の細胞が変異し正常な細胞を侵食しながら増殖する、死亡するリスクが高い病気。
- 心疾患:心臓のトラブルの総称。特に深刻な心筋梗塞となれば、心臓の血管がつまり、胸部の激痛を伴いながら死亡する事態も。
- 脳血管疾患:脳血管のトラブルの総称。脳梗塞となれば脳の血管が詰まり身体の麻痺も発生、死亡する事態も。
この三大疾病だけで日本人の死因の50.6%を占めます(出典:厚生労働省「平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況」結果の概要)。
発症すると前述したように深刻な事態となり、充実した金銭的サポートの下で手厚い治療が行われなければ、手遅れになる可能性もあります。
公的医療保険だけで対応できるのか?
三大疾病の治療のほとんどは公的医療保険が適用されます。
しかし、こちらも公的介護保険と同様に自己負担分が発生します。
原則として3割が患者負担となります。
この3割分が重い医療費となっても、【高額療養費制度】を利用すれば、自己負担限度額を超えて支払った医療費は戻ります。
一見、公的医療保険にさえ加入していれば、高額療養費制度も活用できて公的給付で十分と思われます。
ただし、これらの公的給付はあくまで保険診療が対象です。
保険診療外の入院費(差額ベッド代)や、先進医療の技術料や、そして自由診療は全額自己負担となります。
これらの医療サービスを利用する場合は、患者の予想を大きく上回る費用が医療機関側から請求されるおそれもあります。
医療保険やがん保険で備えていないと
三大疾病の入院・治療サポートが受けられるのは、生命保険会社が販売する「医療保険」「がん保険」です。
これらの商品では、入院給付金、手術給付金、一時金、通院給付金と様々な金銭的サポートが用意されています。
しかし、所定の入院や手術に該当しなければ保障は受けられず、入院・手術を行うたびに給付金請求が必要となり、利用者からすればやや面倒な手続きが必要となります。
一方、死亡保険で三大疾病治療に関する保障が得られるなら、多額の保険金が一気に受け取れます。
死亡保障に備えつつ、三大疾病治療にも備えられる終身保険があればとても安心です。
SOMPOひまわり生命「特定疾病前払式 終身保険」
保険のドリル読者
しかし、三大疾病を発症しても保険金は下りない仕組みでした。
保険のドリル読者
松葉 直隆
SOMPOひまわり生命の商品は「ほけんのぜんぶ」で相談(無料)
「特定疾病前払式 終身保険」の特徴
SOMPOひまわり生命の「特定疾病前払式 終身保険」は、被保険者が死亡または高度障害状態のとき、所定の三大疾病を発症した場合、保険金が受け取れる終身保険(死亡保険)です。
三大疾病を発症した時は【特定疾病保険金】として、設定した基準保険金額の最大50%が受け取れます。
「特定疾病前払式 終身保険」の契約条件は次の通りです。
- 契約年齢:15歳~70歳
- 保険期間:終身
- 保険料払込期間:終身払・短期払・全期前納・一時払(一括払)
- 保険料払込回数:月払・半年払・年払
- 保険料払込経路:口座振替・クレジットカード払
- 保険金額:50万円~2,000万円
「特定疾病前払式 終身保険」の保険内容を紹介!
こちらでは、「特定疾病前払式 終身保険」の保障内容について説明します。
(1)死亡保険金・高度障害保険金
被保険者が死亡または所定の高度障害状態に備え、50万円~2,000万円まで設定できます。
(2)特定疾病保険金
死亡保険金・高度障害保険金の基準となる【基準保険金額】の10%~50%(10%単位)で保険金額を設定できます。
保険金支払いの対象となる三大疾病それぞれの条件は次の通りです。
- 悪性新生物(悪性のがん):責任開始期前を含め、初めて悪性新生物と医師から診断確定された
- 急性心筋梗塞:急性心筋梗塞を発病し①初めて医師の診療を受けた日を含めて60日以上、労働制限を要する状態が継続したと医師により診断、または②急性心筋梗塞の治療が直接の目的で所定の手術を受けた、のいずれかに該当
- 脳卒中:脳卒中を発病し①初めて医師の診療を受けた日を含めて60日以上、言語障害等の神経学的後遺症が継続したと医師により診断、または②脳卒中の治療が直接の目的で所定の手術を受けた、のいずれかに該当
(3)特定疾病保険料払込免除特則
特定疾病で所定の事由に該当したら、以後保険料の払込は免除されます。
「特定疾病前払式 終身保険」の注意点
「特定疾病前払式 終身保険」は、基準保険金額を2,000万円で設定した場合、最高1,000万円が一気に下ります。
特に悪性新生物(悪性のがん)と医師から初めて診断確定されただけで、この高額な保険金を受け取ることが可能です。
この多額の一時金額は、がん治療に特化したがん保険でも設定不可能です。
「特定疾病前払式 終身保険」に加入すれば、保険診療の3割自己負担分、差額ベッド代、先進医療費、通院費、自由診療の費用すら十分賄うことができるでしょう。
そのため、本商品は貯蓄目的に安易な中途解約を行い、解約返戻金を受け取ることは避けた方が良いです。
この商品は保険会社が許可したことを条件に、全期前納・一時払(一括払)で契約でき返戻率UPも図れますが、解約返戻金に使ってしまっては、三大疾病への備えが無くなってしまいます。
解約返戻金として受け取ることで、後々、三大治療サポートへ影響が出ないかよく検討してみましょう。
まとめ
終身保険は死亡保障にとどまらない、様々な保障が設定されている商品も多いです。
そのため、単に人気があるからと言う理由で保険選びは行わず、保障内容についてしっかりチェックし申し込みを検討しましょう。
貯蓄目的に活用するのか、介護の備えも必要なのか、三大疾病などの病気への備えも必要なのか、人それぞれでニーズも異なります。
保険商品の特徴と、自分のニーズの把握をしっかりとするようにしましょう。