コープ共済は、日本コープ共済生活協同組合連合会が扱っている共済事業であり、他の共済団体と比べても生命保障・医療保障が充実しています。
コープ共済には、単独で加入できる【がん共済】のような商品がありませんが、がん特約が用意され、特定の共済商品に付加して保障を受けることは可能です。
そこで、コープ共済のがん治療保障の特徴について解説します。
また、競合他社のがん保険とも比較しますので、コープ共済のがん治療保障のメリット・デメリットを見ていきましょう。
- コープ共済のがん治療サポートについて
- コープ共済の特約とがん保険との比較
- がん治療サポートに関する注意点やポイントの解説
- 保険の新規加入や見直しを検討するなら、相談員の約97%が国家資格であるFPの資格を所持している「ほけんのぜんぶ」で無料で相談することをおすすめします。
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目次
コープ共済にがん保険はあるの?
保険のドリル読者
コープ共済で【がん保険】のような商品は販売されているのでしょうか?
松葉 直隆
コープ共済に【がん保険】は無い!
コープ共済は、他の共済団体と比べても生命保障・医療保障が充実しています。
コープ共済の生命・医療保障に関する商品は、大きく分けて次の5種類です。
- 「たすけあい」:ジュニア20コース・女性コース・医療コース・ベーシックコース
- 「あいぷらす」
- 「プラチナ85」
- 「ずっとあい」:終身医療・終身生命
- 「新あいあい」
いずれも、単独のがん治療サポートを目的とした商品ではありません。
がん治療サポートに関しては、オプションとして付加することができます。
つまり、コープ共済のがん治療サポートを利用したい場合は、必ず生命保障に関する商品へ加入する必要があるのです。
がん治療サポートの商品は限られている?
コープ共済のがん治療サポートは、商品に特約として付加することができます。
その付加できる商品も限られ、「あいぷらす」と「新あいあい」の2つとなります。
それぞれ次の特徴を有する生命保障となります。
「あいぷらす」
手ごろな掛金で最高3,000万円の生命保障が設定できる定期の商品です。
10年間は掛金が変わらず、10年先のライフステージに合わせて保障内容を見直すことができます。
「あいぷらす」には、病気やケガの入院・治療をサポートする【入院特約】、がん治療をサポート【新がん特約】が付加できます。
満18歳~満60歳の方が加入できるプラン、満60歳~満70歳の方が加入できるプランの2つがあります。
各プランで生命保障の保障金額、入院特約・新がん特約の保障金額が異なります。
「新あいあい」
「新あいあい」は、保障満期5年で設定されている定期の生命保障です。
5年後の満期時に満期金が受け取れます(最高500万円まで)。
医療保障を付加したいなら【医療特約】、女性の疾病に備えたい方々は【女性疾病医療特約】を付加することができます。
がん治療サポートは女性疾病医療特約で用意されています。
つまり本商品で、がん治療サポートを受けられる人は女性のみに限定されることとなります。
「あいぷらす」と「新あいあい」を比較
こちらでは、コープ共済商品「あいぷらす」と「新あいあい」を比較してみます。
比較 | 「あいぷらす」 | 「新あいあい」 |
商品 | 定期の生命保障 | 定期の生命保障 |
がん治療サポート | 新がん特約 | 女性疾病医療特約 |
入院保障 | 保障期間内で無制限 | 保障期間内で無制限 |
注意点 | プランによって保障金額が縮減 | 女性のみが対象 |
がん治療サポートの利用できる2商品ですが、プランによって保障金額が縮減されるケースや、女性のみがサポート対象になる制約も存在します。
次章以降では「あいぷらす」の【新がん特約】、「新あいあい」の【女性疾病医療特約】の保障内容と注意点について、詳しく解説していきましょう。
「あいぷらす」の【新がん特約】を解説!
保険のドリル読者
そこで「あいぷらす」の【新がん特約】について詳しく教えて下さい。
松葉 直隆
がん治療の定期保障を設定可!
生命保障「あいぷらす」は、満18歳~満60歳の方が加入できるプラン、満60歳~満70歳の方が加入できるプランの2つがあります。
いずれも月掛金または年掛金で払い込むことができます。
加入時より10年間ごとに契約を更新する商品であり、【新がん特約】もそれに合わせて更新継続となります。
両プランを合わせ満85歳まで継続できるので、保障内容や掛金に不満がないならそのまま加入し続けても構いません。
なお、「あいぷらす」の基本保障は次の通りです。
満18歳~満60歳の方が加入できるプラン
死亡・重度障害 (病気・事故)保障:加入者のまさかの事態を想定して、300万円・500万円・1,000万円・1,500万円・2,000万円・2,500万円・3,000万円の7種類の保障金額いずれかを設定できます。
満60歳~満70歳の方が加入できるプラン
死亡・重度障害 (病気・事故)保障:加入者のまさかの事態を想定して、100万円・300万円・500万円の3種類の保障金額いずれかを設定できます。
【新がん特約】の保障内容と掛金例を紹介!
こちらでは「あいぷらす」の【新がん特約】の保障内容と掛金例を紹介します。
【新がん特約】の保障内容
【悪性新生物(悪性がん)】および【上皮内新生物(初期のがん)】共に保障対象となる手厚い内容となっています。
この【新がん特約】も、他のがん治療サポートに関する商品と同様、【申込日から91日目】または【「あいぷらす」の契約が発効する日】のいずれか遅い方の日から保障が開始されます。
(1)がん治療共済金
一時金として100万円または200万円が選択できます。
保障期間内なら、2年に1回を限度として何度でも受け取れます。
この一時金を受け取れる条件は次の通りです。
- 1回目:がんと医師から診断確定された場合
- 2回目:がんと診断確定された日から2年経過以降、がんで入院した場合
(2)がん入院共済金
入院1日目から保障され、保障期間内なら日数無制限で日額10,000円が受け取れます。
(3)がん手術共済金
がん手術の内容により10・20・40万円のいずれかが受け取れます。
(4)がん退院共済金
20日以上連続した入院をして無事退院した場合、一律10万円が受け取れます。
ただし、退院後180日以内の再入院したらこの共済金は受け取れません。
(5)がん通院共済金
5日以上連続した入院で、かつ退院後180日以内の通院の場合、日額5,000円が受け取れます。
1入院につき30日分、全共済期間(契約更新・更改した場合を含む)通算し1,000日が保障限度です。
【新がん特約】の掛金例
こちらでは事例を挙げて掛かる掛金を見てみましょう。
(例)満18歳~満60歳の方が加入できるプランの場合
- 払込方法:月払
- 死亡・重度障害保障:1,000万円
- がん治療共済金:200万円
- 特約:新がん特約のみ付加
①男性
加入年齢/掛金 | 生命保障 | 新がん特約 | 合計 |
20歳 | 1,100円 | 210円 | 1,310円 |
30歳 | 1,200円 | 490円 | 1,690円 |
40歳 | 2,700円 | 1,320円 | 4,020円 |
50歳 | 5,500円 | 5,070円 | 10,570円 |
②女性
加入年齢/掛金 | 生命保障 | 新がん特約 | 合計 |
20歳 | 700円 | 420円 | 1,120円 |
30歳 | 1,000円 | 1,400円 | 2,400円 |
40歳 | 1,700円 | 2,850円 | 4,550円 |
50歳 | 3,100円 | 4,250円 | 7,350円 |
特に男性は、がん発症リスクの高まる50歳以降から、急激に【新がん特約】の掛金分が高くなります。
【新がん特約】の注意点!
満18歳~満60歳の方が加入できるプランは、満60歳で保障満期となりますが、満60歳~満70歳の方が加入できるプランを選ぶこともできます。
しかし、満60歳~満70歳の方が加入できるプランを選ぶと、次のように保障金額が縮減されてしまいます。
新がん特約 | 満18歳~満60歳 | 満60歳~満70歳 |
がん治療共済金 | 100万円または200万円 | 50万円 |
がん入院共済金 | 日額10,000円 | 日額5,000円 |
がん手術共済金 | 10・20・40万円 | 5・10・20万円 |
がん退院共済金 | 10万円 | 5万円 |
がん通院共済金 | 日額5,000円 | 日額2,500円 |
いずれの共済金額も1/2以下となってしまいます。
満60歳~満70歳の方が加入できるプランで、とてもがん治療サポートが不足してしまうと感じたら、別のがん保険等へ新規の加入を検討した方が良いでしょう。
「新あいあい」の【女性疾病医療特約】を解説!
保険のドリル読者
がんには女性しか発症しないがんもあるので、男性以上に気を付けないといけませんね。
そこで「新あいあい」の【女性疾病医療特約】について詳しく知りたいです。
松葉 直隆
女性特有のがん等の治療保障を設定可!
「新あいあい」は、保障満期5年の定期の生命保障です。
また、5年後の満期時に満期金が加入者へ支払われます(最高500万円まで)。
払込方法は月掛金または年掛金が選べます。
がん治療に手厚い【女性疾病医療特約】を付加できる
「新あいあい」では、医療保障を付加したいなら【医療特約】、女性の疾病に備えたい方々は【女性疾病医療特約】を付加することができます。
この【女性疾病医療特約】は、女性特有のがん(子宮・卵巣がん)をはじめ、その他のがんや女性疾病治療に手厚いサポートとなっています。
ただし【女性疾病医療特約】は、【医療特約】を付帯の女性の方々のみ付加することができます。
つまり、【女性疾病医療特約】を利用したいなら、基本保障のみならず医療特約も付加する必要があります。
「新あいあい」の基本保障
生命保障と満期金が設定されています。
(1)生命
病気等による死亡・重度障害、災害による死亡・重度障害で受け取れる保障金額は異なります。
- 死亡・重度障害:最低1口(100万円)~最高20口(2,000万円)、リビングニーズ保障(余命6ヶ月以内と診断された場合、共済金が受け取れる。)。
- 災害による死亡・重度障害:最低1口(200万円)~最高20口(4,000万円)を保障。
- 災害後遺障害:4~90万円
(2)満期金
5年後の満期時に受け取れます。
最低1口(10万円)~50口(500万円)まで設定できますが、死亡保障額が限度となります。
【女性疾病医療特約】の保障内容を紹介!
こちらでは、【女性疾病医療特約】の保障内容について説明します。
本特約は、医療特約と同型(医療3,000円型・医療5,000円型・医療7,000円型)で設定できる特約です。
入院保障
女性疾病による入院保障は次の通りです。
- がんによる入院:日帰り入院から無制限保障
- がん以外による入院:日帰り入院から1入院180日まで保障、通算1,000日が限度
疾病/型 | 医療3,000円 | 医療5,000円 | 医療7,000円 |
女性疾病 | 日額1,500円 | 日額2,500円 | 日額3,500円 |
がん | 日額3,000円 | 日額5,000円 | 日額7,000円 |
がん手術・がん放射線治療保障
所定のがん手術・がん放射線治療を受けたとき、次の保障金額が受け取れます。
疾病/型 | 医療3,000円 | 医療5,000円 | 医療7,000円 |
がん手術 | 6万円 | 10万円 | 14万円 |
がん放射線治療 | 3万円 | 5万円 | 7万円 |
診断保障
医師から診断確定された場合に、一時金として30万円(医療3,000円型)、50万円(医療5,000円型)、70万円(医療7,000円型)が受け取れます(上皮内新生物・悪性新生物ともに同額)。
受け取れる条件は次の通りです。
①上皮内新生物(初期のがん)
- 1回目:がんと医師から診断確定
- 2回目以降:医師から診断確定かつ入院した
②悪性新生物
- 1回目:初めてがんと医師から診断確定
- 2回目以降:医師から診断確定かつ入院した
退院(女性疾病・がん)保障
無事退院した場合、一時金として1.5万円(医療3,000円型)、2.5万円(医療5,000円型)、3.5万円(医療7,000円型)が受け取れます。
在宅療養保障
悪性新生物(悪性のがん)で在宅療養した場合、最高180日にわたり日額1,500円(医療3,000円型)、日額2,500円(医療5,000円型)、日額3,500円(医療7,000円型)が受け取れます。
【女性疾病医療特約】の注意点!
「新あいあい」の【女性疾病医療特約】は、基本保障だけでなく【医療特約】も付加した上でないと設定できない特約です。
また、保障内容の設定内容によって、大幅に掛金負担が重くなる場合もあります。
特に満期金を設定する際は注意が必要です。
事例を挙げて解説してみます。
(例)加入者が30歳女性の場合
- 払込方法:月払
- 生命:5口(500万円)
- 医療特約:医療3,000円型付加
満期金1口(10万円)の場合
保障 | 月掛金額 |
基本 | 2,450円 |
医療特約+女性疾病医療特約 | 1,460円 |
合計額 | 3,910円 |
満期金50口(500万円)の場合
保障 | 月掛金額 |
基本 | 83,300円 |
医療特約+女性疾病医療特約 | 1,460円 |
合計額 | 84,760円 |
満期金が多めに戻ってくれば、それだけ掛金が無駄にならないのでお得と言えます。
しかし事例のように、満期金を高めに設定すれば毎月8万円超える掛金負担となってしまいます。
満期金よりも【女性疾病医療特約】の利用を重視するならば、満期金設定を可能な限り抑えることが大切です。
「あいぷらす」と「がん保険フォース」を比較!
保険のドリル読者 生命保険会社のがん保険と比較して「あいぷらす」の【新がん特約】は遜色のない保障内容なのでしょうか?
松葉 直隆
オリックス生命「がん保険フォース」の紹介!
オリックス生命「がん保険フォース」は、定期のがん保険として販売されています。
がん保険ではありますが、死亡保障も設定されています。
がん保険としては非常にシンプルな保障内容となっており、死亡保障の他、がん診断・がん通院、特約として先進医療保障が付加できます。
また、生命保険会社で取り扱うがん保険によくある【がん通院特約】は、「がん保険フォース」の場合【がん通院給付金】として基本設定されています。
通院治療の内容によっては保障期間中、【無制限保障】とされる点が大きな特徴といえます。
「がん保険フォース」の契約内容は次の通りです。
- 契約年齢:15歳~75歳
- 保険期間・保険料払込期間:10年・15年・20年・25年・30年・35年満了
- 払込回数:月払・半年払・年払
「がん保険フォース」の保障内容と保険料例を紹介!
こちらでは「がん保険フォース」の保障内容と掛金例を説明します。
「がん保険フォース」の保障内容
【悪性新生物】および【上皮内新生物】共に保障対象となります。
(1)がん診断治療給付金
一時金として100万円(100万円コース)または200万円(200万円コース)が選択できます。
保障期間内なら、2年に1回を限度として何度でも受け取れます。
この一時金を受け取れる条件は次の通りです。
- 1回目:初めてがんと医師から診断確定された場合
- 2回目:がんと診断確定された日から2年経過以降、がんで入院した場合
(2)がん通院特約
通院給付金日額10,000円(100万円コース)または20,000円(200万円コース)が選択できます。通院の治療内容によって保障期間が変わります。
通院目的 | 通院支払限度日数 |
約款所定の手術、放射線照射、温熱療法、抗がん剤(経口投与以外) | 無制限保障 |
それ以外の治療や経過観察 | 退院後1年以内、通院治療期間あたり60日保障上限 |
(3)がん死亡保険金
被保険者が、がんを直接の原因として死亡する場合に備え、100万円(100万円コース)または200万円(200万円コース)の保険金が選択できます。
なお、リビングニーズ特約(無料)を付加すると、余命6ヶ月以内と診断された場合、生存中に保険金が受け取れます。
(4)先進医療特約
特約として次の給付金も設定できます。
- がん先進医療給付金:先進医療を受けた場合、通算2,000万円まで保障。
- がん先進医療一時金:療養1回につき先進医療給付金10%相当額(50万円上限)を保障。
「がん保険フォース」の掛金例
こちらでは事例を挙げて毎月の保険料をみてみましょう。
(例)200万円コースの場合
- 払込方法:月払
- 保険料払込期間:10年満了
- 特約:先進医療特約付加
①男性
加入年齢/保険料 | 主契約 | 先進医療特約 | 合計 |
20歳 | 1,760円 | 16円 | 1,776円 |
30歳 | 1,960円 | 19円 | 1,979円 |
40歳 | 2,620円 | 33円 | 2,653円 |
50歳 | 4,860円 | 113円 | 4,973円 |
②女性
加入年齢/保険料 | 生命保障 | 新がん特約 | 合計 |
20歳 | 1,940円 | 17円 | 1,957円 |
30歳 | 2,600円 | 22円 | 2,622円 |
40歳 | 4,020円 | 43円 | 4,063円 |
50歳 | 5,820円 | 131円 | 5,951円 |
「あいぷらす」の【新がん特約】と「がん保険フォース」を比較!
こちらでは「あいぷらす」の【新がん特約】(満18歳~満60歳の方が加入できるプラン)と、「がん保険フォース」の特徴を比較してみましょう。
下表をご覧ください(がん治療共済金・がん診断治療給付金:200万円を条件に比較)。
比較 | 《あいぷらす》新がん特約 | がん保険フォース |
加入年齢 | 満18歳~満60歳 | 15歳~75歳 |
がん診断保障 | 〇(200万円) | 〇(200万円) |
入院保障 | 〇 | × |
手術保障 | 〇 | × |
放射線治療保障 | 〇 | × |
退院保障 | 〇 | × |
死亡保障 | 〇 | 〇 |
先進医療保障 | × | 〇 |
通院保障 | 〇(1入院30日まで) | 〇(無制限保障も) |
月掛金(20歳~50歳) |
・男性:1,310円~10,570円 ・女性:1,120円~7,350円 ※主契約含む |
・男性:1,776円~4,973円 ・女性:1,957円~5,951円 ※先進医療特約含む |
入院保障や手術保障、放射線治療保障など、細かな治療保障を備えておきたい場合は「あいぷらす」の【新がん特約】がおすすめです。
通院保障は「あいぷらす」の【新がん特約】の場合、1入院につき30日が限度です。
一方「がん保険フォース」は、通院治療によって無制限保障される場合もあります。
退院後の治療費が気になる方々は、がん保険フォースを選んだ方が良いでしょう。
がん治療サポートの特徴!
保険のドリル読者 そこで、申し込む前にコープ共済のがん治療サポートの注目点があれば教えて下さい。
松葉 直隆
がん治療サポートのメリットは?
コープ共済のがん治療サポートのメリットは主に2つあります。
いろいろな保障が設定されている
「あいぷらす」の【新がん特約】も、「新あいあい」の【女性疾病医療特約】も、診断・入院や手術・退院など、さまざまな保障が設定されています。
いろいろなケースで共済金を受け取りたい方々に最適のサポート内容です。
特に【女性疾病医療特約】では、在宅療養でも保障が受けられる場合もあり、女性の立場に立った金銭的サポートとなっています。
掛金が割安
「あいぷらす」の【新がん特約】も「新あいあい」の【女性疾病医療特約】も、主契約に付加するオプションですが、その特約分の掛金は非常に割安です。
【新がん特約】なら毎月200円程度から、【女性疾病医療特約】は医療特約と合わせて毎月1,000円程度から設定できます。
生命保障に付加しても大きな負担とならず、しっかりいざという時に保障が受けられるので安心です。
がん治療サポートのデメリットは?
コープ共済のがん治療サポートのデメリットも主に2つあります。
単独で加入はできない
「あいぷらす」の【新がん特約】も「新あいあい」の【女性疾病医療特約】も、どんなに保障が気に入ったからと言っても単独加入は不可能です。
特約である以上、共済商品・保険商品いずれの場合も、主契約に付加する形で設定できます。
そのため、主契約を解約する場合には、付加した特約も諦めなければいけません。
『主契約は解約するが特約は継続したい』と言う希望は通らないので注意が必要です。
更新の度に掛金はどんどん上がる
双方の商品は定期の生命保障である以上、保障満期になる度、加入者が保障終了の意思表示をコープ共済に申し出ない限り、自動更新されます。
保障がなくなるわけでは無いので安心な一方、。
高齢になるほど掛金の負担は重くなっていくので、生命保険会社の販売する終身がん保険の方が、むしろ安くなるケースもあります。
自動更新は楽なのですが、掛金は割高になり、いずれ一定の年齢となれば保障は継続できなくなることに注意しましょう。
定期的に保障の見直しを検討しよう
『無事にコープの商品へ加入できたし、後はそのまま継続すれば良い』と、油断してしまう加入者がいるかもしれません。
しかし、コープ共済のがん治療サポートへ入ったものの、【入院や手術する度に共済金請求手続きを行うことが面倒】と感じることもあるでしょう。
また、生命保険会社のがん保険の中には、細かな保障内容を省き最高300万円に上る診断一時金が、無制限(概ね2年経過後という条件はある)に受け取れる商品もあります。
このような一時金メインの商品は、1回の請求で多額の保障金額を一挙に受け取れるので非常に楽です。
このお金で入院費や手術費、通院費もほとんど賄えるはずです。
コープの商品へ加入した後、このように便利な商品を見つけたり、更に有利な商品を見つけたりしたら、商品の見直しを行った方が良いでしょう。
少なくとも以前に加入した商品が、明らかにご自分の現状と合わないと感じたら、ご自分のニーズに合った別の商品を探して加入し直した方が無難です。
がん治療サポートを上手く活用するコツ!
保険のドリル読者
がん治療の公的なサポートを賢く利用していくコツも知りたいです。
終身がん保険の思わぬ落とし穴
手厚い高齢者医療制度
差額ベッド代をどう賄う?
の3つについて解説します。
松葉 直隆
終身がん保険はそんなにお得か?
終身がん保険は、生命保険会社の主力商品となっており、利用者の関心度の高さから、非常に多くの商品が販売されています。
【終身】である以上、一生涯保障される商品であり被保険者は亡くなるまで、その保障が受けられます。
しかし、終身がん保険で設定されている保障の中で、将来、場合によっては給付金が受け取れなくなるものもあります。
それが、がん手術・治療に関する給付金です。
そもそも終身がん保険は、契約当時のがん治療の技術を参考に、【手術給付金】や【がん剤・放射線治療給】が設定されています。
ご自分が加入してから、かなり時間が経過した後、がん治療に当時想定されていない新たな技術が発明され、その医療技術がメジャーな治療法となることも考えられます。
この場合、仮にその革新的な治療法を利用しても、加入中の手術・治療給付金では想定されていない治療法のため、保障が受け取れないケースもあるのです。
もちろん、かなり前に加入した商品でも、診断一時金や入院給付金は問題なく受け取れます。
しかし、手術・治療保障も必ず受け取りたいと言う人は、終身がん保険であっても、結局、定期的な見直しは必要となるでしょう。
70歳以降の高齢者医療制度を考える
皆さんの公的医療保険は原則3割負担となっていることでしょう。
しかし、70歳以降になれば、その医療費負担はどんどん軽減されていきます。
公的医療保険加入者が70歳を迎えると、保険者から高齢受給者証が交付されます。
この受給者証があれば原則として2割自己負担となります。
その後、皆さんが75歳を迎えたら、後期高齢者医療被保険者証が市町村から送付されます。
こちらなら原則1割自己負担まで軽減されます。
さらに、1割・2割負担でも医療費が高額となる場合は、【高額療養費制度】で医療費を軽減できます。
このような公的な給付制度は【保険診療】が対象となります。
しかし、保険診療は医療サービスの大半がその範囲と言えるので、がん治療の負担も大部分は軽減されます。
心配なのは【差額ベッド代】くらい?
この保険診療が利用できないサービスに【差額ベッド代】があります。
差額ベッド代とは特別環境療養室の利用費のことであり、この利用費は全額自己負担となります。
しかし、医療機関の病室が全て特別環境療養室と言うわけではありません。
公的医療保険制度の対象となる病室、いわゆる大部屋の利用で重い負担は回避できます。
また、最先端のがん治療のような先進医療ではなく、保険診療の範囲内のがん治療を受けたいなら、高額な治療費はかかりません。
一方、通院治療も保険診療となる場合は多いです。
おそらく皆さんが気になるのは、医療機関に通院するまでの交通費だと思います。
こちらも公共交通を利用するなら【シニア割】で交通費の負担も安くなることでしょう。
この様に、いろいろと入院や通院の費用負担を工夫して軽減できれば、無理に民間の共済商品・保険商品へ加入する必要はありません。
まとめ
コープ共済のがん治療サポートは特約で付加することになりますが、個別のがん保険と同等の手厚い保障が期待できます。
共済と一般的ながん保険では、保障内容・条件が細かな違いがありますので、内容をしっかりとチェックして申し込むかどうかを検討しましょう。
がんへの不安は多くの方が抱える悩みですが、備える方法はいくつもん選択肢があります。
自分に合った備え方を見つけられるようにしましょう。